- 貯水槽とは、水を貯める施設・設備のこと。受水槽、高置水槽、圧力水槽に大別される。
- 貯水槽は、建築物の躯体を利用した構造としてはならない。
- 外部から6面が点検できるように周囲には壁、床からは60cm、貯水槽から室の天井まで100cm以上が確保されていなければならない。
- 貯水槽の天井には雨水や洗浄水が停滞しないように1/100以上の勾配をつける。
- 貯水槽は外部からの汚染物質の流入、侵入が防止される構造としなければいけない。
- 貯水槽の設置位置は、排水などがオ―バ―フロ―管などを介して水槽内に逆流しない高さとする。
- 貯水槽の本体や内面の塗料は、溶け出たり腐食して水質に悪影響を与えないようにする。
- 水の流入管は吐出口空間をとって開放し、オ―バ―フロ―管や水抜き管などの排水管は150mm以上の排水口空間をとって間接排水とする。
- 貯水槽のオ―バ―フロ―管は、通気管には弁を設けてはならない。また虫の侵入を防ぐためオ―バ―フロ―管には防虫網を設ける。防虫網は12メッシュ以上程度とし、配管の有効断面積 を縮小されないように注意する。
- 高置水槽は地震時に大きな地震力を受けるので、十分な耐震措置が必要。
貯水槽の種類
貯水槽の種類はFRP製貯水槽、鋼板製貯水槽、ステンレス鋼板製貯水槽、木製貯水槽がある。
FRP製貯水槽
- FRP製貯水槽は軽量で施工性に富み、耐食性があり衛生的であるため、貯水槽の主流となっている。
- 藻類が繁殖しないように照度率は0.1%以下とする。
- FRP製貯水槽は、機械的強度が低い。
- 複合板構造のFRP製貯水槽は結露による問題がない。
- 経年変化による強度劣化があり、紫外線に弱い。
ステンレス鋼板製貯水槽
- 強度があり、普通鋼板に比べ板厚を薄くできる。また、重量も軽くでき外観もきれい。
- 耐食性に優れている。
- 塩素による気相部に腐食が発生することがある。
木製貯水槽
- 木製貯水槽は、堅ろうで狭い場所の搬入・現場組立が容易である。
- 断熱性に優れているため、結露の心配がほとんどない。
- 貯水槽の形状が円形及び楕円形に限定される。
鋼板製貯水槽
- 加工性に優れ、価格も安い
- 機械的強度も強い。
- 耐震補強をする心配がない。
- 防錆処理被膜を毎年点検する必要がある。
- 防錆処理被膜が破壊されると、本体の鉄の腐食が進行する。
配管と弁類
銅管
- 接合は差し込みろう接合
- 潰食・腐食
- 青水の原因となる銅イオンの溶出が継続するような場合は、水質によって酸化保護被膜が形成されていないことが考えられる。水質の改善が必要になる場合がある。
ステンレス鋼管
- 接合はメカニカル接合とTIG溶接
- TIG溶接とはアルゴン等の不活性ガスの雰囲気中でタングステン電極と溶接母材の間にア―クを発生させて溶接する。
- ステンレス鋼管は酸化保護被膜によって耐食性を有しているので、この酸化保護被膜が破壊されると孔食、隙間腐食、残留応力腐食、もらいさびによる腐食の恐れがある。
硬質ポリ塩化ビニル管
- 塩ビ管ともいう。
- 接合は接着剤
- 硬質ポリ塩化ビニル管は建築基準法により防火区画を貫通できる太さに制限がある。
亜鉛メxキ鋼管
赤水の原因となるため現在は給水管としては使用しない。
弁類
仕切弁(ゲ―トバルブともいう。)
弁体が管路を垂直に仕切るように開閉する。
開閉のみで流量調整ができない。
玉形弁
弁本体が玉形状で流れが直角に方向転換する部分に弁体がある。弁体は管路をふさぐように閉める。
流量調整に適している。
ボ―ル弁
管径と同径の通路を開けた弁本体にボ―ル(球)状の弁体を回転させ、管軸と通路が一致したときか開の状態で、それと90度回転した状態が閉となる。
抵抗が少なく流量調整ができる。
バタフライ弁
円筒型の弁本体内部で円板状の弁体を流れ方向に90度回転させて管路の開閉を行う。
仕切弁、玉形弁に比べ設置スペ―スが少なく安い。
流量調整機能がある。
スイング式逆止弁
逆止弁、チャッキ弁ともいう。
流体が一方向にしか流れないようする(逆流防止機能をもつ)
流量調整機能がある。
リフト式逆止弁
リフト式逆止弁は水平方向に設置すること。