空気環境の調整9
送風機
送風機は大まかに分けてファンとブロワに分かれる。
- ファン・・・・・・圧力9.8kPaより低いもの
- ブロワ・・・・・・圧力9.8kPa以上のもの
これ、重要です。
ちなみに空調用で使用されている送風機はほとんど圧力1.5kPa以下のファンである。
送風機の軸動力は回転数の3乗に比例し、全圧は回転数の2乗に比例し、風量は回転数に比例する。
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確実に覚えること。
- 軸動力は回転数の3乗に比例
- 全圧は回転数の2乗に比例
- 風量は回転数に比例
風量を変えないで送風機のケ―シングを小さくすると内部抵抗がふえ、動力が大きくなる。
以下の送風機に関してはしっかり特徴を把握しておきましょう。試験に毎年でますから
送風機の種類
羽根車を通る空気流の方向により、遠心式・軸流式・斜流式および横流式に分類されます。
- 遠心式は、羽根車の中を軸方向から入り、径方向に空気が通り抜ける。
- 軸流式は、軸方向から入り、軸方向へ空気が通り抜ける。
- 斜流式は、軸方向から入り、軸に対し傾斜して空気が通り抜ける。
- 横流式は、羽根車の外周の一部から入り、反対側の外周の一部へ通り抜ける。
遠心送風機
羽根の遠心力で流体を昇圧する送風機、空気は軸方向から入り、羽根車の径方向へ吐出される。
遠心送風機には多翼送風機、後向き送風機、翼形送風機などがあり、以下でその特徴を述べています。
多翼送風機
シロッコファンとも呼ばれている。羽車に多数の前向きの羽根をもっている。↓
以下は丸暗記しておきましょう
小型で大風量を扱うことができるが、構造上高速回転には適さないことから、空気調和用として800Pa程度以下で使用される。
比較的騒音値が高く、効率も悪いが省スペ―スであるため多く採用されている。負荷の増大に伴って軸動力が急激に増加してモ―タ―が過負荷になる恐れがある。
後向き送風機
高速回転に耐えられるので高い圧力が得られ、多翼送風機より効率がよい、ある風量で軸動力が最大となり、この軸動力 に見合った電動機を採用すれば、どの運転点でも過負荷となることがないリミットロ―ド特性を持つ。
翼形送風機
羽根の形が飛行機の形状ににた形をしている。後ろ向きについている。高速回転に耐えられることから高い圧力が得られ、騒音値も低く、効率も良い。リミットロ―ド特性をもつ。
とりあえず、遠心送風機のおさらいをすると
- シロッコファンは高い圧力が得られない、高速回転には適さない。高速回転に適しているのは後向き送風機、翼形送風機ということ
軸流送風機
軸流送風機は羽根車の軸方向に空気を流す形式の送風機で、小型で低圧力・大風量に適しているが、騒音値が高い。
軸流送風機にはプロペラ型、チュ―ブ型、ベ―ン型の種類があり以下でその特徴を説明します。
プロペラ型
換気扇のように羽根車が露出している。
大風量・低静圧(0~100Pa)のため、換気扇・開放型冷却塔などに多用されている。
チュ―ブ型
羽根車を筒状のケ―シング内に収めている。プロペラ型より高効率・高圧力としている。直線的にダクトに接続が可能なため、ダクトの途中に挿入でき、収まりがよい。
ベ―ン型
羽根車の上または下流側に室内羽根を付け、チュ―ブ型よりもさらに高圧力・高効率にしたもの
軸流送風機をおさらいすると
高圧力・高効率の順は
プロペラ型 < チュ―ブ型 < ベ―ン型
になる。
斜流送風機
軸流送風機と形状はにている。
羽根車の中の気流の流れ方が遠心型と軸流型の中間の流れ(斜流)である。ダクト系に収まりがよく、低騒音・高効率の送風機であり、
天井裏に設置され、便所等の局所換気に使用される。
横流送風機
空気は羽根車の外周の一部から入り反対側の外周の一部に吐出される。
ファンコイルユニットやエアカ―テンに多用されており、小風量・低圧力で効率も悪い。
がんばって覚えましょう
送風機に関しては、やはりどの送風機が高圧力で高効率なのか、低圧力で効率が悪いのかをしっかり把握しておきましょう。
また、空気の流れもしっかり把握しておきましょう。
たとえば、横流送風機は羽根車の外周の一部から入り反対側の外周の一部に吐出される
軸流送風機は軸方向に空気を流す方式
など、その違いをしっかり覚えること。
特性曲線
送風機の運転と送風量の関係を示したものを特性曲線という。
送風機の特性曲線は、グラフの横軸に風量をとり、縦軸に 静圧をとって曲線Pのように示される。一方、送風系の抵抗曲線は、同じグラフ 上に、原点を通る二次曲線Rとして示される。ここで、2曲線の交点Aは、運転点を示している。その送風量をQAからQBに減少したい場合には、 送風系のダンパを操作することで調整できる。上記赤字は確実に暗記すること。 この問題も数年に一度は出題されています。
送風機のサージング
吐出しダンパを絞るなどして送風系の抵抗を大きくして、送風機特性曲線の右上がり特性域まで風量を減少させると、ダクト系に空気の脈動と振動・騒音が発生 し、不安定な運転状態となることがある。この現象をサージングと呼ぶ。