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建築物の環境衛生2

快適温度

多くの実験から平均皮膚温と温冷感申告には、皮膚温が低いと寒い、皮膚温が高いと暑いと感じる一次相関が見られることが多い。 平均皮膚温は通常は33℃~34℃程度で、35℃を超えると暑さを感じ、31℃を下回ると寒さによる不快感を感じる。
局所温冷感に関しては、手の皮膚温が20℃以下となると不快な冷たさを感じ、15℃以下では極限の冷たさを感じ、10℃以下まで下がると痛みを感じるとされている。
ちなみに足では手より約3℃高い皮膚温で同じ症状が出る。

ポイント・・・・
  • 平均皮膚温・・・・33℃~34℃
  • 暑さを感じる・・・35℃
  • 寒さを感じる・・・31℃
  • 不快な冷たさ・・・21℃
  • 極限・・・・・・・15℃
  • 痛み・・・・・・・10℃


快適性に影響する因子
環境因子 人間側の因子

性による快適温度

多くの調査により、女性の快適温度は男性よりも1~2℃高いと報告されている。
原因としてはオフィス内では女性は男性より薄着であること。
女性の低い基礎代謝や低い皮膚温等が考えられている。

高齢者の快適温度

高齢者の快適温度の問題も良く出題されます。

高齢者は身体活動量が少なく、また代謝量も少ないため、一般に若年者より暖かい室温を好むとされている。一方、冬期の住宅内の温度測定してみると、 高齢者の室温は若年者と比較して低い場合が多い。
この原因として、高齢者の寒さに対する感受性の低下が考えられ、そして感受性の低下の原因としては、皮膚からの温度情報の減少が一因であると考えられている。

同時に測定した深部体温は、高齢者の方が低くなっている。特に、深部体温が35℃未満を低体温症と呼ぶが、高齢者はこの低体温症に陥りやすい。

上記項目は覚えましょう。

温熱環境指数

温熱環境指数は、人間が感じる温熱環境の感覚に対応するように作られた、物理量に基づく体感温度を表す指標である。
その基礎となるものは、人間の暑さ寒さに影響を与える温熱環境要素である。

エネルギー代謝量、着衣量、気流、湿度、空気温度、放射温度の6つを人体の熱的快適感に影響する主要な温熱環境要素という。

人間はこれらの温熱環境要素を個々に区別して暑い寒いと感じているわけではなく、それらを複合した結果を感じている。
温度環境指数乾球温度・湿球温度・気流
有効温度乾球温度・湿球温度・気流
修正有効温度黒球温度・湿球温度・気流
作用温度乾球温度、気流平均ふく射温度(MRT)
不快指数乾球温度・湿球温度もしくは相対湿度
新有効温度乾球温度・湿球温度・黒球温度・気流エネルギー代謝量・着衣量
WBGT指数乾球温度・湿球温度・黒球温度

体感温度を示すおもな温熱環境指数

測定器を用いて計測した示度を指標とする指数湿球温度、カタ冷却力、黒球温度
実験・経験に基づく指数有効温度、修正有効温度、不快指数、湿球黒球温度(WBGT)
熱平衡式に基づく指数作用温度、予測平均温冷感申告(PMV)、新有効温度

ということになる。
グロ―ブ温度計によって測定される温度を黒球温度という。

このことは覚えておきましょう。
このことを覚えておけば、Tgは黒球温度となんとなくわかると思う。

Tgのgがglobe(グロ―ブのこと)

WBGT指数とは屋内外での暑熱作業時の暑熱ストレスの評価に用いられる。
乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って算定される。

WBGTの算出方法

発汗

汗をかくことを発汗という。
汗腺には実際に汗を出す能動汗腺と汗を出さない不能汗腺がある。

汗腺には があり、暑い時にかく汗はエクリン線から分泌される。汗をかくことで体温の上昇を防ぐ。

熱中症

人は恒温動物であり、体温は調節機構により通常は37℃付近に維持されるが、何らかの原因により調節不全または調節不能の状態を来し、異常な体温上昇や 循環不全、電解質異常を来すことにより生じる障害を総称して熱中症という。

重症例では、脳内温度の上昇で体温中枢の機能低下、更に体温上昇の悪循環の結果、急激な体温上昇で死に至る。深部温度は41~43℃に達する。頭重、あくび、めまい、視力障碍、四肢運動困難、 体温上昇、嗜眠、けいれん、精神錯乱等の症状が起こる。

従って予防が第一である。

発症してしまった場合には迅速・適確な対応が肝要である。

熱中症の種類は下記表に示す通りです。

(軽症)熱失神皮膚血管の拡張により血圧が低下し、脳血流が減少して起こる一過性の意識消失
熱けいれん低Na血症による筋肉のけいれんが起こった状態
(中等症)熱疲労大量の汗により脱水状態となり、全身倦怠感、脱力、めまい、頭痛、吐気、下痢などの症状が出現する状態
(重症)熱射病体温上昇のため中枢神経機能が異常をきたした状態
日射病上記の中で太陽光が原因で起こるもの

熱失神

長時間、頭頚部が直射日光に曝されることにより抹消血管の拡張を生じ、相対的な体循環血液の減少を来して、めまいや失神が起こることがある。
また、、高温多湿時に急に激しい運動を始めたり、逆に激しい運動をしていたのを急に休止したりした場合、めまいや失神を来すことがある。

熱けいれん

熱の放射時の過剰な発汗により身体から水分と塩分(主にナトリウム)が失われる。その際、水分を大量に摂取すると、塩分が薄まり、有痛性の 筋収縮が生じることがある。これを熱けいれんという。

熱疲労

高温高湿の環境下に長時間居ることにより大量の発汗を来し、体内の水分や塩分が不足することに加え、全身的な循環不全にによる重要諸臓器の機能低下 によるものと考えられる。異常なほど汗をかきながらも、皮膚は青白くてじっとりし、強い疲労感や頭痛、めまい、吐き気、強い口の渇きなどの兆候が特徴である。

熱疲労は細胞外液の浸透圧が上昇し、細胞内から水分が細胞外に移動することにより細胞内脱水の状態となっている。このことが熱疲労での症状の原因となっていると考えられる。
暑さに慣れない中での急激な運動や肉体労働、また、乳幼児や衰弱した高齢者などに起こりやすい。熱疲労に気付いたら、すぐに涼しいところへ移動させ、服をゆるめて安静とし、水分補給を開始する。

熱射病

熱射病は、大脳の体温調節中枢が熱によって障害された状態で引き起こされる最も重い温熱障害である。体温が40℃以上であることと脳障害の症状があることが特徴である。
体温調節中枢の機能に障害を来しているため、自力での体温調節ができず、体温が急激に上昇し、危険なレベルまで達する。

熱射病の治療は、全身の冷却が第一であるが冷やし過ぎには十分に注意する。

日射病

熱射病の病態にあって、太陽光が原因で起こったものが日射病とされている。


ここでのポイントはとにかく熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病、日射病の特徴は覚えましょう。
最近出題の頻度が高くなっております。
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