平成28年度建築物の構造概論「過去問題解説2」
問題96
構造計画と構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 水平プレ―スは、床面の屋根面のような水平構面に入れる斜材である。
- 偏心率は、建築物の平面的なバランスに対する規定である。
- 積雪地帯における吹きだまりは、風に吹かれて生じる局所的な積雪をいう。
- 層間変形角は、各階の層の高さをその層間変位で除した値である。
- 擁壁は、土圧に抵抗して、盛土又は切土による斜面を支える壁体構造部である。
答え【4】
(4)は各階の層間変位をその層の高さで除した値です。問題97
建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄筋コンクリ―ト構造の陸屋根は、屋根勾配が極めて緩いか又は水平なものをいう。
- 2枚の板ガラスを一定の間隔を保って密封したものは、複層ガラスである。
- モルタルは、水とセメントを練り混ぜたものである。
- 内壁の仕上げ材料には、吸音性、テクスチャアの良さ等が要求される。
- コンクリ―トの性質を改良するためのものとして、混和材料がある。
答え【3】
モルタルは、水とセメントと砂を練り混ぜたものである。水とセメントを練り混ぜたものをセメントペ―ストと言う。
コンクリ―トはセメント・水・砂・砂利を練り混ぜたものである。
(5)の混和材料はコンクリ―トの性質を改良するためのもので、高強度化・高耐久性化を図ることができる。
(4)で聞きなれない言葉テクスチャアとありますが
テクスチャアとは、造形要素の基本概念で、質感、材質感のこと。
- 令和2年問題94
- 平成30年問題97
- 平成30年問題98
- 平成29年問題97
- 平成29年問題98
- 平成28年問題95
- 平成28年問題98
- 平成27年問題98
- 平成27年問題99
問題98
建築材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 合板は、薄い板を繊維方向が互いに交差するように接着剤で重ね合わせたものである。
- 板ガラスは、不燃材料である。
- 高流動性コンクリ―トは、CFT構造や自己充填コンクリ―トに用いられる。
- アルミニウムの比重は、鋼の約1/3である。
- 一般の建築用木材の出火危険温度は、450℃前後である。
答え【5】
(5)の一般の建築用木材が加熱されたとき、木材の出火危険温度は260℃前後であり、400~490℃で発火するとされています。(3)の高流動性コンクリ―トとは、使用する水を通常のコンクリ―トより少なくし、高い流動性を有するコンクリ―トです。打設したコンクリ―トが隅々まで行きわたるため、締固めコンクリ―ト、自己充填コンクリ―トなどと言われたりもします。
- 令和2年問題94
- 平成30年問題97
- 平成30年問題98
- 平成29年問題97
- 平成29年問題98
- 平成28年問題95
- 平成28年問題97
- 平成27年問題98
- 平成27年問題99
問題99
都市ガス(13A)とLPガスの性質に関する次の文章の[ ]内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。
都市ガス(13A)は、空気より[ ア ]、LPガスは空気より[ イ ]。ガス1m3を燃焼させるのに必要な空気量は、都市ガス(13A)に比べてLPガスの方が[ ウ ]。また、容積当たりの発熱量は、LPガスに比べて都市ガス(13A)の方が[ エ ]。
- (ア)軽く―――(イ)重い―――(ウ)多い―――(エ)少ない
- (ア)軽く―――(イ)重い―――(ウ)少ない――(エ)多い
- (ア)重く―――(イ)軽い―――(ウ)多い―――(エ)少ない
- (ア)重く―――(イ)軽い―――(ウ)少ない――(エ)多い
- (ア)重く―――(イ)軽い―――(ウ)少ない―――(エ)少ない
答え【1】
都市ガス(13A)は、空気より[ 軽く ]、LPガスは空気より[ 重い ]。ガス1m3を燃焼させるのに必要な空気量は、都市ガス(13A)に比べてLPガスの方が[ 多い ]。また、容積当たりの発熱量は、LPガスに比べて都市ガス(13A)の方が[ 少ない ]。ここでいうLPガスとはプロパンガスのことです。
この問題で都市ガスとLPガスの特徴はしっかり覚えましょう。
ガス設備
都市ガス及びLPガスは、いずれも臭いがほとんどないガスであるため、1000倍に希釈しても臭いを感知できる付臭剤の添加が、法令で義務付けられています。
比重については、13Aガスは空気より軽く、LPガスは空気より重い。従ってガスが漏洩した場合は、6Aガス以外の都市ガスは天井付近に、LPガスは床付近に滞留する。
また、1m3を燃焼するのに必要な空気量は、都市ガスに比べLPガスの方が多い。このため、燃焼に必要な空気をガス機器で取り込みやすくするため、LPガスの方が高い圧力で供給されている。
↑
上記記載内容は重要です。
項目 | 都市ガス | LPガス | ||
---|---|---|---|---|
製造ガス(L1) | 天然ガス)13A) | プロパン | n-ブタン | |
総発熱量]MJ/m3(N)] | 19.0 | 45.0 | 102 | 134 |
理論空気量[M3(N)/m3(N)] | 3.97 | 10.70 | 24.29 | 32.08 |
比重[空気1.0] | 0.543 | 0.638 | 1.550 | 2.075 |
燃焼範囲[%] | 約6~30 | 約4~14 | 約2.1~9.5 | 約1.8~8.4 |
供給圧力[kPa] | 0.5~2.0 | 1.0~2.5 | 2.2~3.3 |
- 令和元年問題99
- 平成27年問題102
問題100
建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 緊急ガス遮断装置は、大規模な地下街、超高層建築物、中圧ガス設備のある建築物等に設置が義務付けられている。
- 空気調和設備・換気設備のファン、給排水設備のポンプには直流電動機が幅広く使用されている。
- 建築基準法の規定により高さ31mを超える建築物には、原則として非常用の昇降機を設けなければならない。
- ESCOとは、省エネルギ―診断、システム設計、設備導入工事、さらに効果検証まで一貫したサ―ビスを提供するエネルギ―総合サ―ビス事業のことである。
- 受変電設備とは、電力会社から高圧で受電した電気を、所定の電圧に下げて建築物内部に配電する設備である。
答え【2】
(2)は空気調和設備・換気設備のファン、給排水設備のポンプには交流電動機が幅広く使用されている。主に三相誘導電動機が多く使われています。
直流電動機には整流子やブラシが必要ですが、交流を用いる誘導電動機はこれらを必要としません。
したがって、誘導電動機は直流電動機と比べて構造が簡単で寿命が長い。
しかし、単相誘導電動機のパワ―は直流電動機より劣る。
そこで考案されたのが、1つの回転子を3つの交流により回し、大きな力を得ることができる三相得誘導電動機です。
以下のようなものです。
(3)ですが、
【建築基準法第33条】
高さ20mをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。
- 令和2年問題99
- 平成30年問題101
- 平成27年問題100
買い物は楽天市場