令和3年度清掃「過去問題解説5」
問題161
建築物内の廃棄物等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- し尿を含まないビルピットの汚泥は、産業廃棄物である。
- 事業活動に伴って生じたプラスチック類は、産業廃棄物である。
- 水銀が使用されている蛍光管は、廃棄に関して取扱いが規制されている。
- 再利用される古紙は、登録された資源回収業者などによって取り扱われる。
- 特定建築物の清掃作業に伴う廃液の排水基準値は、建築物衛生法により定められている。
答え【5】
清掃作業に伴う廃液の処理については廃棄物処理法に加えて下水道法、水質汚濁防止法等の規定を遵守し適切に処理する必要があります。従って建築物衛生法は誤りです。
この問題は建築物衛生法の目的を理解していれば(5)が不適当と分かる問題と思います。
建築物衛生法はこの法律は、多数の者が使用し、又は利用する建築物の維持管理 に関し環境衛生上必要な事項等を定めることにより、その建築物における衛生的な環境の確保を図り、もって公衆衛生の向上及び増進 に資することを目的とする。
問題162
建築物内廃棄物の貯留・搬出方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 真空収集方式は、広域大規模開発地域に導入されている。
- 容器方式は、コンパクタ・コンテナ方式より作業性に優れている。
- 貯留・排出機方式は、廃棄物を圧縮・貯留し、パッカ―車に自動的に積み替えて搬出する。
- コンパクタ・コンテナ方式は、圧縮機により圧縮・貯留し、コンテナごとトラックで搬出する。
- 容器方式は、他の方式と比較して広い設置スペ―スが必要になる。
答え【2】
容器方式は最も原始的な方法といえます。つまり普通にポリバケツで人の手により移す方法といえます。
従って一番作業性に劣ります。
貯留・保管設備・搬出設備
容器方式
ごみをポリバケツ、小型コンテナ等の容器に貯留し、機械式収集車に人力で積み替え、搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・◎
- ランニングコスト・・・・・△
- 所要人員・・・・・・・・・X
- 衛生性・・・・・・・・・・△
- 防災性・・・・・・・・・・△
- 作業性・・・・・・・・・・X
- 設置スペ―ス・・・・・・・X
貯留搬出機方式
スクリュ―またはドラムの回転によって、ごみを圧縮貯留し、機械式収集車に自動的に積み替え、搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・〇
- ランニングコスト・・・・・〇
- 所要人員・・・・・・・・・〇
- 衛生性・・・・・・・・・・〇
- 防災性・・・・・・・・・・◎
- 作業性・・・・・・・・・・〇
- 設置スペ―ス・・・・・・・〇
コンパクタ・コンテナ方式
ごみ収集車(コンパクタ)によってコンテナ内にごみを圧縮貯留し、コンテナごとコンテナ脱着装置付トラックによって搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・△
- ランニングコスト・・・・・◎
- 所要人員・・・・・・・・・〇
- 衛生性・・・・・・・・・・◎
- 防災性・・・・・・・・・・◎
- 作業性・・・・・・・・・・◎
- 設置スペ―ス・・・・・・・◎
真空輸送方式
ダストシュ―トの底部に設けられている貯留排出機にごみを貯留し、集じんステ―ションに接続された輸送管によって自動的に搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・X
- ランニングコスト・・・・・△
- 所要人員・・・・・・・・・◎
- 衛生性・・・・・・・・・・◎
- 防災性・・・・・・・・・・△
- 作業性・・・・・・・・・・◎
- 設置スペ―ス・・・・・・・〇
問題163
建築物内廃棄物の中間処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 雑誌の処理方法として、切断がある。
- 厨芥類の処理方法として、脱水がある。
- 生ごみの処理方法として、乾燥がある。
- OA紙の処理方法として、梱包がある。
- 缶類の処理方法として、圧縮がある。
答え【1】
雑誌の処理方法は梱包です。
廃棄物の種類 | 処理 | 処理設備 |
---|---|---|
新聞・雑誌 | 梱包 | 梱包機 |
缶 | 破砕、圧縮 | 破砕機、圧縮機 |
雑芥、紙 | 梱包、切断、圧縮 | 圧縮機(コンパクタ)、梱包機、切断機(シュレッダ) |
プラスチック | 破砕、溶融 | 破砕機、圧縮機、梱包機 |
ビン | 破砕 | 破砕機 |
ちゅう芥 | 冷蔵、脱水、粉砕 | 冷蔵庫、脱水機、粉砕機 |
発泡スチロ―ル | 溶融固化、圧縮 | 熱溶融固化装置 |
注射器 | 減菌 | 減菌装置 |
問題164
建築物内の廃棄物保管場所の算定面積として、正しいものは次のうちどれか。
ただし、作業場の必要面積及び粗大ごみ・再利用物の管理面積は考えないものとする。延べ床面積:10,000m2、廃棄物発生量:0.04kg/(m2・日)、保管容器:10kg/個、保管容器1個は0.25m2を占め、保管日数は2日とする。なお、保管容器は平積みとする。
- 10m2
- 20m2
- 80m2
- 200m2
- 500m2
答え【2】
まず整理します。今分かっているものは
- 延べ床面積:10,000m2
- 廃棄物発生量:0.04kg/(m2・日)
- 保管容器:10kg/個
- 保管容器1個は0.25m2(ここは1個なので単位は0.25(m2・個)になります。)
- 保管日数は2日
10,000m2 x 0.04kg/(m2・日)=400kg/日
になります。
次に1個当たりの保管容器:10kg/個なので
400kg/日÷10kg/個=40個/日
になります。
次に保管容器1個は0.25m2なので40個あるということは
40個/日 x 0.25m2・日=10m2/日
になります。
これはあくまでも1日の保管場所の算定面積になるので
保管日数は2日なので
20m2になります。
ビル管理士試験の計算問題のコツは今分かっている情報から解答の単位を導くことで何とか解けます。
今回は単位が20m2ですので
単位の消去法で答えを導きました。
問題165
リサイクルにに関する法律とその対象品目の組合せとして、最も不適当なものはどれか。
- 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器リサイクル法)――――ペットボトル
- 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)――――食品残渣
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)――――木材
- 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)――――食器洗い乾燥機
- 使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法)―――携帯電話
答え【4】
食器洗い乾燥機は対象品目に含まれません。家電リサイクル法は
- エアコン
- 冷蔵庫
- テレビ
- 洗濯機
- 衣類乾燥機