防除に用いる機器
ULV機
粒子は5~20μm高濃度の薬剤を少量処理するのに用いられる。
専用の水性乳剤を、原液のまま、あるいは2~4倍に希釈して使用する。
残留効果は期待できない。
散粉機
そのままの通り、粉剤を散布する機械。
煙霧機
0.1~50μmの粒子を作り出す。室内空間に薬剤を処理する場合に用いる。
蚊やチョウバエの成虫の防除に用いられる。
三兼機
油剤・粒剤・粉剤兼用の散布機である。
ライトトラップ
誘虫灯に誘引された走光性の昆虫をファンの吸引により捕集ネットや粘着シ―トに付着させる。
電撃式殺虫機
走光性のもつ(光に向かう性質を持つ)昆虫の防除に用いる。
3700Aの短波長誘虫灯に引き寄せられた昆虫は22000Vの高圧電流に触れて感電死する。
屋内に害虫を呼び込まないように窓際や出入り口から離して設置する。
防除に用いる薬剤
油剤
油剤は有効成分を灯油(ケロシン)に溶かしたものが多い。
有効成分は1%程度の物が多い。そのまま使用できる便利さがある。
直接散布する空間処理、残留処理以外に煙霧などに用いる。
引火性があるので火気に注意が必要。
粒剤
有効成分を基材に混ぜて粒状にしたもの。水面に浮かせるもの、水中に沈めて使用するものがある。
有効成分がゆっくり溶け出して効果を持続する。
乳剤
原体を有機溶剤に溶かして乳化剤を加えたもので、使用時に水で希釈して使う。
白濁するものが多い。刺激性、引火性は低い。
燻煙剤
ジクロスポスやピレスロイドなど、速効性と致死効力が高い薬剤を助燃剤によって燃焼させ 、煙として屋内に飛散させ、飛翔性昆虫を殺虫する。蚊取り線香など
食毒剤
有効成分を餌材に混合して、食毒(ベイト)として、使用される。
殺虫剤の成分による分類
殺虫剤の成分には有機リン剤、ピレスロイド剤、IGR剤(昆虫成長制御剤)などに分類される。
有機リン剤
- 一度ノックダウンした虫は蘇生することなくそのまま死亡する傾向が強い。
- 比較的速効性で残効性もあり、多くの害虫に有効である。
- 急性毒性が高く、蓄積性、慢性毒性は高くない。
- 有機リン剤には化学構造的に対称型と非対称型が存在する。
- 最近ではイエバエを初め多くの害虫に高い抵抗性が見られる。
ピレスロイド剤
- 除虫菊の有効成分ピレトリンに似た合成物質
- 速効性があり、ノックアウト効果に優れている。(仰天させること)
- いったんノックダウンされた害虫が蘇生することがある。(再び動き出しよみがえる。)
- 忌避性も認められるので、飛翔昆虫や吸血昆虫に対する実用性も高い。
- ピレスロイド剤には追い出し効果(フラッシング効果)がある。