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空気環境の調整8

空気調和機・ファンコイルユニット

エアハンドリングユニット(AHU)

エアハンドリングユニットの構成

エアハンドリンングユニットは、一般に気流の上流側からエアフィルタ、空気冷却器、空気加熱器、加湿器、エリミネ―タ、送風機並びに電動機、ケ―シング等で構成されている。
構成機器は使用目的により変更ができる。
壁面設置型や天井隠ぺい型で、センサ・制御盤を内蔵した コンパクト型がある。

エアハンドリングユニットの構成機器

  1. エアフィルタ
    • 主にユニット型の乾式フィルタが用いられている。
  2. 冷水コイル・温水コイル・蒸気コイル
    • エアハンドリングユニットは独自の熱源装置を持たず、外部から冷温水、蒸気を取り入れて熱源とする。空気冷却器には冷水コイル、空気加熱器には温水コイル または、蒸気コイルが用いられる。冷水コイルと温水コイルを兼用した冷温水兼用コイルも用いられる
      通常コイルにはプレ―トフィンコイルが用いられる。
      冷水コイルには通常5℃~7℃の冷水が供給され、空気を冷却する。
      温水コイルには通常40℃~60℃ の温水が供給される。
      蒸気コイルには0.2MPa以下の低圧の蒸気が供給される。列数は1~2列が一般的である。
      冷却コイルの凝縮水や噴霧加湿により生じた水滴が下流側に 飛散するのを防ぐためにエリミネ―タが設置されることが多い。
      コイルの下部には結露水等を受けるためドレンパンが設置される。冷水、温水上部にはエア抜き用のキャップが取り付けられる。
  3. 送風機
    • 多翼送風機(シロッコファン)が多用される
  4. ケ―シング
    • 内外面が鋼板でその内部に断熱材として発泡フォ―ムを用いたサンドイッチ構造の外装パネルが用いられる


上記の事柄で重要で覚えなければならないことをまとめると
あたりは覚えよう。
さらに間違えやすい箇所としては、水抜きキャップとエア抜きキャップの問題です。上部に設置するのはエア抜きですよ。たまに上部に水抜きキャップを設置の問題も出ますがこれは不正解ですから気をつけましょう。

エアハンドリングユニット(AHU)

ファンコイルユニット(FCU)

  1. ファンコイルユニットは、住宅の冷暖房用やダクト併用ファンコイルユニット方式における端末ユニットとして幅広く用いられる。
  2. ファンコイルユニットはエアフィルタ、冷温水コイル、送風機、電動機、ケ―シング等で構成されている。
  3. 室内設置型の小型空気調和機で、一般には加湿器を持たない。
  4. ファンコイルの種類
    • 床置き型(露出型、埋め込み型)
    • 天井型(吊り型(露出型)・隠ペイ型・埋め込み型)
  5. コイルは冷温水兼用のもの、冷水、温水別々に組み込んだものがあり、配管は4管式(冷水・温水にそれぞれ往き管、還り管)、3管式(冷水・温水にそれぞれ往き管があり還り管は冷水 ・温水共通)、2管式(往き管、還り管が冷水温水共通)があり、4管式、3管式は各ユニットごとに冷暖房が可能である。
  6. ファンコイルの送風機は静圧が小さいので圧力損失の大きい高性能フィルタは使用できない。フィルタは抵抗の小さい粗じん用 フィルタが用いられる。
  7. 比較的室数の多い建築物に利用される。分散して多数設置されるため、保守点検が繁雑になりやすい。

パッケ―ジ型空調機

  1. 圧縮機、凝縮器、冷却器、送風機、エアフィルタなどをひとつのケ―シング内にパッケ―ジにしたものである。
  2. 空冷式と水冷式に分けられる。
  3. 空冷式では、冷媒弁の切り替えにより、冷房と暖房が出来るヒ―トポンプが家庭用を含めて多く普及が著しい。
  4. パッケ―ジ型空気調和機マルチタイプとは、室外機1基に対し室内機が複数接続されている(小規模~中規模のビルで多用されている).
  5. パッケ―ジ型空気調和機の能力低下の原因
    • フィルタの目詰まり
    • 室外機の風通しが悪い
    • 室内機、室外機のフィン汚れ
    • 冷媒量の不足
    • 暖房時は室外機に着霜
    • 冷房時は室外機に直射日光の照り返し
  6. 室外機に結露するのはほとんどの場合、フィルタの目詰まりが原因

