平成28年度建築物の環境衛生「過去問題解説5」
問題41
次の感染症のうち、細菌によって引き起こされる疾患の組合せとして、正しいものはどれか。
ア 白癬症
イ レジオネラ症
ウ 結核
エ マラリア
オ 発疹チフス
- アとイ
- アとオ
- イとウ
- ウとエ
- エとオ
答え【3】
レジオネラ症と結核が細菌です。ア 白癬症―――真菌
エ マラリア―――原虫
オ 発疹チフス―――リケッチア
感染症と病原体の種類
分類 | 大きさと形態 | 感染症の例 |
---|---|---|
ウイルス | 10~400nm球状の小体 | 麻しん、痘そう、インフルエンザ、日本脳炎、ポリオ、B型肝炎 |
細菌 | 1μm前後球形ないし櫛形の単細胞生物 | コレラ、赤痢、腸チフス、ベスト、結核、レジオネラ症、パラチフス |
リケッチア | 300~500nm球球ないしは裸形の小体 | 発疹チフス、つつが虫病 |
真菌 | 1~10μm程度の仲間 | カンジダ症、白癬症 |
スピロヘ―タ | 6~15μmらせん形の細長い単細胞生物 | 梅毒、ワイル病 |
原虫 | 20~500μm以上単細胞生物 | マラリア、クリプトポリジウム症 |
- 令和元年問題41
- 平成30年問題41
- 平成29年問題42
- 平成27年問題42
問題42
食物や水が主な感染源となる感染症として、最も適当なものは次のうちどれか。
- デング熱
- A型肝炎
- インフルエンザ
- 梅毒
- 日本脳炎
答え【2】
(1)のテング熱はネッタイシマカ、ヒトスジシマカ(5)の日本脳炎はコガタアカイエカ
それぞれ蚊によって媒介される感染症です。
(3)のインフルエンザは恐らく一番身近な感染症なのでインフルエンザウイルスが原因で生じる疾患で、感染者の咳やくしゃみなどを吸い込むことで感染します。
(4)の梅毒は梅毒トレポネ―マに感染することによって起こる疾患で、感染経路は主に性行為です。
従って(2)のA型肝炎が正解です。
A型肝炎ウイルスに汚染された飲食物を口にすることで感染します。
問題43
次の感染症対策のうち、感受性対策として最も適当な組合せはどれか。
ア 患者の隔離
イ 手洗いの徹底
ウ 予防接種
エ 抵抗力の向上
オ マスクの着用
- アとイ
- アとオ
- イとウ
- ウとエ
- エとオ
答え【4】
(4)予防接種と抵抗力の向上が感受性対策です。予防対策
感染源の対策 | 病原巣をなくす、患者の隔離、保菌者の管理、治療、病原体に汚染された器具、機械類の消毒 |
感染経路への対策 | 水や空気の浄化、消毒の実施、ねずみ・害虫の駆除、食品の衛生管理、マスクの着用、うがいをする等 |
感受性への対策 | 予防接種は感受性をなくす有効な手段 体力、抵抗力の向上 |
- 令和元年問題42
問題44
消毒及び減菌に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 次亜塩素酸ナトリウムは、消毒の対象となる物に有機物が多く含まれるほど、効力が増す。
- 熱による減菌方法には、乾熱減菌法や高圧蒸気減菌法がある。
- 酸化エチレン(エチレンオキサイド)は、ガス減菌に用いられる。
- 放射線による滅菌では、エックス線、γ線が用いられる。
- 消毒用エタノ―ルは、芽胞及び一部のウイルスには無効である。
答え【1】
(1)の次亜塩素酸ナトリウムは、有機物が多く含まれるほど、効力が減退します。消毒剤
薬品名 | 用途 | 効果 | 備考 |
---|---|---|---|
クレゾ―ル「3%」 | ほとんどの物件(飲食物、食器には不適) | 芽胞、ウイルスには無効 | 手の消毒には1~2%消毒液 |
次亜塩素酸ナトリウム | 井戸、水槽、汚水、し尿、その他廃棄物 | 細菌、ウイルスに有効、芽胞には効果が得られにくい | 有機物が多いと効力は減退 |
ホルマリン | 衣服、寝具、ガラス器 | すべての微生物に有効 | 皮膚、粘膜を強く刺激するので手指の消毒に不適 |
逆性石鹸 | 手指、ガラス器、金属器具 | 結核菌、ウイルスには無効 | 有機物が多い場合は不適 |
消毒用エタノ―ル | 手指、皮膚、医療器具 | 芽胞、一部のウイルスには無効 | ホルマリンの存在は殺菌力を減少させる。 70%が至適濃度 |
酸化エチレン (エチレンオキサイド) | ガス減菌 |
- 令和2年問題45
- 令和元年問題44
- 平成30年問題44
- 平成27年問題44
問題45
5%溶液として市販されている次亜塩素酸ナトリウム50mLを水50Lに加えた場合、この溶液の次亜塩素酸ナトリウム濃度に最も近いものは次のうちどれか。
- 25mg/L
- 50mg/L
- 100mg/L
- 500mg/L
- 1,000mg/L
答え【2】
まず、この問題解答の単位がmg/Lです。
ということは
mg ÷ L
で答えを導くことができます。
Lについては
水50Lと分かっています。
5%溶液として市販されている次亜塩素酸ナトリウム50mL
からmgを導きます。
正味の次亜塩素酸ナトリウムの量は
50mL x 5%(0.05) = 2.5mL
になります。
1mLは1g 1gは1000mg
と同じに見ていいと思います。
従って
2.5mL = 2500mg
になります。
2500mg ÷ 50L = 50mg/L
答えは(2)になります。
今回は強引に答えの解答の単位から答えを導きましたが、
ビル管理士試験ではそんなに複雑な式はないので
解答枠の単位に着目して簡単に答えを導くこともできます。
- 令和元年問題45
- 平成30年問題45
- 平成29年問題45
- 平成27年問題45
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