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平成27年度ねずみ・昆虫等の防除「過去問題解説1」

問題166

蚊の分布に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. コガタアカイエカは、関東以西に多く生息し、北海道には少ない。
  2. シナハマダラカは、九州から北海道まで広く分布する。
  3. ヒトスジシマカは、南西諸島から東北地方にまで分布する。
  4. アカイエカの分布域は、関西以西である。
  5. チカイエカは、九州から北海道まで分布する。


解説

答え【4】

アカイエカの分布域は、日本全土である。
ここがポイント


類似問題

問題167

蚊の防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 排水槽内の成虫の発生状況は、粘着トラップによる捕獲数で調査する。
  2. 浄化槽における浮遊粉剤処理は、成虫対策として効果的である。
  3. 浄化槽の殺虫剤処理後も成虫の発生数が減少しない場合は、薬剤抵抗性の発達を考慮する。
  4. 浄化槽内の防除効果は柄杓によりすくい取られた幼虫数によって判定可能である。
  5. 乳剤に含まれる界面活性剤や有機溶剤は、浄化槽内の微生物に影響を及ぼすおそれがある。


解説

答え【2】

(2)の浄化槽や汚水槽や排水槽における浮遊粉剤処理や乳剤処理は、幼虫対策として効果的である。

ここがポイント

(5)は特にクレゾ―ルなどの殺菌剤を含有する製剤は、浄化槽内の微生物に影響を及ぼすため、浄化槽に使用しない。


類似問題

問題168

チャバネゴキブリに関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 前胸背板に黄白色の輪状のの斑紋がある。
  2. 孵化した幼虫が成虫になるまでの期間は、25℃で約半年である。
  3. 雌成虫は、卵鞘を孵化直前まで尾端に付着させている。
  4. 本州、四国、九州の木造家屋で多く見られる。
  5. 他のゴキブリ類と比較して、野外生活性が強い。


解説

答え【3】

(1)は全体は黄褐色で前胸背板に明瞭な2本の細長い黒斑がある。
(2)は成虫になるまでの期間は25℃で約60日、27℃で45日、20℃で220日と著しく長くなる。
(4)は北海道から沖縄まで広く分布している。
(5)は他のゴキブリと比較して、屋内生活性が強い。
ここがポイント

チャバネゴキブリ
  1. 全世界に広く分布する都市環境の代表的な害虫。
  2. 日本においても最優占種である。
  3. 飲食店・病院等に多く生息する。
  4. 最も小型で成虫の体長は1.5cm程度。
  5. 全体は黄褐色で前胸背板に明瞭な2本の細長い黒斑がある。
  6. 1卵鞘中には30~40個の卵が入っている。
  7. 孵化直前まで尾端に卵鞘を保持している。
  8. 成虫になるまでの期間は25℃で約60日、27℃で45日、20℃で220日と著しく長くなる。
  9. 1匹のメスは平均5回産卵する。
  10. チャバネゴキブリは日本の冬季では暖房なしでは越冬できないが暖房設備の完備されたビルでは通年生息することができる。
  11. 1年に2回~3回世代交代を繰り返す。
  12. 北海道から沖縄まで広く分布している。
  13. 他のゴキブリと比較して、屋内生活性が強い。


類似問題

問題169

ゴキブリの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 毒餌の有効成分として、一般的にピレスロイド剤が使用されている。
  2. 殺虫剤の抵抗性を示すチャバネゴキブリが報告されている。
  3. ULV処理による殺虫剤の残効性は期待できない。
  4. 残留処理は、薬剤を経皮的に取り込ませることを狙った方法である。
  5. 潜伏場所の周辺には糞などの汚れが多く見られ、殺虫剤を処理する場所の目安になる。


解説

答え【1】

(1)のピレスロイド剤は忌避剤なので毒餌には使用できない。
ピレスロイド剤は、隙間に潜むゴキブリを追い出すフラッシング効果を示します。
ここがポイント

(3)のULV処理は高濃度の薬剤を少量散布する空間処理方法で、油剤等を使用せずに薬剤を散布する。
ULV処理は速効性です。残効性は期待できない。
(5)で記載されているものはロ―チスポットといいます。
潜伏場所の周辺には糞などの汚れが多く見られ、これらゴキブリの痕跡をロ―チスポットといいます。


類似問題

問題170

ダニの防除対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. トリサシダニやイエダニの防除には、宿主動物の対策が重要である。
  2. ツメダニ類の対策には、他のダニ類やチャタテムシ類の防除が重要である。
  3. ケナガコナダニの対策には、乾燥状態を保つことが重要である。
  4. ヒョウヒダニ類は、殺虫剤感受性が高く、殺虫剤による防除が効果的である。
  5. 野外活動時の忌避剤使用は、マダニ類に有効である。


解説

答え【4】

(4)のヒョウヒダニ類は殺虫剤感受性が低く、殺虫剤による防除は効果がない。
屋内塵の除去による防除が効果的です。
ここがポイント

ダニの防除
  1. 吸血性ダニ類(イエダニなど)は殺虫剤の感受性が高く、一般に使用されている有機りん剤やピレスロイド剤のほとんどが有効であり、残留処理や、室内全体で被害を 発生している場合は、煙霧、ULV、燻煙剤処理でも対応できる。
  2. 動物寄生性ダニのイエダニはネズミの巣の除去を行う。屋内にあってはゴキブリに準した煙霧処理を行う。
  3. 鳥に寄生するダニ(トリサシダニ等)は鳥の巣を除去するが、鳥の卵ごと除去する場合は、市町村長または都道府県知事の許可が必要である。
  4. 屋内塵性ダニ(ヒョウヒダニ等)は
    1. 薬剤感受性は一般的に低く十分な効果が期待できる殺虫剤は少ない。
    2. これらのダニの発生は多分に温湿度依存的で、25℃以上、60%以上の湿度でよく発生する。室内を通風し、除湿によって乾燥し、高温にならないようにする。
    3. ツメダニ類は殺虫剤に対する感受性が極めて低い。現時点では効果的に使える殺虫剤はなく、薬剤に対する対策はあまり期待できない。畳によく発生するのでこれらは加熱処理により対応する。
    4. ツメダニ類はほかのダニ類を捕食しているので、餌となるほかのダニなどの繁殖をしないように、除塵を徹底し、高温・多湿に気を付ける必要がある。
    5. 畳に薬剤を処理する場合は室内塵性ダニ用の殺虫剤を用いる。乳剤などは不適当である。


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