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建築物の構造概論6

エレベ―タ、エスカレ―タ設備

エレベータの分類
分類方式
駆動方式ロープ式・油圧式
巻上電動機交流式・直流式
型式規格型・非規格型
機械室の有無機械室あり・機械室なし

ロ―プ式

ロ―プ式エレベ―タは走行機の速度制御が広範囲にわたって可能なため、中高層、超高層建築物で多用されている。

油圧式

油圧式エレベ―タは、低速エレベ―タが適当な共同住宅、あるいは大規模な事務所建築物の1階と地下駐車場を連絡する箇所等、比較的昇降工程の短い場所に使用される。


最重要項目としてはロープ式は中高層、超高層建築物向きで油圧式は低層建築物向きです。

近年、巻上機、制御盤を昇降路やピットに設置する、機械室なしエレベ―タ―が普及している。

また、エレベ―タに使用される巻上電動機には、交流式と直流式がある。

規格型エレベ―タ

現在、建築物に使用されるエレベ―タの多くが規格型(JIS規格に準拠し、製作されたもの)である。この規格型エレベ―タは、量産体制がとられており、価格が安く品質も安定しており、機種が豊富で適応性に富んでいる。

定員
(人)
積載量型式かご内法
(mm)
出入口幅
(mm)
6450P-6-CO-45,60,90,1051400x850800
9600P-9-CO-45,60,90,1051400x1100800
11750P-11-CO-45,60,90,1051400x1350800
13900P-13-CO-45,60,90,1051600x1350900
151000P-15-CO-45,60,90,1051600x1500900
備考:ここで良く出題されるのは定員13人の形式が多い。

非常用エレベ―タ―

  1. 建築基準法によって、高さ31mを超える建築物には、非常用の昇降機を設けなけなければならないと定められている。
  2. 非常用エレベ―タは、平常時には通常の最大17人乗り通常のエレベ―タとして使用できるが、火災時には消防隊が優先される
  3. 非常用エレベ―タは停電時にも使えるように予備電源の設備が備わり、火災時には使用中の呼び戻しやかごを開いたままの使用が可能。かごは消防隊の活動に適する大きさとなっている。
  4. 非常用エレベ―タ―の設置義務は建築基準法で定められている。
  5. 建築基準法で、非常用の昇降機であるエレベ―タの数は、高さ31mを超える部分の床面積が、最大の階における床面積に応じて算定し、2以上の非常用エレベ―タを設置する場合は、避難上及び 消火上有効な間隔を保って配置しなければならないと定められている。

エレベーター


31mを超える建築物には非常用エレベ―タと火災時は消防隊優先←これ覚えましょう。

エレベ―タの安全装置

平成20年9月19日(金)に「建築基準法施行令の一部を改正する政令」が公布、平成21年9月28日(月)に同法が施行されました。

義務化されたエレベ―タ―の安全装置

この法改正で設置が義務化されたエレベ―タ―の安全装置は、「戸開走行保護装置(UCMP)」「地震時管制運転装置」です。

また、地震時管制運転装置には、予備電源(停電時自動着床装置など)を設けることが定められています。

地震時管制運転装置と火災管制運転装置では少し違うので間違えないようにしましょう。
地震時管制運転装置→最寄りの階(一番近い下の階)へ自動停止する装置です。
火災管制運転装置→避難階(1階)へ直通運転させて、ドアを開き乗客の避難を行うものです。


建築基準法施行令が改正された背景には、平成17年7月の千葉県北西部地震で発生したエレベ―タ―閉じ込め事故、平成18年6月にマンションで発生した戸開走行事故が発端となり、その結果、平成20年9月19日(金)に「建築基準法施行令の一部を改正する政令」が公布、平成21年9月28日(月)に同法が施行されました。

エスカレ―タ設備

エスカレ―タの種類は踏段幅から、600mm程度の幅狭形(S600型)と、1000mm程度の幅広型(S1000型)に大別される。
エスカレ―タで覚えるのは定格速度です。

【エスカレ―タ及び動く歩道は勾配により定格速度が定められています。】

防火設備

防火と防災設備

建築物の火災性状

火災の三要素

  1. 酸素
  2. 可燃物
  3. 点火源
火災の三要素
火災の成長
火災は出火・初期火災・フラッシュオ―バ―・火盛り期と成長する。

フラッシュオ―バ―

着火物の燃焼により生じ、天井付近に溜まった可燃ガスが、空気と混合して燃焼範囲に入った時、一時的に引火して大きな炎となり、室全体に炎が回る状態になる現象

消防用設備の分類

消防の用に供する設備建築物関係者や自衛消防組織
消火活動上必要な施設公設消防隊(プロの消防隊)

