- 作業計画作成にあたっては、仕様書を理解して作業量要因数(床であれば面積m2、ドアであれば枚数等)を調査し、作業標準時間に基づいて、個々の作業時間を算出する。これを、時間帯別に集計し、 必要人員を割り出して作業の編成を行う。
- 作業にあたっては、ムリ、ムダ、ムラがないかに留意する。
- 季節や天候、曜日等を考慮した計画を立てることも必要である。
- 作業改善や仕様、作業環境の変更があった場合には修正を加え、常に実状に見合った作業計画にすることが、よりよい作業管理につながる。
作業標準時間
作業標準時間は、所定の作業環境条件の下で、一定の資機材を使用して一定の作業方法で、よく慣れた標準的な労働者が、適正な努力で行う条件下における作業時間を基準とする。
作業手順書
作業手順書とは、一つ一つの作業のマニュアルである。作業名、行うべき作業項目、作業手順、使用資機材と数量、注意事項、作業終了後の品質状態等を記載したもの。
作業頻度
作業頻度、大きく分けて日常清掃、定期清掃、臨時清掃に分かれる。
- 日常清掃
- 1日1回以上行う清掃
- 定期清掃
- 週一回、月一回など一定の間隔において行う作業。
- 臨時清掃
- 予定外の清掃(事務所移転に伴う清掃、普段清掃しない場所で汚れが目立つ箇所の清掃のなど)
管理区域
共用区域 | 玄関、出入口、エレベ―タ、ロビ―、廊下、階段、トイレ |
専用区域 | 事務室、会議室、役員室等 |
管理用区域 | 電気室、機械室、守衛室、更衣室など |
外装・外周区域 | 壁、窓ガラス、通路、植栽 |
スケジュ―ル管理
- スケジュ―ル管理は、作業計画、作業予定にムダ、ムラ、ムリがないかを点検し、これらの排除に努める。
- スケジュ―ル管理は、マスタとなる作業計画に従い作成された、日々の日常あるいは定期作業の予定を時間内に消化することである。
- 月間作業実施記録をとる。作業に関する分析となり、スケジュ―ル通りに作業が実施されたとしても、作業時間の設定や効率化 の為に反映させることである。
安全衛生管理
高所作業の安全管理
- ヘルメットや安全帯の着用
- 作業着はシンプルな着衣、滑りにくい靴を履く
- 高所作業では資機材の落下防止に努める。
- 十分な足場、照明を確保して無理な姿勢で作業をしない。
- 足場、ロ―リングタワ―、はしご、脚立'等は適正な使用方法に従って使用する。
- 脚立の踏み面は、労働安全衛生法に従って、作業を安全に行うため必要な面積を有すること。
- 上下で作業する場合は、十分連絡を取りながら作業をする。
- 第三者の安全確保のため、とらロ―プ等を用いて作業範囲を確保する。
転倒事故の防止
- 床洗浄場所に、事前に作業表示板を立て、第三者の立ち入りを禁止する。
- 作業者は、滑りにくい作業靴や滑り止めカバ―を使用する。
- 出入口やコ―ナ―(曲がり角)では、対面者との衝突・接触事故に注意する。
- 通路確保のため周辺を整理整頓して作業にあたる。
- 走ったり、ポケットに手を入れての作業は大変危険です。
- 使用する機械、器具を乱雑に置くと足元が危険である。
清掃における衛生管理
- 使用後のモップ、ウエス等の清掃用具は、よく水洗いし、水切りした後、直ちに乾燥して風通しのよい場所に保管する。いつまでも湿ったまま放置したり、狭い収納箱に清掃用具を重ねて保管しない。
- 作業終了後は、兼用石けんなどで手洗いを行い、必要に応じて手指の消毒を行う。
- 真空掃除機の集じん袋などを手入れする場合には粉じんを吸入しないように防じんマスクなどを着用する。
作業品質と組織品質
建築物の各場所の衛生性、保全性、美観性を評価する「作業品質」と、それを実現し支える現場や本部の組織管理体制を 評価する「組織品質」がある。
作業品質
作業品質は、作業結果の良否を対象として評価する。
組織品質
- 組織品質は、企業の組織管理体制が重要な要素となる。
- 組織品質がしっかりしていれば、作業の進め方や作業技術、作業従事者のモチべ―ション等が違ってくる。その結果同一の仕事であっても、出来上がる品質に相当の 違いが出てくる。これは、単に企業の規模や経営状態、あるいは資格者の数等で推し量れない。
- 組織品質には、従事者の感じのよさ(マナ―)も大きな要素として含まれる。
品質の評価
- 評価方法には、 測定機器(光沢度計等)を使用する検査と、目視等による官能検査とがある。清掃作業の点検は、基本的に目視点検で行う。
- 作業仕様が全く同じでも、作業品質は異なる可能性がある。
- 評価者は、業務に精通していることが望ましい。
- 評価範囲は、汚染度の高い個所に重点を置いて行う。
- 評価は、利用者の立場になって行う。
- 管理者などが評価を行う場合は、四半期ごとに1回行うことが適当である。
- 業務改善には、応急的処置ですむものと根本的処置を要するものがある。
- 建築物清掃の改善の着眼点は、快適環境となっているかに着眼して、改善点を見出す。 仕様書や作業基準表に限定せず、建築物全体を対象として、美観は保持されているか、安全性 は確保されているか等の実態分析を行う。