令和3年度給水及び排水の管理「過去問題解説4」
問題121
循環配管の管長が100mの給湯設備で給湯循環流量を10L/minとした場合、循環配管からの単位長さ当たりの熱損失の値として、最も近いものは次のうちどれか。
ただし、加熱装置における給湯温度と返湯温度の差を5℃とする。算定式は次式を使う。
Q=0.0143 x HL÷Δt
ここで、
Q:循環流量[L/min]
HL:循環配管からの熱損失[W]
Δt:加熱装置における給湯温度と返湯温度との差[℃]
- 0.5W/m
- 7.0W/m
- 35W/m
- 140W/m
- 3,500W/m
答え【3】
この問題は式に代入していきます。10L/min=0.0143 x (HLx100m)÷5
HL=35W/m
問題122
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 貫流ボイラは、煙道を備えている。
- 貯蔵式湯沸器は、減圧弁を備えている。
- 真空式温水発生機は、減圧蒸気室を備えている。
- 太陽熱利用温水器には、集熱器と貯湯槽が一体で構成されているものがある。
- 潜熱回収型給湯器は、排気ガスの潜熱を回収し、給水の予熱として利用する。
答え【2】
(2)の貯蔵式湯沸器の貯湯部が大気に開放されていて、本体に給湯栓が取り付けられている。90℃以下の飲用として利用されます。主に事務所、学校、官庁、飲食店において 飲用として利用されます。
貯蔵式湯沸器に減圧弁は備わっていません。
問題123
給湯設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 給湯水にレジオネラ属菌汚染が認められた場合は、高濃度塩素により系統内を消毒する対策がある。
- 無圧式温水発生機の定期検査は、労働安全衛生法に規定されている。
- 給湯設備は、給水設備に準じた保守管理が必要である。
- 給湯水を均等に循環させるため、返湯管に定流量弁を設置する。
- ベロ―ズ形伸縮管継手は、ベロ―ズが疲労破壊により漏水することがある。
答え【2】
無圧式温水発生機は大気に開放されていて無圧式です。無圧式温水発生機は労働安全衛生法に規定するボイラに該当しない。
問題124
雑用水に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 地区循環方式は、複数の建物間で排水再利用設備を共同利用するものである。
- 雑用水の原水は、年間を通じて安定して確保できる排水を優先する。
- 雑用水は、洗面器、手洗器等に連結しない。
- 雑用水受水槽は、耐食性及び耐久性のある材質のものを用いる。
- 原水にし尿を含む雑用水を、散水、水景用に使用する場合は、規定された水質基準に適合する必要がある。
答え【5】
(5)は雑用水でもし尿を含んでいけないので誤りです。
雑用水の水質基準
pH値 | 5.8以上8.6以下であること。 |
---|---|
臭気 | 異常でないこと。 |
外観 | ほとんど無色透明であること。 |
大腸菌 | 検出されないこと。 |
濁度 | 2度以下であること。 |
また、水栓末端における水に含まれる遊離残留塩素の含有率は、0.1mg/L以上保持しなければならない。
問題125
建築物衛生法に基づく雑用水の水質検査において、7日以内ごとに1回、定期に行う項目に該当しないものは次のうちどれか。
- pH
- 臭気
- 外観
- 濁度
- 遊離残留塩素
答え【4】
濁度は2ヵ月に1回です。雑用水の水質検査
pH値 | 7日に1回 |
---|---|
臭気 | 7日に1回 |
外観 | 7日に1回 |
残留塩素 | 7日に1回 |
大腸菌 | 2ヵ月に1回 |
濁度 | 2ヵ月に1回 |
再利用水の原水の BOD、COD、SS | 1ヵ月に1回 |