平成27年度空気環境の調整「過去問題解説7」
問題76
吹出口と吸込口に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- アネモ型吹出口は、ふく流吹出口に分類される。
- 面状吹出口は、天井板に細孔をあけた有孔天井を用い、吹出空気は天井全面から微風速で吹き出す方式が一般的である。
- 線状吹出口は、周囲空気の誘引比が高く、均一な温度分布を得やすい。
- ノズル吹出口は、誘引比が大きく、到達距離が短いのが特徴である。
- 吸込口の吸込気流には、吹出気流のような指向性がない。
答え【4】
(4)のノズル吹出口は、軸流吹出口に分類され誘引比、拡散角度が小さく、到達距離が長いのが特徴です。ふく流吹出口
- アネモ型
- パン型
特徴
一般に天井に設置される。吹出口全周から放射状に気流を吹き出す形式。天井ディフュ―ザとも呼ばれる。
他の吹出口に比べて誘引効果が高く、吹出し気流は室内空気を誘引しつつ広がるため、均一度の高い温度分布が得やすい。
軸流吹出口
- ノズル型
- グリル型
特徴
天井、壁あるいは床面に設置される。一定の軸方向に気流を吹き出す形式。
誘引比が小さいため拡散角度は小さく、到達距離が長いのが特徴。
面状吹出口
- 天井パネル型
- 多孔パネル型
特徴
天井板に細孔をあけた有孔天井を用い、吹出空気は天井全面から微風速で吹き出す方式。線状吹出口
- ライン型
- スロット型
- ブリ―ズライン
特徴
ライン型などとも呼ばれ縦横比の大きな吹出口天井・壁あるいは床面に設置されるが、主としてペリメ―タ負荷処理用として、窓近傍に設置されることが多い。
写真提供
協立エアテック株式会社
- 令和2年問題75
- 平成30年問題70
- 平成29年問題74
問題77
空気調和設備に用いられる空気浄化装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 折込み形エアフィルタは、ろ材通過風速を上げることにより、圧力損失を減らしている。
- 静電式は、圧力損失が少なく、微細な粉じんまで効率よく捕集できる。
- 空気浄化装置が除去対象とする汚染物質は、一般に粉じんとガスである。
- ろ過式フィルタは、適切な時期に交換を行わないと、捕集した粉じんの再飛散を起こす。
- 活性炭フィルタは、主にガス状汚染物質の吸着除去を目的とする。
答え【1】
(1)の折込み型エアフィルタはろ材を折り込んだ形状のろ過粒子用エアフィルタのことを言います。ろ材の捕集面積を大きくしてろ材通過風速をさ下げることにより、圧力損失を減らしている。
写真提供
新晃株式会社
- 令和2年問題76
- 令和元年問題73
- 平成29年問題75
- 平成28年問題75
問題78
空気調和設備のポンプ・配管に関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- キャビテ―ション――――騒音・振動
- ポンプ急停止――――――水撃作用
- 渦巻きポンプ――――――容積型
- 蒸気トラップ――――――凝縮水の分離
- ポンプの抵抗曲線――――全揚程
答え【3】
渦巻きポンプはタ―ボ型の遠心ポンプである。渦巻きポンプは、渦巻型のケ―シング内で羽根車を回転させ、液体に作用する遠心力によって液体を吐き出す。
(1)のキャピテ―ションとは、管路内の液体の圧力が低下し、液体の一部が蒸発して気泡が生じ、ポンプの騒音、振動、吐出量の減少等が発生する現象をいう。
(2)の水撃作用はウオ―タ―ハンマとも言います。
管路内を流れている液体を、逆止弁等で急閉、ポンプを急停止したりしたときに生じる圧力変動により、衝撃音が発生します。
(5)は縦軸に全揚程、横軸に吐出し量をとったグラフにおいて、ポンプの全揚程と吐出し量の関係を示した曲線が特性曲線と言います。
管路の全揚程と吐出し量の関係を示したのが抵抗曲線です。
- 令和元年問題74
- 平成29年問題76
- 平成28年問題76
問題79
