平成27年度清掃「過去問題解説5」
問題161
事業所建築物から紙くずが1日当たり2m3排出されており、その質量は全廃棄物質量の10%を占めていた。いま、全廃棄物の質量を1日当たり2.0tとすれば、紙くずの容積質量値(kg/m3)として、正しいものは次のうちどれか。
- 10kg/m3
- 20kg/m3
- 100kg/m3
- 200kg/m3
- 400kg/m3
答え【3】
ポイントとしては2.0t=2000kg
そのうち紙くずが10%なので
2,000x0.1(10%)=200kg
ですね。
紙くずが1日当たり2m3排出なので
200 ÷ 2 =100kg/m3です。
問題162
建築物内廃棄物の搬送方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 自動縦搬送方式は、ダストシュ―ト方式より衛生性に優れている。
- エレベ―タ―方式は、自動縦搬送方式より作業性に優れている。
- 自動縦搬送方式は、エレベ―タ―方式より高層建築物に適している。
- エレベ―タ―方式は、ダストシュ―ト方式より分別しやすい方式である。
- エレベ―タ―方式は、ダストシュ―ト方式よりランニングコストがかかる。
答え【2】
エレベ―タ―方式は、自動縦搬送方式より作業性に劣る。建築物内のごみ搬送方式
エレベ―タ方式
各階でコレクタに収集されたごみは人手によりエレベ―タ―を使用して垂直運搬されるシステムである。
空になったコレクタを再びエレベ―タを使用して人力で各階まで戻す作業がある。
- 初期コスト・・・・・・・・◎
- ランニングコスト・・・・・△
- 所要人員・・・・・・・・・X
- 衛生性・・・・・・・・・・△
- 防災性・・・・・・・・・・△
- 作業性・・・・・・・・・・X
- 設置スペ―ス・・・・・・・◎
ダストシュ―ト方式
各階でコレクタに収集されたごみはシュ―ト内を経由して自由落下により垂直降下するシステムである。
なお、人手によりコレクタからダストシュ―トへごみを移し替える作業がある。
- 初期コスト・・・・・・・・〇
- ランニングコスト・・・・・◎
- 所要人員・・・・・・・・・△
- 衛生性・・・・・・・・・・X
- 防災性・・・・・・・・・・△
- 作業性・・・・・・・・・・△
- 設置スペ―ス・・・・・・・〇
自動操縦搬送方式
各階でコレクタに収集されたごみは各階に設置された投入装置に人手によりコレクタごとにセットされた後は、自動的にシュ―ト内の
ゴンドラに収納され、垂直シュ―ト内部を空気力ににより排気降下する。
空になったコレクタは、空気力によって自動的に投入階に戻る一連の動作を繰り返すシステムである。
- 初期コスト・・・・・・・・△
- ランニングコスト・・・・・〇
- 所要人員・・・・・・・・・〇
- 衛生性・・・・・・・・・・◎
- 防災性・・・・・・・・・・〇
- 作業性・・・・・・・・・・◎
- 設置スペ―ス・・・・・・・△
小口径管空気方式
各階でコレクタに収集されたごみはシュ―ト内を経由して自由落下により垂直落下し、破砕機により小さく破砕され、小口径の配管内部を 真空輸送方式により運搬され、分離装置で分離して回収する一連のシステムである。
- 初期コスト・・・・・・・・X
- ランニングコスト・・・・・△
- 所要人員・・・・・・・・・◎
- 衛生性・・・・・・・・・・〇
- 防災性・・・・・・・・・・〇
- 作業性・・・・・・・・・・◎
- 設置スペ―ス・・・・・・・X
問題163
建築物内廃棄物の貯留・搬出方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 真空収集方式は、輸送管によって空気搬送する方式である。
- 真空収集方式は、貯留・搬出機方式より防災性に優れている。
- コンパクタ・コンテナ方式は、容器方式より作業性に優れている。
- コンパクタ・コンテナ方式は、貯留・搬出機方式より大規模建築物に適用される。
- 貯留・搬出機方式は、真空収集方式より初期コストがかからない。
答え【2】
真空収集方式は、貯留・搬出機方式より防災性に劣る。貯留・保管設備・搬出設備
容器方式
ごみをポリバケツ、小型コンテナ等の容器に貯留し、機械式収集車に人力で積み替え、搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・◎
