ビル管理士総合情報.com

当サイトはビル管理士及びビル管理士試験の資格の取得を
目指す方及びこの仕事に従事する方の役立つ情報を提供します。

お問い合わせ  掲示板

メモにお使いください。

建築物の環境衛生4

ホルムアルデヒド

ホルムアルデヒドは新築の住宅や家具類の接着剤から発散します。
それにより、シックハウス症候群が多発しました。(1990年代)

従って、ビル管理法では空気環境測定の測定項目に

新築、増築、大規模の修繕又は大規模の模様替えを完了し、その使用を開始した時点から直近の6月1日から9月30日までの間に1回実施することと定義されています。


上記ことがら丸暗記すること。
濃度の影響
濃度[ppm]影響
0.01結膜の刺激
0.03~0.05中程度の眼の刺激
0.08WHOの基準値
0.16~0.45眼・鼻・のどの灼熱感、角膜刺激症状
0.8臭気を感じる
1~3眼・鼻・のどの刺激、不快感
5~10眼・鼻・のどの強い刺激、軽い流涙
15~20咳・深呼吸困難
50以上深部気道障害、肺水腫

過去に出題された問題

窒素酸化物

窒素酸化物はNO、とNO2がある。
物質が高温で燃焼する際に、空気や物質中に含まれる窒素が空気中の酸素と反応して生成されるものが窒素酸化物であり、工場・事業場の燃焼施設やディーゼルエンジンが主な発生源である。
発生源から排出される際には大部分が一酸化窒素(NO)であり、排出後に空気中の酸素と結合して二酸化窒素(NO2となる。
従って一酸化窒素は直ぐ酸素と結合して二酸化窒素になるので大気汚染等で問題になるのは二酸化窒素の方です。 NO2の大気汚染にかかる環境規準は0.04~0.06ppm以下である。
窒素酸化物は刺激性が強く、非水溶性のため吸入すると肺の奥まで達する。
毒性が強く高濃度の場合は、目や鼻、のどを強く刺激する
窒素酸化物は独特の臭いがする。
一酸化窒素のヘモグロビン親和力は、一酸化炭素の1400倍ともいわれ、一酸化窒素ヘモグロビンを形成する。

二酸化硫黄

無色の気体。重油、軽油、石炭等で発生
濃度の影響

濃度[ppm]症状
0.1~1臭気を感じる。
2~3特有の刺激臭(刺激臭となり不快臭を覚える。)
5~10粘膜刺激作用で咳、咽頭痛、喘息(鼻やのどに刺激があり咳がでる。)
20目への刺激症状(目に刺激を感じ、咳がひどくなる。)
400~500呼吸困難、死亡


大気汚染に係る環境基準は1時間値の1日平均が0.04ppm以下、1時間値が0.1ppm以下であること。
二酸化硫黄は吸着性が強いので、室内濃度は外気濃度の数分の1以下である。一般に、外気の方が濃度が高いが、室内で開放型の石油スト―ブ等を使用すると、 室内の方が濃度が高くなることがある。

オゾン

オゾンは光化学オキシダントの主成分であり、独特の刺激臭を持った青い気体で 水に溶けにくく肺の奥まで侵入する。
落雷や放電でもオゾンは発生するが、人間の環境に影響する大部分のオゾンは自動車やその他燃焼過程の排気ガス中に含まれている炭化水素と窒素酸化物の光化学 反応の結果として生成される。
室内のオゾン量に重要な影響を与えそうな発生源が、高電圧を利用したコピ―機、レ―ザ―プリンタ―、コロナ放電を伴う静電式空気清浄機である。
オゾンは酸化力の強い物質で、オゾン濃度が0.3~0.5ppm程度となると肺や気道粘膜に刺激し始める。


過去に出題された問題

アスベスト

アスベストは、自然界に存在する水和化したケイ酸塩鉱物の総称である。
発がん性があり、かつては使われていたが、現在は製造が禁止されている。
アスベストの繊維は極めて細く、飛散すると呼吸器系に入り、肺線維症、悪性中皮膚の原因となる。肺癌を起こす恐れがある。
クリソタイル、アモサイト、クロシドライト等の種類がある。


揮発性有機化合物(VOC)

揮発する有機化合物の総称。種類が極めて多い。

種類
ベンゼン、パラジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、トリクロロエチレン、エチルベンゼン
酢酸エチル、アセドアルデヒド、フタル酸ジブジル、スチレン、ジエチルアミンなど
トルエン、ベンゼン、フロン類など洗浄剤や溶剤、燃料として、幅広く使用されているが大気中や水中などへ放出されると、健康障害を引き起こす恐れがある。(シックハウス症候群の原因といわれる。)

WHOの分類
沸点名称略称
0℃以下から50~100℃高揮性有機化合物VVOC
50~100℃から240~260℃揮性有機化合物VOC
240~260℃から400℃準揮性有機化合物SVOC
380℃以上粒子状有機化合物POM

