平成28年度給水及び排水の管理「過去問題解説2」
問題111
給水設備の配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 飲料水用配管は、他の配管系統と識別できるようにしなければならない。
- 建物の揺れ、配管の振動等による変位を吸収するため、貯水槽と配管との接続には可とう継手を使用する。
- 揚水管は、高置水槽に向かって上り勾配で配管する。
- ウォ―タハンマ防止器は、ウォ―タハンマ発生箇所に近接して設置する。
- 上向き配管方式の場合は、先下り配管とする。
答え【5】
上向き配管方式の場合は、先上り配管とし、最上位に空気抜き装置を設ける。。
可とう継手とは、弾性を持ち、曲げたり伸びたりする事ができる柔構造を持つ継手の総称です。地震や地盤の不等沈下が発生した際、コンクリ―ト構造物と管や、管どうしを接続する継手部に発生する変位に対して、継手部が有する伸縮部材の形状変形により追随し、コンクリ―ト構造物や管路の破損や漏水を防ぐ事により流下機能を維持する継手の事です。
(3)ですが高置水槽は基本屋上に設置されることが多いので上向き配管方式です。従って上り勾配で配管する。
問題112
飲料用貯水槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 屋内に設置する貯水槽は、建築物の躯体を利用して築造してはならない。
- 受水槽を独立した室に設置する場合は、出入口に施錠する。
- オ―バ―フロ―管は、排水口空間を確保し、間接排水とする。
- 流入管は、流入時に波立ちを防止するために水没させる。
- 滞留水の防止のために、流入口と流出口を対角線に配置する。
答え【4】
(4)の流入管は逆サイホン作用による逆流を防止するため、オ―バ―フロ―管とあふれ縁との間に吐水口空間を確保して配置します。逆サイホン作用とは、給水管内に生じた負圧による吸引作用により給水管内に逆流する現象です。
従って流入管を水没させておくと逆流した水が流入管に流れ込んできます。
従って必ず吐水口空間を確保する必要があります。
(5)は
受水槽の流入口と流出口の位置は死水(滞留水)を発生させないために対角線上に配置する。さらに大容量の貯水槽では隔壁を設けて死水を防止する。
そこで、よく排水口空間と排水口開放を間違えやすいので確認しましょう。
問題113
給水設備の汚染に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- クロスコネクションとは、飲料水系統と他の配管系統を配管などで直接接続することである。
- 逆サイホン作用とは、給水管内に生じた負圧により、水受け容器にいったん吐出された水が給水管内に逆流することである。
- 大便器洗浄弁には、大気圧式バキュ―ムブレ―カを設置する。
- バキュ―ムブレ―カには、大気圧式と圧力式がある。
- 洗面器における吐水口空間は、水栓の吐水口端と水受け容器のオ―バ―フロ―口との垂直距離である。
答え【5】
(5)ですが洗面器における吐水口空間は、水栓の吐水口端と水受け容器の越流面(あふれ縁)との垂直距離をいいます。水受け容器では、逆サイホン作用の防止のために吐出口空間を確保する。
給水管内が負圧になるとバキュ―ムブレ―カから空気が流れ込み負圧を解除するため
バキュ―ムブレ―カ
大気圧式と圧力式がある。
- 大便器洗浄弁に取り付ける大気圧式バキュ―ムブレ―カは、大便器のあふれ縁より150mm以上高い位置に取り付ける。
- 大気圧式ブレ―カ―は最終弁の出口側に取り付ける。
- 構造上吐出口空間が確保出来ない場所には、バキュ―ムブレ―カを取り付ける。
- 大便器洗浄弁・小便器洗浄弁・ハンドシャワ―・散水栓・ビデ・洗浄用タンクのボ―ルタップ・ホ―ス接続口付き水栓・食器洗浄機・電気洗濯機など
バキュ―ムブレ―カを取り付ける必要がないもの
実験用流しの自在水栓・吹上げ水飲み器問題114
給水設備の機器・配管材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 仕切弁は、玉形弁に比べ流量調整に適している。
- ステンレス鋼板製貯水槽は、気相部に耐食性を考慮する必要がある。
- ポリプテン管の接合方法には、メカニカル形接合や融着接合がある。
- 合成樹脂ライニング鋼管のねじ接合には、管端防食継手を使用する。
- FRP製貯水槽は、機械的強度が低いため、耐震補強が必要とする。
答え【1】
(1)の仕切弁は、ゲ―トバルブといわれ流量調整はできません。主に全閉、全開で使用します。
ポリプテン管は合成樹脂管で架橋ポリエチレン管と非常によく似た配管です。(ほぼ一緒です。)
架橋ポリエチレン管との違いは
- 値段が安い
- 色が架橋ポリエチレン管が白に対しポリプテン管は黄色
- ポリプテン管の方が少し柔軟
主な接合方法に
- 熱融着式継手
- 電気融着式継手
- メカニカル継手
もっと詳しく知りたい方は以下にサイトを紹介しております。
ポリプテン管の接合方法問題115
給水設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 防錆剤の注入及び管理に関する業務は、建築物衛生法に基づく建築物飲料水水質検査業の登録を受けた者が行わなければならない。
- 貯水槽の定水位弁・電極棒等の点検を怠ると、動作不良により、断水や溢水事故を起こすおそれがある。
- 管更生工法で管内に合成樹脂ライニングを施す場合は、技術評価・審査証明を受けた工法を採用するのがよい。
- 高置水槽と受水槽の清掃は、原則として同じ日に行い、受水槽清掃後に高置水槽の清掃を行う。
- 受水槽の水位制御の作動確認は、槽内のボ―ルタップを手動操作して行う。
答え【1】
(1)は登録事業者は関係ありません。参考資料
によると【5 防錆剤の使用上の留意点】
飲料水用の防錆剤の使用について十分な知識及び技能を有する防錆剤管 理に係る責任者(以下「防錆剤管理責任者」という。)を選任すること。
防 錆剤管理責任者は、防錆剤の注入及び管理に関する一切の業務を行うもの であること。
とあります。
(2)の貯水槽の定水位弁とはFMバルブと呼ばれています。
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