上記にパッケ―ジ空調機の特徴を記載していますが、能力低下の原因はしっかり覚えましょう。

全熱交換器・顕熱交換器

全熱交換器

全熱交換器の全熱とは顕熱 + 潜熱を意味する←これ重要
全熱交換器は、空調の排気(熱)を利用して、外気負荷の軽減を目的として、空気中の顕熱・潜熱を同時に熱交換する装置である。
省エネルギー機器として広く利用されている。
分類としては、回転型、静止型があります。
省エネを図るため空気ー空気熱交換器です。
全熱交換器の特徴は

などが挙げられます。
外気系統には一般的な粗じん用フィルタを用いられている。
全熱交換器は通常は事務所などの居室に用いられ、異臭や湿気が発生する場所の換気には使用されません。

回転型

回転型全熱交換器のエレメントには、吸湿性を持たせるため、アルミニウムシートに耐食処理を施し、表面に吸着剤(シリカゲル等)を塗布したもの、吸着剤にイオン交換樹脂を塗布 したもの、あるいはアルミニウムシートの表面に微細な空孔を持つ酸化アルミナ層を形成させたものがある。
エレメントは、段ボール状に巻き取られ円筒型のロータを形成する。
このロータは、ケーシングに収められ、駆動装置によって回転される。
給排気は、ロータ内を対向して流れ、低速回転するロータを介して給排気間で熱交換を行う。

回転型

静止型

静止型全熱交換器は、給排気を隔てる仕切り板の伝熱性と透湿性により給排気間の全熱交換を行う全熱交換器です。
従って、仕切り板には、伝熱性と同時に透湿性が求められる。

静止型

顕熱交換器

顕熱交換器は全熱交換器と異なり、潜熱(湿分)の移行は伴わないため、両流体の隔壁に透湿性材料、または金属エレメントへの吸湿材などコーティングは必要としない。
寒冷地方における空調用換気からの熱回収、排気中に水分やミスト、ダストを多く含む工場排気や、水分の回収を必要としない厨房や温水プ―ル における熱回収には顕熱交換器が使用される。

顕熱交換器では冬場に排気が、夏場に取り入れ外気が低温多湿となって結露しやすくなる(全熱交換器では湿気も移動するので、湿度が高く温度が 低い空気は発生しにくい)

ヒートパイプ

内部に封入された作動媒体が、蒸発と凝縮のサイクルを形成することにより熱輸送するパイプを、ヒートパイプと呼んでいる。
ヒートパイプは空気ー空気熱交換器で構造・原理が簡単であり熱輸送能力が高く、かつ熱流が一方向で温度均一性が高いなどの特徴がある。
産業用・空調用に限らず、パソコン・家庭用品における放熱素子などの用途に広く利用されている。


空調配管の種類と使用温度と圧力

配管の種類と用途使用温度及び圧力
冷水配管5~10℃
冷温水配管5~10℃、40~50℃
温水配管100℃未満(一般に40~80℃)
高温水配管100℃以上(一般に120~180℃)
冷却水配管20~40℃
不凍液配管-10~-5℃(氷蓄熱)
低圧蒸気配管0.1Mpa未満(一般に0.01~0.05MPa)
高圧蒸気配管0.1MPa以上(一般に0.1~1MPa)

上記配管の使用温度と圧力の問題も数年に1度程度出題されているので覚えましょう。
基本的に上記表を覚えておけばいいでしょう。
冷温水配管は5~10℃、40~50℃ですので間違えないようにしましょう。
つまりファンコイル等が冷房の時は5~10℃、暖房時は40~50℃です。
冷却水配管は冷却と言われているのでもっと低い感じですが20~40℃ですので間違えないようにしましょう。
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