温熱環境要素の測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- グロ―ブ温度は、室内気流速度が小さくなるにつれ、平均放射温度に近づく傾向にある。
- サ―ミスタ温度計は、2種類の金属の膨張率の差を利用するものである。
- アスマン通風乾湿計の乾球温度は、一般に湿球温度より高い値を示す。
- 熱式風速計は、白金線などから気流に奪われる熱量が風速に関係する原理を利用している。
- 自記毛髪湿度計は、振動の多い場所での使用は避けるべきである。
答え【2】
(2)の説明はバイメタル式温度計である。サ―ミスタ温度計は温度変化に伴い、サ―ミスタと呼ばれる半導体の電気抵抗が変化することを利用して、温度を測定する抵抗温度計です。
液体封入ガラス管温度計
ガラス管内の毛細管の下部を膨らまし、液体(水銀・アルコ―ル等)を入れ、空気を抜いて封をしたもので、毛細管の液面の位置を管につけた目盛り から読み取る温度計
バイメタル温度計
金属の温度上昇に伴う体積膨張を利用したもの。
その膨張率は金属の種類によって異なる。このことを利用して、膨張率の異なる2種類の金属(鉄・ニッケル、マンガン等の合金)を張り合わせ(バイメタルという)、温度によるわん曲
度の変化量から温度を求める。
電気抵抗温度計
金属線は温度によって電気抵抗が変わる。この変化量から温度を求める。
通常センサ―には白金線を用いる。
金属の酸化物である半導体を用いたサ―ミスタ温度計もこの電気抵抗温度計の一種である。
熱電対温度計
種類の異なる2本の金属線、銅とコンスタンタン(銅とニッケルの合金)を接合して閉回路を作り、2つの接合点に温度差を与えると、回路に熱起電が生じて熱電流が流れる。この熱起電力の変化量から求める。
電気抵抗温度計、熱電対温度計は精度が高い。遠隔で示度を読み取れる。
測定上の注意事項
- 温度計を中央においても、周囲の温度と異なる壁がある場合は熱放射の影響を受けやすく正確な温度を示さないことがある。熱放射を遮断しなければならない。また、体温や呼気等の影響にも注意する。
- ガラス管温度計は、気象庁検定済のものが望ましい。
- ガラス管温度計以外の温度計を使用する場合は、検定付きガラス管温度計を用いての校正等を定期的に実施する。
グロ―ブ温度計
熱放射の測定にはグロ―ブ温度計が用いられます。
薄銅板製の直径15cmの中空球体の表面を黒色つや消し塗し、その中心にガラス管
温度計の球部が達するように挿入したものです。
測定上の注意事項
- グロ―ブ温度計設置後示度が安定するまで15~20分間要する。
- 測定のときは、熱源と黒球温度計との間に人体や物体等が入って放射をさえぎらない。
- 気流変動の著しいところでは使用は適さない。
- 令和2年問題78
- 令和元年問題77
- 平成30年問題75
- 平成29年問題80
- 平成28年問題80
問題80
浮遊粉じんの測定に関する次の文章の[ ]内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。
建築物衛生法の測定対象となる浮遊粉じん濃度は、粉じんの化学的組成を考慮することなく[ ア ]が[ イ ]以下の粒子を対象として[ ウ ]で規定されている。
- (ア)幾何相当径――――(イ)1μm―――――(ウ)個数濃度
- (ア)幾何相当径――――(イ)10μm―――――(ウ)質量濃度
- (ア)相対沈降径――――(イ)1μm―――――(ウ)個数濃度
- (ア)相対沈降径――――(イ)10μm―――――(ウ)個数濃度
- (ア)相対沈降径――――(イ)10μm――――(ウ)質量濃度
答え【5】
建築物衛生法の測定対象となる浮遊粉じん濃度は、粉じんの化学的組成を考慮することなく[ 相対沈降径 ]が[ 10μm ]以下の粒子を対象として[ 質量濃度 ]で規定されている。浮遊粉じんの測定法には、捕集測定法と浮遊測定法があります。
- 令和2年問題54
- 平成30年問題77
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