令和3年度空気環境の調整「過去問題解説3」
問題56
換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 換気の目的の一つには、汚染物質の室内からの除去がある。
- ハイブリッド換気は、自然換気と機械換気を併用する換気方式である。
- 第1種換気は、機械換気と機械排気による換気をいう。
- 局所換気は、汚染物質が発生する場所を局部的に換気する方法をいう。
- 第3種換気は、機械換気と自然排気口による換気をいう。
答え【5】
機械換気と自然排気口による換気は第2種換気です。換気
換気の目的
主に以下の2つに分けられる。
- 室内空気と新鮮空気の入れ替え
- 汚染物質の除去
- 酸素の供給
- 室内の燃焼機器の燃焼のため、必要酸素を室外から供給する。
- 熱の排除
- 厨房等の火気使用器具、工場の電動機類から発生する熱を室外に排除する。
- 水蒸気の排除
- 室内で発生する水蒸気、あるいは多湿の空気を室外に排出する。
- 室内空気浄化
- 室内で発生する粉じん、有害ガス、臭気等の汚染物質を室外に排出し、室外から清浄な空気を取り入れる。
- 通風の確保
- 気流によって在室者の体感温度を下げるとともに、室温上昇を抑制する。
機械換気
機械換気は第一種機械換気、第二種機械換気、第三種機械換気に分けられます。その使用目的に合わせて換気することができます。
第一種機械換気
第二種機械換気
第三種機械換気
問題57
浮遊粒子の次のア~エの動力学的性質のうち、粒径が大きくなると数値が大きくなるものの組合せとして、最も適当なものはどれか。
ア 終末沈降速度
イ 拡散係数
ウ 気流に平行な垂直面への沈着速度
エ 粒子が気体から受ける抵抗力
- アとイ
- アとウ
- アとエ
- イとエ
- ウとエ
答え【3】
(ア)の終末沈降速度は粒径の2乗に比例して大きくなります。(イ)の拡散係数は粒径に反比例します。
(エ)の粒子が気体から受ける抵抗力は粒子の流体に対する相対速度の2乗に比例する。
これにより正しいのはアとエになり(3)になります。
問題58
アレルゲンと微生物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ウイルスは建材表面で増殖することがある。
- アスペルギルスは、一般環境中に生息するカビである。
- オフィスビル内の細菌の主な発生源は在室者である。
- 酵母は真菌に分類される。
- カビアレルゲンの大部分は、数μm以上の粒子である。
答え【1】
ウイルスは生きている細胞中でしか増殖できない。問題59
パッケ―ジ型空調機に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 中央方式の空気調和設備と同様に、熱源設備が必要となる。
- 圧縮機の駆動は、全て電力を用いている。
- 通常は、外気処理機能を備えている。
- ビル用マルチパッケ―ジは、ON-OFF制御により、圧縮機の容量制御を行うのが主流である。
- 水熱源ヒ―トポンプ方式のパッケ―ジ型空調機は、圧縮機を備えているため騒音に注意が必要である。
答え【5】
(1)熱源設備が必要ありません。(2)圧縮機を電力で駆動するものをEHP、ガスエンジンを駆動するものをGHPといいます。
(3)通常、外気処理機能を有していないので、別途送風機や全熱交換器を設けて外気処理(換気)を行う。
(4)圧縮機はインバ―タ―による回転制御が主流である。
問題60
空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- HEMSと呼ばれる総合的なビル管理システムの導入が進んでいる。
- 空気調和機には、広くはファンコイルユニットも含まれる。
- 熱搬送設備は、配管系設備とダクト系設備に大別される。
- 冷凍機、ボイラ、ヒ―トポンプ、チリングユニットは、熱源機器にあたる。
- 自動制御設備における中央監視装置は、省エネルギ―や室内環境の確保を目的に設備機器を監視、制御する設備である。
答え【1】
(1)はBEMSです。BEMSはビル管理システムの統一した呼称です。
HEMSのHはHOME(家)のHで家を意味します。
BEMSのBはbuilding(ビル)のBを意味します。
と覚えた方が分かりやすいと思います。