この違い重要です。
消火活動上必要な施設はプロの消防隊員の方たちが使うもので、消防の用に供する設備は私たち建築物で働いている方が使うもの

これ重要

消火活動上必要な施設

消防の用に供する設備

消防の用に供する設備は消火設備・警報設備・避難設備に分類されます。

消火活動上必要な施設はこの5つだけなので確実に暗記すること。
これ以外はすべて消防の用に供する設備に分類される

消火設備と設置場所の組み合わせ
消火設備設置場所
泡消火設備駐車場、飛行機格納庫、特殊可燃物、準危険物の貯蔵所・取扱所
不活性ガス消火設備電気室、通信機器室、ボイラ室
ハロゲン化物消火設備電気室、通信機器室、ボイラ室
粉末消火設備電気室、通信機器室、ボイラ室
水道連結型スプリンクラ設備小規模社会福祉施設等

ここでのポイントは
泡消火設備は、油火災等のように注水による消火方法では、火災が拡大するような場合での消火設備で、駐車場や飛行機の格納庫等に設置されます。
消火薬剤に泡と水原液を混合させて作る泡消火薬剤を用る。
従って電気室、通信機器室のような水を使用できない場所には使用出来ません。
電気室・通信機器室等には不活性ガス消火設備、粉末消火設備等を使用されます。

尚ハロゲン化物消火設備は地球環境の問題から、ハロゲン化物(ハロンガス)がフロンとともにオゾン層破壊の要因とされ、平成6年以降生産中止となった。このため、新しい不活性ガス消火剤の開発が行われ、二酸化炭素 とともに不活性ガス消火設備として規定された。

感知器の種類

熱感知器


差動式・・・・・・周辺温度の上昇率が一定以上になると作動する。
定温式・・・・・・周辺温度が一定以上になると作動する。
差動式は上昇率が一定ね←これ覚えましょう。

煙感知器

煙感知器は、熱感知器に比べて火災の初期に起きやすいくん焼状態で作動するもので火災の早期感知に適している

炎感知器

炎感知器は火災の炎の紫外線や熱線(赤外線)の強度が一定以上になると作動。
炎感知器は、アトリウムや大型ド―ム等の高天井の場所に適している。

防排煙対策

火災時に発生する煙は、避難者や消防隊員にとって非常に危険である。
特に外気への直接の開口が制限される地下空間や高層建築物では、適切な防排煙対策は、避難や消火活動において不可欠である。
防排煙対策の目的は、機械力や煙の浮力を生かして屋外に煙を排出し、安全な避難経路や消防活動拠点を確保することである。
防排煙対策においても延焼拡大防止と同様、煙の拡大する範囲を局限化する防煙区画の対策が重要になる。


防煙設備には自然排煙方式、機械排煙方式、蓄煙方式、加圧防煙方式、第二種排煙(押出し排煙)方式がある。

自然排煙方式

自然排煙方式は、高温の煙の浮力を利用して火災が発生した室あるいは煙が侵入した室の上部の窓等を開放し煙を外部に排出する方式である。
一般的に低層の建物あるいは小規模の建物に採用される場合が多い。
排煙窓を開放して室内への給気の確保されていなければ十分な排煙が行えない場合があるので、煙層を乱さないように室下部に給気経路を確保することが望ましい。

排煙

機械排煙方式

機械排煙方式は、排煙機により火災が発生した場合あるいは煙が侵入した室の天井面に設置された排煙口から煙を吸い込み外部へ排出する方式である。
一般的には自然排煙の設置しにくい高層建築物あるいは大規模な建築物に採用されることが多い。
この方式が火災室で稼働した場合、火災室が負圧になり廊下等への漏煙を防止できる一方、適切な位置に給気経路を設けないと避難扉の開閉障害が生じる可能性がある。

排煙

第二種排煙方式

第二種排煙方式は、給気ファンにより正圧をかけた自然排煙である。
排煙窓からの煙排出量は排煙窓位置での外気と煙の圧力差と排煙窓自体の有効面積によって決まる。
この方式は居室や廊下等に採用されることも可能だが、一般的には、高層建築物の付室等に採用される場合が多い。

排煙

加圧防煙方式

加圧防煙方式は、給気機にて付室等に外気を供給することで、付室等や廊下の圧力を正として避難経路への煙の侵入を防止する。
付室等を加圧することで階段への煙の侵入を防止できる。
付室等と廊下の間に遮煙に十分な圧力を確保するためには、廊下あるいは火災室内に室内空気を外部に排出するために十分な大きさの自然開口(空気逃し口)また は排煙機が必要であり、排煙機の場合には高温の煙を吸い込んでも停止しない性能が必要となる。

排煙

蓄煙方式

蓄煙方式とは、火災室の天井付近に発生する煙を、天井に設けられた蓄煙板や蓄煙幕で仕切って、一定の高さ以下に保つ方法です。
この方式は、火災室の床面付近の視界や呼吸を確保するとともに、煙の非火災室への拡散を防止する効果があります。
蓄煙方式は、天井の高い大空間の競技場やアトリウムなどで採用される場合があります

その他防災および火災に関する用語

備考:
着火とは、火のつきやすさ。
展炎とは、材料の燃え広がりやすさ。

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