令和3年度空気環境の調整「過去問題解説8」
問題81
ホルムアルデヒド測定法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 簡易測定法には、検知管法、定電位電解法がある。
- DNPHカ―トリッジは、オゾンにより正の妨害を受ける。
- DNPHカ―トリッジは、冷蔵で保存する必要がある。
- パッシブ法は、試料採取に8時間程度を要する。
- パッシブサンプリング法では、ポンプを使用しない。
答え【2】
DNPHカ―トリッジは、オゾンにより負の妨害を受ける。従って発生源の存在が予想される場合オゾン除去管の装着が望まれる。問題82
揮発性有機化合物(VOCs)測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- VOCsの採取には、アクティブサンプリング法とパッシブサンプリング法がある。
- 固相捕集・加熱脱着―GC/MS法では、前処理装置により脱着操作を行う。
- 固相捕集・溶媒抽出―GC/MS法では、加熱脱着法に比べ、測定感度は落ちる。
- TVOC(Total VOC)を測定する装置では、方式によらず各VOCに対して同じ感度である。
- TVOCは、GC/MSによりヘキサンからヘキサデカンの範囲で検出したVOCsの合計である。
答え【4】
TVOC(Total VOC)を測定する装置では、方式によっては各VOCへの感度が異なるため、注意が必要である。また、湿度の影響を受けやすいことから、必要であれば補正を行う。干渉ガスとして、アルコ―ルや一酸化炭素などの還元性ガス、オゾンやNOxなどの酸化性 ガスに影響を受ける。
問題83
空気調和設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 加湿装置は、使用開始時及び使用期間中の1年以内ごとに1回、定期的に汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃などを行う。
- 空調システムを介して引き起こされる微生物汚染問題として、レジオネラ症がある。
- 空気調和設備のダクト内部は、使用年数の経過につれ清掃を考慮する必要がある。
- 冷却塔に供給する水は、水道法に規定する水質基準に適合させる必要がある。
- 冷却水管を含む冷却塔の清掃は、1年以内ごとに1回、定期に行う。
答え【1】
加湿装置は、使用開始時及び使用期間中の1ヵ月以内ごとに1回、定期的に汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃などを行う。
冷却塔・冷却水の汚れの状況、必要に応じ清掃 | 1ヵ月以内ごとに1回定期に |
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加湿装置の汚れの状況、必要に応じ清掃 | 1ヵ月以内ごとに1回定期に |
空調機のドレンパンの汚れの状況、必要に応じ清掃 | 1ヵ月以内ごとに1回定期に |
冷却塔、冷却水の水管および、加湿装置の清掃 | 1年以内ごとに1回定期に |
問題84
音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 人間の可聴範囲は、音圧レベルでおよそ0~130dBの範囲である。
- 対象音と暗騒音のレベル差が15dBより大きい場合は、暗騒音による影響の除去が必要である。
- 空気中の音速は、気温の上昇と共に増加する。
- 低周波数域の騒音に対する人の感度は低い。
- 時間によって変動する騒音は、等価騒音レベルによって評価される。
答え【2】
対象音と暗騒音のレベル差が10dB以上あると、合成レベルに対する暗騒音の影響は0.4dB以下となるから、暗騒音による影響の除去するためにも、測定時には差が10dB以上あることを 確認することが必要である。問題85
音に関する用語とその説明として、最も不適当なものはどれか。
- 広帯域騒音―――広い周波数領域の成分を含む騒音
- 吸音率――――入射音響エネルギ―に対する吸収エネルギ―の割合
- 純音――――――一つの周波数からなる音波のこと
- 拡散音場―――――空間に音のエネルギ―が一様に分布し、音があらゆる方向に伝搬している状態のこと
- パワ―レベル―――音源の音響出力をデジベル尺度で表記したもの
答え【2】
吸音率とは入射音響エネルギ―に対する透過および吸収エネルギ―の割合のことです。