令和3年度建築物の構造概論「過去問題解説2」
問題96
建築物とその構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 免震構造では、アイソレ―タを用いて振動エネルギ―を吸収し、振動を小さくする。
- 耐震補強には、強度や変形能力を高める方法がある。
- 制振構造において、建物の揺れを制御・低減するためのダンパに座屈拘束ブレ―スなどが用いられる。
- コンクリ―トの打設時間の間隔が長くなると、コ―ルドジョイントが生じやすくなる。
- 構造設計に用いる計算法には、保有水平耐力計算、限界耐力計算、許容応力度等計算がある。
答え【解なし】
この問題は正式にセンタ―から解なしとなりました。全ての問題が正しいということです。
(1)のアイソレ―タとは地盤から建築物を絶縁する部材、機構等を指す。
ダンパとは振動エネルギ―を吸収し、振動を小さくさせる装置とあります。
免震構造とは、地震力による揺れを建築物の上部構造に伝達しないように、建築物の基礎部分等に免震装置を設置して、構造体の揺れを低減する構造である。
免震装置では、アイソレ―タやダンパ等を用いて地震力による揺れを上部構造に伝えないようにしている。
問題97
建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- スランプ試験によるスランプ値が大きいほど、コンクリ―トの流動性が高いと評価できる。
- CLTは、挽板を繊維方向が直交するように積層した板材である。
- AE剤は、モルタルやコンクリ―トの中に多数の微小な空気泡を均一に分布させるために用いる。
- 鋼材の引張試験において、破断したときのひずみ度を伸びという。
- 木材の強度は、幹の半径方向(放射軸)、年齢の接線方向、繊維方向(幹軸)の順に大きくなる。
答え【5】
木材の強度は接線<半径<繊維 の順になると思います。 つまり接線方向が強度が一番小さく繊維方向が一番大きいので 接線と半径の順番が逆になります。。問題98
建築生産に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 工事管理は、一般に設計者が、建築主の依頼を受けて代行する。
- 一般競争入札は、工事内容や入札条件等を公示して行われる。
- 金属工事は、躯体工事に分類される。
- 建設業法では、発注者の書面による承諾のない限り、一括下請負は禁止されている。
- 設備工事は、建築工事と別枠で契約される場合が多い。
答え【3】
金属工事は仕上げ工事です。
問題99
電気及び電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 同一定格の電力では、同一電流値であれば交流のピ―ク電圧値は、直流に比べて高い。
- 建築設備に電力を送るケ―ブルの許容電流値は、配線用遮断器の定格電流値より小さくする。
- 電動機の起動時に過電流が流れて異常を起こさないために、スタ―デルタ起動方式が用いられる。
- 電力は、電圧と電流の積に比例する。
- 地域マイクログリッドとは、自然エネルギ―発電を組み合わせ、地域の電力需要を満足する電力システムである。
答え【2】
建築物の電力負荷に電力を送る電線やケ―ブルの配線の許容電流値は、配線用遮断器(ヒュ―ズ)の定格電流値より大きくなければ、電流を安全に供給できない。問題100
駐車場法に規定される、駐車場・駐車施設に該当しないものは次のうちどれか。
- 路上駐車場
- 附置義務駐車施設
- 専用駐車場
- 都市計画駐車場
- 届出駐車場
答え【3】
駐車場は「駐車場法」の適用を受ける一般公共の用に供する駐車場と、適用外の専用駐車場・車庫に大別できる。