- ランニングコスト・・・・・△
- 所要人員・・・・・・・・・X
- 衛生性・・・・・・・・・・△
- 防災性・・・・・・・・・・△
- 作業性・・・・・・・・・・X
- 設置スペ―ス・・・・・・・X
貯留搬出機方式
スクリュ―またはドラムの回転によって、ごみを圧縮貯留し、機械式収集車に自動的に積み替え、搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・〇
- ランニングコスト・・・・・〇
- 所要人員・・・・・・・・・〇
- 衛生性・・・・・・・・・・〇
- 防災性・・・・・・・・・・◎
- 作業性・・・・・・・・・・〇
- 設置スペ―ス・・・・・・・〇
コンパクタ・コンテナ方式
ごみ収集車(コンパクタ)によってコンテナ内にごみを圧縮貯留し、コンテナごとコンテナ脱着装置付トラックによって搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・△
- ランニングコスト・・・・・◎
- 所要人員・・・・・・・・・〇
- 衛生性・・・・・・・・・・◎
- 防災性・・・・・・・・・・◎
- 作業性・・・・・・・・・・◎
- 設置スペ―ス・・・・・・・◎
真空輸送方式
ダストシュ―トの底部に設けられている貯留排出機にごみを貯留し、集じんステ―ションに接続された輸送管によって自動的に搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・X
- ランニングコスト・・・・・△
- 所要人員・・・・・・・・・◎
- 衛生性・・・・・・・・・・◎
- 防災性・・・・・・・・・・△
- 作業性・・・・・・・・・・◎
- 設置スペ―ス・・・・・・・〇
問題164
建築物内廃棄物の処理・保管設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 貯留・搬出機は、貯留した廃棄物をパッカ車に自動的に積み替えることができる。
- 溶融固化装置は、発砲スチロ―ルに用いられる。
- 梱包機は段ボ―ルの減容のために用いられる。
- 冷蔵庫は、ちゅう芥類の保管庫のために用いられる。
- シュレッダは、新聞紙の切断に用いられる。
答え【5】
新聞紙は梱包です。
廃棄物の種類 | 処理 | 処理設備 |
---|---|---|
新聞・雑誌 | 梱包 | 梱包機 |
缶 | 破砕、圧縮 | 破砕機、圧縮機 |
雑芥、紙 | 梱包、切断、圧縮 | 圧縮機(コンパクタ)、梱包機、切断機(シュレッダ) |
プラスチック | 破砕、溶融 | 破砕機、圧縮機、梱包機 |
ビン | 破砕 | 破砕機 |
ちゅう芥 | 冷蔵、脱水、粉砕 | 冷蔵庫、脱水機、粉砕機 |
発泡スチロ―ル | 溶融固化、圧縮 | 熱溶融固化装置 |
注射器 | 減菌 | 減菌装置 |
問題165
建築物内廃棄物の保管場所に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 排水の拡散を防ぐため、通路に段差を設ける。
- 悪臭の影響を抑制するため、第3種換気設備を設ける。
- 廃棄物・再利用対象物の発生量を予測し、保管スペ―スを確保する。
- ねずみや害虫類の誘引、侵入防止を図るため、防虫・防鼠構造とする。
- 廃棄物保管場所の給水栓は、大気圧式のバキュ―ムブレ―カ付きとする。
答え【1】
(1)は通路に段差を設けてはいけない。廃棄物の保管所(中央集積室)
廃棄物の保管所は以下の条件を満たすものが望ましい。
- 床面は防水構造とする。
- 通路に段差を設けない。
- 必要な分別ごみ置き場の面積を確保し、密閉区画構造とする。
- 衛生、防火の観点から、車両搬入口にはシャッタを設ける。
- 清掃しやすいように、床面は水平でなく、勾配、側溝などを設ける。
- 両手がふさがるので、自動ドアがあるとよい。
- 第一種または第三種換気を設けて、室内を負圧に保つ。
- 室内で中間処理作業を行う場合は、約200lx以上の照明が必要。
- 給水設備を設ける。給水栓は逆流を防止する構造が望ましい。
- 冷蔵・冷房設備を設ける。
- 廃棄物保管場所の給水栓は、大気圧式のバキュ―ムブレ―カを設ける。
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