平成28年度建築物の環境衛生「過去問題解説1」
問題21
健康に影響を与える環境要因のうち、化学的要因として最も不適当なものは次のうちどれか。
- 二酸化炭素
- 粉じん
- オゾン
- 硫黄酸化物
- 振動
答え【5】
(5)は物理的要因です。どう考えても振動と化学は結びつかないと思います。
環境の構成要因
- 物理的要因
- 温度、湿度、気流、熱、光、音,気圧、放射線、超音波、振動など
- 化学的要因
- 空気、酸素、二酸化炭素、オゾン、一酸化炭素、硫黄酸化物、粉じん、水、し尿、廃棄物など
- 生物学的要因
- 植物、ウイルス、細菌、寄生虫、昆虫、ねずみ、動物、リケッチアなど
- 社会的要因
- 文化、教育、産業、経済、情報、交通、医療、福祉、行政、宗教など
問題22
臓器系の機能に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 筋骨格系は、身体の構成と運動をつかさどる。
- 感覚器系は、外部からの刺激を受けて神経系に伝える。
- 腎臓・泌尿器系は、血液の中から老廃物などを尿として排泄する。
- 呼吸器系は、循環器系が運んできた全身からの酸素を体外に排出する。
- 消化器系は、栄養や水を摂取して体内で再合成と排泄を行う。
答え【4】
(4)の呼吸器系は体内への酸素の摂取と体外への二酸化炭素の排出を行う。その他は以下に記載します。
人体の機能
臓器名 | 主な機能 | 主な構成器官 | 疾患 |
---|---|---|---|
循環器系 | 酸素と栄養の供給 | 心臓、動脈 静脈、リンパ管 | 心筋梗塞 |
呼吸器系 | 酸素の摂取と 二酸化炭素の排出 | 気道、肺 | 肺気腫、肺炎、気管支炎 |
消化器系 | 栄養と水の摂取、再合成と排泄 | 食道。肝臓、胃 十二指腸、肛門 小腸、大腸等 | 肝炎、腸炎 胃炎、胃潰瘍 |
腎臓、泌尿器系 | 血液中の老廃物の排泄 | 腎臓、尿管 膀胱、尿道 | 腎不全 |
感覚器系 | 外部刺激の神経系への伝達 感覚器系は神経系と密接な関係を持っている。 | 聴覚器、視覚器 味覚器、嗅覚 | 左記器官の疾患 |
筋骨格系 | 身体の構成と運動 | 骨、筋肉 | 骨折 |
生殖器系 | 子孫形成と種の保存 | 生殖器 | 生殖器疾患 |
皮膚系 | 発汗 | 外皮 | 皮膚疾患 |
神経系 | 刺激の中枢への伝達、 中枢からの命令の伝達 | 脳、知覚神経 運動神経、自律神経 | パ―キンソン病 脳出血、脳梗塞 |
造血器系 | 赤血球、白血球、血小板の生成 | 骨髄、脾臓 | 血友病、白血病 |
内分泌系 | 成長、代謝等の活性のコントロ―ル | 視床下部、下垂体 副腎、甲状腺、性腺 | 甲状腺疾患 |
- 平成27年問題21
問題23
生体機能の恒常性を乱す有害なストレッサとなりうる要因として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 物理的刺激
- 加齢
- 化学的刺激
- 社会的な要因
- 精神的な要因
答え【2】
生体に対して一定以上の強い刺激が加えられると、生体内に様々な変化が生じ、それに適応しようとする反応が非特異的に生ずる。このような状態をストレスで、ストレスをもたらす 刺激をストレッサと言います。有害なストレッサは、生体機能の恒常性を乱そうとする有害な力であり、人体における神経系、内分泌系、免疫系等の変化を引き起こし、病気の発症や経過に影響を与える。
有害なストレッサとなりうる要因としては、高温などの物理的刺激や、有害物質などの化学的刺激、世間からの非難等の社会的、精神的な様々な要因がストレスとなり得る。加齢は、個人のストレスに対する反応を左右する要因の一つである。
- 平成29年問題23
問題24
下の図は、気温と人体各部位(顔、手、足、直腸)の温度及び平均皮膚温との関係を示している。図中のア~オのうち、直腸温として最も適当なものは次のうちどれか。
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
答え【1】
(ア)です。人の体温は平均して36℃~37℃程度で維持されている。1日のうちで早朝は低く夕方は高い。
気温が23℃のとき
- 足の皮膚温が25℃
- 手が30℃
- 顔が34℃
- 直腸温が36℃
直腸温 > 顔 > 手 > 足
他は核心温で外気温の影響を受けにくく、その中でも直腸温が最も受けにくい。
- 令和2年問題23
- 令和元年問題23
- 平成27年問題22
問題25
人体の熱放散機能として、最も適当なものの組合せは次のうちどれか。
ア 食べ物の代謝
イ 筋緊張
ウ ふるえ
エ 皮膚血管の拡張
オ 発汗
- アとイ
- アとオ
- イとウ
- ウとエ
- エとオ
答え【5】
熱放射の機能は皮膚血管の拡張と発汗です。後は熱生産に係る機能です。
体温調節
寒さに対する体の反応は、皮膚の血管が収縮して血液を減らし、皮膚の温度をさげる。
これにより周囲の気温との差を小さくして、体の放熱を減らしている。暑いときは逆に放熱を促す。
常温で安静時の人体からの放熱量は
- 放射・・・・・・・・45%
- 伝導・対流・・・・・30%
- 蒸発・・・・・・・・25%
- 自律性体温調節
- 暑さに対する反応
- 発汗、皮膚血管の増大(皮膚血管の拡張)、呼吸数の増加
- 寒さに対する反応
- 皮膚血管の減少(皮膚血管の収縮)、震え、立毛、筋緊張
- 暑さに対する反応
- 行動性体温調節
- 空調設備を付ける。衣服を着る。日射を避ける。冷たい飲み物を飲む等
- 令和2年問題25
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