建築物の環境衛生9
消毒法
基本対策は感染源の排除、感染経路の遮断および宿主の抵抗力の向上である。追加の感染源および感染経路対策の方法として、消毒は重要な方法である。
ある環境中の全ての微生物を死滅させることを減菌という。←重要です。
その中の病原体ののみを死滅させることを消毒と呼ぶ。
減菌と死滅の違いもよく出題されます。
消毒・減菌法として理化学的方法とが化学的方法があります。
これらの選択を行う際には、病原体に合わせた方法を用いることが大切である。
理化学的方法
- 乾熱減菌
- 焼却
- 紫外線消毒
- 煮沸消毒
- 蒸気消毒
蒸気消毒は、100℃以上の蒸気中に1時間以上さらす。
化学的方法
- クレゾール
- ホルマリン
- エチレンオキサイドガス
- エタノール
消毒剤
薬品名 | 用途 | 効果 | 備考 |
---|---|---|---|
クレゾ―ル「3%」 | ほとんどの物件(飲食物、食器には不適) | 芽胞、ウイルスには無効 | 手の消毒には1~2%消毒液 |
次亜塩素酸ナトリウム | 井戸、水槽、汚水、し尿、その他廃棄物 | 細菌、ウイルスに有効、芽胞には効果が得られにくい | 有機物が多いと効力は減退 |
ホルマリン | 衣服、寝具、ガラス器 | すべての微生物に有効 | 皮膚、粘膜を強く刺激するので手指の消毒に不適 |
逆性石鹸 | 手指、ガラス器、金属器具 | 結核菌、ウイルスには無効 | 有機物が多い場合は不適 |
消毒用エタノ―ル | 手指、皮膚、医療器具 | 芽胞、一部のウイルスには無効 | ホルマリンの存在は殺菌力を減少させる。 70%が至適濃度 |
酸化エチレン (エチレンオキサイド) | ガス減菌 |
ここでのポイント
- ホルマリンは刺激性がある。芽胞やウイルスなどほとんどの微生物に有効
- クレゾ―ルは臭いがあるため食器には適さない。
- エタノ―ルは芽胞や一部のウイルスに無効
- 逆性石鹸は手指、ガラス器、金属器具に適する。
水銀とカドミウムの問題
試験ではよく水銀とカドミウムの問題も出題されますが、良く間違いやすいのでここで今まで出題された問題を掲載いたします。
これは、覚えましょう。
水銀
- 有機水銀のメチル水銀が水俣湾周辺の公共水域を汚染し、水俣病の原因となった。
- 急性中毒は口内炎、下痢、腎障害などがみられる。
- 慢性中毒では貧血白血球減少を起こし、過剰に摂取すると大脳に蓄積して、中枢神経の障害を起こし、手足の知覚喪失、精神以上となる。
- 一般に、有機水銀と無機水銀に分けられる。
- 有機水銀は、生物濃縮を起こすことが知られている。
- 水銀及びその化合物は、水道法に基づく水質基準項目の一つである。
- 富山県の神通川流域に発生したイタイイタイ病の原因となった。
- 腎臓に過剰に蓄積すると、尿細胞の障害を起こり、蛋白尿などの症状を示す。
- カルシウムやリンの再吸収障害による骨障害を起こす。
- 合金、塗料、電池等の用途に用いられる。
- 水道法に基づいて定められる、水道により供給される水の水質基準の基準項目に含まれる。
- 水質汚濁防止法に基づいて定められる、健康に係わる有害物質についての排水基準の基準項目に含まれている。
- 環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準において、人の健康に関する環境基準の項目に含まれている。