令和3年度清掃「過去問題解説2」
問題146
カ―ペット清掃機械に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ドライフォ―ム方式の洗浄機は、洗剤液を泡にし、縦回転ブラシで洗浄する。
- カ―ペットスイ―パは、パイル内部のほこりを除去する。
- スチ―ム洗浄機は、カ―ペットのしみ取りに使われる。
- 真空掃除機は、電動ファンによって機械内部に空気の低圧域を作り、ほこりを吸引する構造である。
- エクストラクタは、カ―ペットのシャンプ―クリ―ニング後のすすぎ洗いに使用される。
答え【2】
カ―ペットスイ―パは、パイル内部のほこりを除去できない。カ―ペットスイ―パとは以下のようなもので、手で前後に動かすことによってカ―ペットのごみを掃き取ることができる。
問題147
床維持剤に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 剥離剤は、酸の作用で、樹脂床維持剤の皮膜を溶解する。
- フロアポリッシュは、物理的、化学的方法により、容易に除去できない。
- 剥離剤の使用後は、すすぎ拭きを十分に行ってから、樹脂床維持剤を再塗布する。
- フロアオイルは、主に表面加工された木質系床材の保護のために用いられる。
- 床維持剤には、乳化性フロアポリッシュが多く使われている。
答え【3】
正しいのは(3)です。床面に剥離剤が残留していると、樹脂床維持剤を再塗布した際に皮膜ををつくらず、粉化する可能性があるため、すすぎ拭きを十分に行うか、リンス剤で中和すること。
- 剥離剤は、低級アミンやアンモニアを主剤とし、これに界面活性剤を添加されたアルカリ性のものである。
- 床仕上げ材(床材)の保護と美観の向上に使用される化学製品で、塗布乾燥後に皮膜を形成し、、物理的・化学的方法により、容易に除去できる製品群をいう。
床仕上げ材(床材)のなかで、主に表面加工の行われていない木質系床材の保護と美観の向上に使用される化学薬品。鉱油を主体とし、常温で液体の製品をいう。
- 床仕上げ材(床材)の保護と美観の向上に使用される化学製品で、塗布乾燥後に皮膜を形成し、、物理的・化学的方法により、容易に除去できる製品群をいう。
フロアポリッシュは油性のもの、乳化性のもの、水性のものに分類されます。
現在、一般に市販されている製品としては、ワックスタイプとポリマタイプの2種類ある。
このなかでは、 水性ポリマタイプが、多く使われています。
問題148
弾性床材の特徴と維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 床維持剤の黒ずみが生じてきたら、床維持剤の剥離作業をし、再塗布する。
- 塩化ビニルシ―トは、床維持剤の密着性に優れる。
- 日常清掃では、ダストモップを用いて、土砂やほこりを除去する。
- 塩化ビニルタイルは、可塑剤を含む。
- ゴム系床材は、剥離剤によって変色やひび割れ等を生じることがある。
答え【2】
塩化ビニルシ―トは、可塑剤によって床維持剤の密着不良が起きやすい。問題149
床材の耐性に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 木質系床材は、耐水性に優れる。
- テラゾは、耐酸性に優れる。
- リノリウムは、耐アルカリ性に優れる。
- セラミックタイルは、耐摩耗性に優れる。
- コンクリ―トは、耐酸性に優れる。
答え【4】
正しいのは(4)です。
硬性床材
種類 | 特徴 |
---|---|
大理石 | 吸水率は低く、耐酸性、耐アルカリ性に乏しい |
花崗岩 | アルカリ、酸、油には耐性があるが耐熱性に乏しい |
テラゾ | 耐酸性に乏しい |
モルタル・コンクリ―ト | 耐酸性に乏しく表面の凸凹が激しい |
セラミックタイル | 耐酸性、耐アルカリ性があり、耐磨耗性も大きい |
硬性床材の清掃時の注意点
- 石材系の床では、油等が染み込みやすいので、油性のダストモップの使用は注意を要する。
- 大理石、テラゾ―は酸性洗剤を使用できない。
