令和3年度給水及び排水の管理「過去問題解説3」
問題116
給水設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 防錆剤を使用している場合は、3か月以内ごとに1回、防錆剤の濃度の検査を行う。
- 受水槽と高置水槽の清掃は、原則として同じ日に行い、受水槽清掃後に高置水槽の清掃を行う。
- 飲料用貯水槽の清掃業務に従事する者は、6ヵ月に1回程度、健康診断を受ける。
- 飲料用貯水槽の点検は、定期に実施し、必要に応じて補修などを行う。
- 受水槽の水位制御の作動点検は、槽内のボ―ルタップを手動で操作を行う。
答え【1】
防錆剤を使用している場合は、2か月以内ごとに1回、初期注入時においては7日以内ごとに1回、防錆剤の濃度の検査をしなければならない。。問題117
建築物衛生法に基づく貯水槽の清掃に関する次の記述のうち、誤っているものはものはどれか。
- 清掃終了後の消毒は、有効塩素濃度50~100mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液などの塩素剤を用いる。
- 清掃終了後は、2回以上貯水槽内の消毒を行う。
- 清掃終了後の水洗いと水張りは、少なくとも30分以上経過してから行う。
- 清掃終了後の水質検査における遊離残留塩素濃度の基準値は0.1mg/L以上である。
- 清掃終了後の水質検査における濁度の基準値は、2度以下である。
答え【4】
清掃終了後の水質検査における遊離残留塩素濃度の基準値は0.2mg/L以上である。貯水槽の保守・清掃
- 受水槽の清掃を行った後に高置水槽・圧力水槽の清掃を行う。
- 貯水槽内の沈でん物質及び浮遊物質並びに壁面等に付着した物質を洗浄等により除去し、洗浄を行った場合は、用いた水を完全に排除するとともに、貯水槽周辺の清掃を行うこと。
- 貯水槽の清掃終了後、有効塩素濃度50~100mg/Lの次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素剤を用いて2回以上貯水槽内の消毒を行い、消毒終了後は、消毒に用いた塩素剤を完全に排除するとともに、貯水槽内に 立ち入らないこと。
- 貯水槽の水はり終了後、給水栓及び貯水槽内における水について、次の表の上欄に揚げる事項について検査を行い、当該各号の下欄に揚げる基準を満たしていることを確認すること。
基準を満たしていない場合はその原因を調査し、必要な措置を講ずること。残留塩素の含有率 遊離残留塩素の場合は100万分の0.2以上
結合残留塩素の場合は100万分の1.5以上色度 5度以下であること。 濁度 2度以下であること。 臭気 異常でないこと。 味 異常でないこと。 - 清掃によって生じた汚泥等の廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定に基づき、適切に処理すること。
- 貯水槽清掃終了後は、水洗い及び水張りは、清掃終了後少なくとも、30分経過してから行う。
問題118
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 壁掛けシャワ―の使用温度は42℃程度である。
- 自然冷媒ヒ―トポンプ給湯機による湯の最高沸き上げ温度は、60℃である。
- 総合病院における使用湯量は、100~200L/(床・日)程度である。
- 架橋ポリエチレン管の使用温度は、95℃以下とする。
- ガス瞬間湯沸器の能力表示で1号とは、約1.74kWの加熱能力である。
答え【2】
自然冷媒ヒ―トポンプ給湯機による湯の最高沸き上げ温度は、90℃である。問題119
給湯設備における水の水質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 4℃以上の水は、温度が高くなると密度は小さくなる。
- 配管内の水中における気体の溶解度は、水温の上昇により増加する。
- 給湯設備で扱う範囲の水は、ほとんど非圧縮性である。
- 水中に溶存している空気は、配管内の圧力が高いと分離されにくい。
- 水温が高いほど、金属腐食速度が速くなる。
答え【2】
配管内の水中における気体の溶解度は、水温の上昇により減少する。問題120
給湯設備に使用される材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 金属材料の曲げ加工を行うと、応力腐食が生じることがある。
- 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の最高使用許容圧力は、使用温度が高くなると低下する。
- 樹脂管を温度の高い湯に使用すると、塩素による劣化が生じやすい。
- ステンレス鋼管は、酸化被膜による母材の不動態化によって耐食性が保持される。
- ポリプテン管の線膨張係数は、銅管と比較して小さい。
答え【5】
管種 | 線膨張係数 |
---|---|
銅管 | 0.0000177 |
ステンレス鋼管(SUS304) | 0.0000173 |
鋼管 | 0.0000110 |
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管 | 0.0000~0.00008 |
架橋ポリエチレン管 | 0.00014~0.00023 |
ポリプテン管 | 0.00012~0.00015 |
配管材料も加熱することにより膨張する。
従って配管形状には可とう性をもたせ、長い直線配管には伸縮管継手を使用して管の伸縮量を吸収する。
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管、およびポリブテン管の使用温度はいずれも90℃以下、架橋ポリエチレン管の使用温度は95℃以下となっている。
しかし、樹脂管は使用温度が
高くなると許容温使用圧力は低くなる。