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令和3年度建築物の環境衛生「過去問題解説3」

問題31

受動喫煙に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 医療機関における受動喫煙防止対策は、地域保健法により規定されている。
  2. 喫煙専用室には、二十歳未満の者は立ち入れない旨の掲示が必要である。
  3. 副流煙は、喫煙者が吐き出す煙のことである。
  4. たばこ煙に含まれるニコチンやタ―ルは、副流煙より主流煙の方が多く含まれる。
  5. 受動喫煙により、小児の呼吸器系疾患のリスクは増加しない。


解説

答え【2】

以下のような掲示が必要であります。

多くの施設において屋内が原則禁煙に

多くの施設において屋内が原則禁煙

20歳未満の方は喫煙エリアへ立入禁止に

20歳未満の方は喫煙エリアへ立入禁止

屋内での禁煙には喫煙室の設置が必要に

屋内での禁煙には喫煙室の設置が必要

喫煙室には標識掲示が義務付けに

喫煙室には標識掲示が義務付け


ここがポイント

  1. 医療機関における受動喫煙防止対策は、健康増進法により規定されている。
  2. 副流煙は、たばこの先端の燃焼部分から立ち上る煙のこと。
    (3)の説明は呼出煙です。
  3. たばこ煙に含まれるニコチンやタ―ルは、主流煙より副流煙の方が多く含まれる。

    有害物質主流煙副流煙
    タ―ル 13.4倍
    ニコチン 12.8倍
    一酸化炭素14.7倍
    アンモニア146.0倍
    厚生労働省より

  4. 受動喫煙により、小児の呼吸器系疾患のリスクは増加する。

たばこの煙には、喫煙者が吸う「主流煙」、喫煙者が吐き出した「呼出煙」、たばこから立ち上る「副流煙」があり、受動喫煙では呼出煙と副流煙が混ざった煙にさらされることになります。


類似問題

問題32

音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 聴力レベルがプラスの値は、基準値よりも聴力が良いことを意味する。
  2. 音の感覚の受容器である耳は、外耳、中耳、内耳に分けられる。
  3. 聴覚の刺激となる音には、頭蓋骨を伝わる音が含まれる。
  4. 音の大きさを評価する尺度として、聴覚系の周波数特性で補正したA特性音圧レベルがある。
  5. 聴力レベルのスクリ―ニングとして、職場のの定期健康診断では1,000Hzと4,000Hzの聴力レベルが測定される。


解説

答え【1】

基準音圧レベルを0dBとして、各人の最小可聴値の、基準音圧レベルからの上昇分を、聴力レベル(単位dB)という。プラスの値は基準値からの聴力の低下を 、マイナスの値は基準値より聴力が良いことを意味する。
ここがポイント


類似問題

問題33

騒音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 騒音性難聴は、4,000Hz付近の聴力低下から始まる。
  2. 老人性難聴の初期では、会話音域である周波数(2,000Hz)から聴力の低下がみられる。
  3. 環境騒音によって自律神経系が刺激され、血圧の上昇などが観察される。
  4. 長期間85dB以上の騒音にばく露されると、永久性の聴力低下となる危険性が高くなる。
  5. 住民の騒音苦情の大半は、聴取妨害と心理的影響である。


解説

答え【2】

ヒトの聴力は一般的に20歳前後が最も良く、加齢によって、高い周波数(8000Hz付近)から次第に低い周波数域に聴力の低下がみられる。これを老人性難聴という。
ここがポイント


類似問題

問題34

振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 振動レベルの単位はデジベル(dB)である。
  2. 局所振動による健康障害は冬期に多くみられる。
  3. 局所振動による障害にレイノ―現象といわれる指の抹消神経障害がある。
  4. フォ―クリフトの運転により垂直振動にばく露されることで、胃下垂などが生じる。
  5. 全身振動は、垂直振動と水平振動に分けて評価される。


解説

答え【3】

局所振動障害の多くは、作業者が長期間にわたり手持ち振動工具等を使用することによる手指などの振動障害です。
レイノ―現象を主とする指の抹消循環障害、手首、ひじの筋肉や関節の障害、手や腕の感覚運動神経障害なものである。
ここがポイント


類似問題

問題35

光の知覚に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 目が視対象物の細部を見分ける能力を視力という。
  2. 視対象を正確に認識することを明視といい、この条件は、大きさ、対比、時間、明るさである。
  3. 視細胞は角膜に存在する。
  4. 暗順応に要する時間は明順応よりも長い。
  5. 錐体細胞には、赤、青、緑の光にそれぞれ反応する3種があり、反応の組合せで色を感じる。


解説

答え【3】

視細胞は目の網膜に存在する。
ここがポイント

  1. 杆体細胞と錐体細胞
    • 視細胞を大別すると杆体細胞と錐体細胞に分かれる。
    • 杆体細胞は暗い時に働く
    • 錐体細胞は明るい時に働く
  2. 視細胞の数は杆体細胞が約1億2,500万個に対し、錐体細胞は約600万個存在し、圧倒的に杆体細胞の方が多い。

  3. 杆体細胞・・・杆体は光に敏感な色素ロドプシンを含み、感光度が非常に高く、錐体の約500倍の感度をもつ、色を識別できない。
    錐体細胞・・・感光度はそれほどでもないが解像力に優れ色を感じることができる。錐体は赤、青、緑の色を感じている。この色を感じる能力のことを色覚という。

  4. 明順応と暗順応
    • 視覚の、暗い所から明るい所への順応を明順応という。(順応に2分程度要する。)
    • 視覚の、明るい所から暗い所への順応を暗順応という。(順応に40分程度要する。)
    これは、人間の目が杆体細胞と錐体細胞を使い分けているからである。
  5. 暗所視と明所視
    • 暗順応して杆体細胞が働いて物を見る作業を暗所視という。
    • 明順応して錐体細胞が働いている時を明所視という。
  6. 視力と照度
    • 周囲の照度が低下すると瞳孔は拡大する。(より多くの光を取り入れようとする。)
    • 人間の視力は0.001Lxから徐々に現れ、0.1Lx付近で大きく変化する。約10000Lxまで直線的に視力は向上する。(照度が高いほど細かい物を識別しやすくなる。)
  7. 視対象を見た時、それを正しく認識する明視の条件
    • 視対象が明るいこと。
    • 視対象の視覚が大きいこと。
    • 視対象の動きがないこと。
    • 視対象の対比(コンストラスト)が大きいこと。


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