- 一般に、硬性床材は多孔質であったり、細かい凹凸があって汚れやすいので、水洗い等、水分を極力少なくすることが必要である。
- 洗浄に際しては、洗剤と仕上げ剤の選択がポイントとなり、作業上では、汚水や洗剤分を完全に除去することが大切で、リンスをしたり、凹凸のある床材では、吸水式真空掃除機の使用も効果的である。
- 花崗岩は耐酸性、耐アルカリ性があるが、大理石と同様の手入れが基本てある。
大理石、テラゾ―は酸性洗剤を使用できない。
花崗岩は耐酸性、耐アルカリ性があるが、大理石と同様の手入れが基本てある。
問題150
床維持剤のドライメンテナンス法に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- ウェットメンテナンス法に比べて部分補修がしにくい。
- ドライバフ法で用いる床磨き機は、回転数が高いとフロアポリッシュの被膜を傷めるので、低速で使用する。
- ドライバフ法は、つや出し作用を持つスプレ―液をかけながらパットで磨き光沢を回復させる。
- スプレ―クリ―ニング法は、毎分1,000回転以上の超高速床磨き機を用いる。
- ウェットメンテナンス法に比べて作業の安全性が高い。
答え【5】
ウェットメンテナンス法とドライメンテナンス法の大きな違いはウェット=水を使う。
ドライ=水を使わない。
つまり水を使わないドライメンテナンス法は滑りや転倒の面から安全性が高いといえます。
ドライメンテナンス作業法
ドライメンテナンス作業法は弾性床の主流とされる清掃方法である。
汚れの程度と質に応じ、床磨き機に装着するパットの種類を変えて床維持剤を削り、その後床維持剤を補充する床管理方法である。
スプレ―バフ法
スプレ―バフ作業法は細かい傷と軽度の汚れを除去する作業。
洗浄つや出し作用を持つ液をスプレ―しながら、専用パッド(赤パッド)で磨く作業。
ドライバフ法
歩行により光沢度の低下した被膜を、研磨剤を含まないフロア―パッド(白パッド)で研磨し、光沢度を
回復させる作業である。スプレ―液を使用せず、一般の床磨き機、または超高速床磨き機(1000回転以上)で磨く。
床面の土砂、ほこりを完全に除去してから作業を行う。
スプレ―クリ―ニング法
汚れや傷が内部に入り込んだ場合は、洗浄作用のあるスプレ―液をかけながら少し目の荒い緑・青パッドを装着した200回転の床磨き機を用いて、バフィングを行う。
これによりワックス層が数層削れるので、その後またフロア―ポリッシュを1~2層塗布しバフィングにより皮膜の形成を行う。
スプレ―バフ法、ドライバフ法、スプレ―クリ―ニング法の違いはしっかり把握しましょう。
特にパッドの色など、
スプレ―バフ・・・・・・・・・・洗浄つやだし作用の持つ液をスプレ―しながら赤パッド
ドライバフ法・・・・・・・・・・研磨剤を含まないフロア―パッド(白パッド)で研磨し、光沢度を 回復させる作業である。スプレ―液を使用せず
スプレ―クリ―ニング法・・・・・洗浄作用のあるスプレ―液をかけながら少し目の荒い緑・青パッド
ドライメンテナンスのメリット
- 日中でも作業が可能で、日常作業に組み込むことができる。
- 水や洗剤を使用しない。(安全性が高い・・すべり、転倒など)
- 汚れた水をまき散らさない(環境汚染の問題が少ない)
- 前方に進む作業が主になるので、安全作業の導入が容易。
- 使用する資機材が少ない(作業費用の削減ができる)
- 個別作業が可能(単独作業ができる)
- 工程数が少ない。
- 個人の能力に合わせて作業ができる。
- 技術の向上により作業効率が上がる。
- 作業の標準化。システム化がしやすい。
- 一定期間を通じての平均的美観度は高い。
- 部分補修がしやすい。
- 予防清掃である。
ドライメンテナンスのデメリット
- 開店中あるいは就業時間中の作業に対する理解が必要になる。
- 床材への熱影響に注意が必要
- 評価基準を定める必要がある。
- ポリッシャ―の台数が相当必要。
- 初期費用が高い。
- 教育・研修が必要。
- 綿密な作業計画が必要となる。