汚染物質の例

汚染物質主な発生源人体への影響
ホルムアルデヒド建材材料(接着剤、内装材)目、鼻、喉の刺激
硫黄酸化物排ガス、燃焼器具、石油スト―ブ喘息、粘膜刺激
窒素酸化物排ガス、燃焼器具、ディ―ゼルエンジン気管支炎、呼吸器障害
アスベスト断熱材肺がん、肺気腫、中皮腫
ラドン土壌肺がん
VOC洗浄剤や溶剤シックビル症候群
一酸化炭素燃焼器具(不完全燃焼)一酸化炭素中毒
オゾンコピ―機気道粘膜刺激
たばこ煙喫煙慢性閉塞性肺疾患(COPD)
ハウスダスト粉じん、ダニ喘息、アレルギ―疾患
微生物(細菌、カビ類)超音波加湿器過敏性肺炎
パラジクロロベンゼン防虫剤,トイレの消臭ブロック目眩、頭痛、肝臓障害を起こす

微生物

微生物とは目で見ることのできない生物のことを言います。
主な微生物に細菌と真菌があります。

室内に存在する細菌や真菌は多種多様であり、それらの中には極めて毒性の強いものがあるが、量的には少ない。

真菌はエアロゾルや結露に伴って人体に侵入しアレルギ―の原因となることがある。
室内の管理が不十分であると、超音波式加湿器やル―ムク―ラ等は感染性の微生物を増殖した後、エアロゾルとして発生させる恐れがある。
従って、空気調和機内は、微生物の増殖にとって好環境である。

結露した壁等には真菌がみられる。

一般に、室内の微生物濃度は屋外の濃度と無関係である。

これ重要です。

細菌・真菌とも地下街のほうが微生物濃度が高い。
事務所建築物の室内では、浮遊真菌濃度より浮遊細菌濃度の方が高い。

これも、覚えましょう。
真菌より細菌が高い。高いのは細菌ですよ

アレルギ―

近年、アレルギ―性鼻炎、花粉症、アトピ―皮膚炎、気管支喘息をはじめとするアレルギ―疾患が増加しており、国民の3割程度が何らかのアレルギ―疾患に罹患しているといわれている。

  • アレルギ―とは、特定の抗原(体内に侵入した異物)=アレルゲンによって、その抗原に特異的に結合(攻撃)する抗体(免疫グロブリンと呼ばれるたんぱく質)やリンパ球が体内に生じる。 これを抗原抗体反応、あるいは免疫反応という。そのうち、人に有害な免疫反応をアレルギ―と呼んでいる。
  • アレルギ―体質者は、通常すべてのアレルゲンに反応するのではなく、1つあるいは数種の特定のアレルゲンに対してのみ反応する。アレルゲンは他の汚染物質と異なり量―反応関係が確立されていない。 アレルギ―の発症、増悪(病態の急な悪化、発作)には患者の素因が関係している。アレルゲンの同定は、症状発生の防止、治療上重要である。

    アレルゲン

    真菌(カビ)、花粉、ペットの毛、ゴキブリの虫体などほとんどの有機粉じんはアレルゲンとなるが、最も多いのはヒョウヒダニ等の屋内塵性のダニ由来の粉じんである。

    アレルゲンとなる真菌類としては、カンジダ、アルテルナリア、グラドスポリウム、アスベルギルス、ペニシリウムなどがある。

    アレルゲンとはアレルギ―疾患を持っている人の抗体と特異的に反応する抗原のこと。

    アレルゲン対策

    アレルゲン対策としては、室内の温湿度を適正にして、ダニ、真菌の増殖を防ぐ。
    ダニの増殖を促すカ―ペット等を必要以上に使用しない。清掃の励行等の建築物の維持管理における配慮が必要である。

    ただし、アトピ―性皮膚炎や気管支喘息の患者では、低湿度が悪化因子となりうるので適切な温湿度管理が必要である。 空気中に浮遊しているアレルゲンの主要なものはダニアレルゲンである。
    気管支喘息の原因となるアレルゲンは主にヒョウヒダニである。

    これ重要です。

    ダニは高温多湿になる夏に多いので、アレルゲン量はダニの死骸や糞等が蓄積された秋に最大になる。

    (重要)ダニは梅雨の時期が一番活動が活発になります。 秋にダニによるアレルギ―が増える理由は、6月~7月にかけて増えたダニが、 9月に気温・湿度が下がることで大量に死ぬことにより、その死骸が増えるのが原因と言われて います。 ダニ・カビ・ペット・花粉アレルギ―は粒子物質としてみた場合、その大部分は数μmの大きさで、エアフィルタによる除去が有効であると考えられている。

    過敏性肺炎

    有機粉じんの吸入により、肺の間質(肺胞、気管支、毛細血管を取り囲んでつなぐ組織)に病変がおきる間質性疾患である。

    家庭やオフィスで加湿器や空気調和設備に増殖した好熱性放線菌や、真菌その他の粒子が抗原となるので、換気装置性肺炎ともよばれる。
    急性と慢性がある。

    特に夏に増殖する。高温高湿で日当たりが悪く、換気状態の悪い家屋で増殖する真菌(トリコスポロン)によって発症するものは夏型過敏性肺炎と呼ばれる。
    発生時の対策と予防上最も重要なことは、環境からの抗原の除去であり、そのために貯水槽やフィルタの清掃や消毒を頻回に行い、空気調和設備や加湿器が微生物で汚染されるのを防止する。

    ペ―ジのトップへ戻る