平成27年度建築物の構造概論「過去問題解説2」
問題96
構造力学と荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 地震力を計算する場合、事務室の積載荷重は、教室の積載荷重より大きく設定されている。
- 曲げモ―メントは、部材のある点において部材を湾曲させようとする応力である。
- 積雪荷重は、屋根勾配に影響される。
- 固定端の支点においては、曲げモ―メント、軸力、せん断力を伝達する。
- 風圧力は、動的な荷重であるが、構造計算では通常、静的荷重として扱う。
答え【1】
(1)は地震力を計算する場合、教室の積載荷重は、事務所の積載荷重より大きく設定されている。積載荷重は、主として床、はり等に載せられる荷重のうち、人間・家具・物品等の重量をいいます。
その数値は平均的な重量、衝撃性、集中性等を考慮して下記の表のように定められています。
床の構造計算をする場合 [単位N/m2] | 大ばり、柱または基礎の構造計算をする場合 [単位N/m2] | 地震力を計算する場合 [単位N/m2] | |
---|---|---|---|
住宅の居室、住宅以外の建築物における寝室または病室 | 1,800 | 1,300 | 600 |
事務室 | 2,900 | 1,800 | 800 |
教室 | 2,300 | 2,100 | 1,100 |
百貨店または店舗の売り場 | 2,900 | 2,400 | 1,300 |
(5)の風圧力は時間とともに変化する動的な荷重であるが構造計算では通常、静的荷重として扱う。
地震力とは、地震により建築物が振動することで生じる慣性力である。
振動は鉛直方向と水平方向がある。通常は水平方向の振動により生じる力を考える。
地震力については、建築物の地上部分の場合、各部分の高さに応じて、その高さが支えている所に作用する全体の地震力として計算する。
- 令和2年問題95
- 令和元年問題96
- 平成30年問題96
問題97
建築材料の熱伝導率が、大きい順に並んでいるものは次のうちどれか。
-
熱伝導率が大きい―――――熱伝導率が小さい
- コンクリ―ト > 硬質ウレタンフォ―ム > 板ガラス > 木材
- コンクリ―ト > 板ガラス > 硬質ウレタンフォ―ム > 木材
- コンクリ―ト > 板ガラス > 木材 > 硬質ウレタンフォ―ム
- 板ガラス > コンクリ―ト > 木材 > 硬質ウレタンフォ―ム
- 板ガラス > コンクリ―ト > 硬質ウレタンフォ―ム > 木材
答え【3】
コンクリ―ト > 板ガラス > 木材 > 硬質ウレタンフォ―ムですね。
建材 | 熱伝導率 W/(m・K) |
---|---|
鋼材 | 45 |
アルミニウム | 210 |
板ガラス | 0.78 |
タイル | 1.3 |
コンクリ―ト | 1.3 |
石膏板 | 0.14 |
パ―ティクルポ―ド | 0.15 |
木材 | 0.15 |
硬質ウレタンフォ―ム | 0.027 |
ガラス繊維 | 0.04~0.05 |
フォ―ムポリスチレン | 0.037 |
空気 | 0.22 |
- 令和元年問題97
問題98
建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 木材のシロアリなどによる虫害対策として、木材表面の被覆又は薬剤処理を行う。
- セメントペ―ストは、水とセメントを練り混ぜたものである。
- アルミニウムの比重は、鋼の約1/3である。
- 板ガラスは、部分的に加熱されると破壊しやすい。
- 軽量コンクリ―トの単位容積当たりの質量は、概ね2,500kg/m3である。
答え【5】
(5)が誤りです。コンクリ―トには軽量コンクリ―ト普通コンクリ―ト、重量コンクリ―ト等の種類があります。
- 軽量コンクリ―トの単位容積当たりの質量は、概ね2,000kg/m3である。
- 普通コンクリ―トの単位容積当たりの質量は、概ね2,300kg/m3である。
- 重量コンクリ―トの単位容積当たりの質量は、概ね3,000kg/m3である。
- 令和2年問題94
- 平成30年問題97
- 平成30年問題98
- 平成29年問題97
- 平成29年問題98
- 平成28年問題95
- 平成28年問題97
- 平成28年問題98
- 平成27年問題99
問題99
建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- カ―テンウォ―ルは、建築物の耐力壁として使用される。
- 合わせガラスは、数枚のガラスをプラスチックフィルムで貼り合わせたものである。
- 鋼板に亜鉛メッキしたものをトタンという。
- シ―ト防水層は、一般的に合成ゴム系・プラスチック系の材料で作られる。
- プラスタは、石膏などの無機質の粉に水を加えて練り混ぜ、塗壁とする材料の総称である。
答え【1】
(1)のカ―テンウォ―ルは、建築物の荷重を負担しない非耐力壁です。一般には、構造体の外周に直接取り付けられた薄い壁を指す。
- セメントペ―スト=水 + セメント
- モルタル= 水 + セメント + 砂
- コンクリ―ト=セメント + 水 + 砂 + 砂利
- 令和2年問題94
- 平成30年問題97
- 平成30年問題98
- 平成29年問題97
- 平成29年問題98
- 平成28年問題95
- 平成28年問題97
- 平成28年問題98
- 平成27年問題98
問題100
建築物の運用及び建築設備に関する用語の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- インバ―タ制御―――――――防災対策
- LAN――――――――――――情報・通信設備
- 風力発電――――――――――分散電源システム
- 調光制御――――――――――照明設備
- デュ―ディリジェンス――――不動産評価
答え【1】
(1)のインバ―タ制御はポンプ等の交流電動機の電源周波数(50Hz/60Hz)を制御することにより、電動機の回転数を制御する。
電動機の回転数を制御することにより省エネにつながる。
- 令和2年問題99
- 平成30年問題101
- 平成28年問題100
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