平成28年度建築物衛生行政概論「過去問題解説4」
問題16
地域保健法に基づく保健所の業務として、正しいものは次のうちどれか。
- 介護認定の審査を行う。
- 労働災害に係る報告の届出先である。
- 人口動態統計に関する業務を行っている。
- 特定健康診査の実施主体である。
- 国民健康保険に関する業務を行っている。
答え【3】
(3)が正しい。(1)は市町村に設置された介護認定の審査を行う。
(2)は労働基準監督署に報告をする。
(4)については、
平成20年4月から、"高齢者の医療の確保に関する法律"より、医療保険者は、メタボリックシンドロ―ム(内臓脂肪型肥満)の早期発見を目的とした健康診査(特定健康診査)を行い、健康診査でメタボリックシンドロ―ム、あるいはその予備軍とされた人に対して、保健指導(特定保健指導)の実施を義務付けられました。
とあり、実施主体は医療保険者です。
(5)は市町村役場です。保健所の事業
- 地域保健の思想の普及及び向上
- 人口動態他地域保健の統計
- 栄養の改善及び食品衛生
- 下水道、廃棄物、清掃環境の衛生
- 医事及び薬事
- 保健師に関する事項
- 公共医療事業の向上及び増進
- 母性及び乳幼児並びに老人の保健
- 伝染病その他の疾病の予防
- 衛生上の試験及び検査
- 地域住民の健康の保持及び増進
- 住宅の衛生に関する業務
- 令和2年問題13
- 平成30年問題14
- 平成29年問題14
問題17
学校保健安全法における学校環境衛生基準に定められていない検査項目は、次のうちどれか。
- 運動場の微小粒子状物質の濃度
- 水泳プ―ルの水の性質
- 校舎内のネズミの生息状況
- 教室内の照度
- 教室内の騒音レベル
答え【1】
(1)の運動場の微小粒子(PM2.5)状物質の濃度の規定はありません。
参考資料
学校環境衛生基準
学校保健安全法
目的
この法律は、学校における保健管理及び安全管理に関し必要な事項を定め,
児童、生徒、学生及び幼児並びに職員の健康の保持増進を図り、もって
学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的とする。
対象
幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、特別支援学校等の児童、生徒、学校職員
学校保健法の対象は学校の生徒だけではなくそこで働いている先生たちも対象です。
学校保健安全法に基づく職務に関すること
学校医
- 学校保健安全計画の立案に参与すること。
- 学校環境衛生の維持及び改善に関し、学校薬剤師と協力して、必要な指導と助言を行うこと。
- 健康診断に従事すること。
学校歯科医
- 学校保健安全計画の立案に参与すること。
- 健康診断のうち歯の検査に従事すること。
- 齲歯虫歯その他の歯疾の予防処置に従事し、及び保健指導を行うこと。
学校薬剤師
- 学校保健安全計画の立案に参与すること。
- 環境衛生検査に従事すること。(教室の照度の検査、水泳プ―ルの水質検査など)
- 学校環境衛生の維持及び改善に関し、必要な指導と助言を行うこと。
- 学校において使用する医薬品、毒物、劇物並び保健管理に必要な用具及び材料の管理に関し必要な指導と助言を行い、及びこれらのものについて必要に 応じ試験、検査鑑定を行うこと。
- 必要に応じ、学校における保健管理に関する専門的事項に関する技術及び指導に従事すること。
- 学校の飲料水の水質検査も学校薬剤師の職務である。
学校の任務
学校においては換気、採光、照明、及び保温を適正に行い、清潔を保つ等環境衛生の維持に努め、必要に応じてその改善を図らなければならない。学校保健安全法(教室環境基準)
- 換気(二酸化炭素)
- 一酸化炭素
- 温度
- 相対湿度
- 浮遊粉じん
- 気流
- 二酸化窒素
- 揮発性有機化合物
- ダニ
- 騒音
- 照度
- まぶしさ
間違えやすい項目では一酸化窒素は含まれていません。
二酸化窒素と勘違いしないように。
- 令和2年問題14
問題18
旅館業法第4条第1項に規定されている次の条文の[ ]内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
営業者は、営業の施設について、[ ア ]、採光、照明、[ イ ]及び清潔その他宿泊者の[ ウ ]に必要な措置を講じなければならない。
- (ア)換気―――(イ)保湿―――(ウ)衛生
- (ア)換気―――(イ)防湿―――(ウ)衛生
- (ア)防音―――(イ)保湿―――(ウ)安全
- (ア)防音―――(イ)防湿―――(ウ)安全
- (ア)防音―――(イ)防湿―――(ウ)衛生
答え【2】
営業者は、営業の施設について、換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の 衛生に必要な措置を講じなければならない。
この問題は穴埋め問題での出題です。
以下も良く出ますので一緒に覚えましょう。
- 興行場法
- 営業者、興行場について、換気、照明、防湿及び清潔その他入場者の衛生に必要な措置を 講じなければならない。
- 旅館業法
- 営業者は、営業の施設について、換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の 衛生に必要な措置を講じなければならない。
- 公衆浴場法
- 営業者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔、その他 入浴者の衛生及び風記に必要な措置を講じなければならない。
問題19
環境基本法に基づく大気の汚染に係る環境基準に定められていない物質は、次のうちどれか。
- 浮遊粒子状物質
- 一酸化炭素
- 二酸化炭素
- 二酸化窒素
- 光化学オキシダント
答え【3】
(3)の二酸化炭素は定められていません。以下が定められています。
- 二酸化硫黄
- 一酸化炭素
- 浮遊粒子状物質
- 光化学オキシダント
- 二酸化窒素
物質 | 二酸化硫黄 | 一酸化炭素 | 浮遊粒子状物質 | 光化学 オキシダント | 二酸化窒素 |
---|---|---|---|---|---|
環境上の条件 | 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。 | 1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。 | 1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。 | 1時間値が0.06ppm以下であること。 | 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾ―ン内又はそれ以下であること。 |
因みに一酸化窒素は、発生してもすぐに空気中の酸素と結合して二酸化窒素に変化してしまうから、基準値には含まれません。
問題20
労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則の照度等に関する次の文章の[ ]内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。ただし、感光材料の取扱い等特殊な作業を行う室については、この限りでない。
事業者は、労働者を常時就業させる室については、精密な作業を行う作業面の照度を[ ア ]ルクス以上、普通の作業を行う作業面の照度を150ルクス以上、粗な作業を行う作業面の照度を70ルクス以上に適合させなければならない。
また、事業者は、労働者を常時就業させる室の照明設備について、[ イ ]以内ごとに1回、定期に、点検しなければならない。
- (ア)500――――――(イ)1年
- (ア)500――――――(イ)6ヵ月
- (ア)300――――――(イ)1年
- (ア)300――――――(イ)6ヵ月
- (ア)200――――――(イ)1年
答え【4】
事業者は、労働者を常時就業させる室については、精密な作業を行う作業面の照度を[ 300 ]ルクス以上、普通の作業を行う作業面の照度を150ルクス以上、粗な作業を行う作業面の照度を70ルクス以上に適合させなければならない。
また、事業者は、労働者を常時就業させる室の照明設備について、[ 6ヵ月 ]以内ごとに1回、定期に、点検しなければならない。
- 令和元年問題19
- 平成27年問題20
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