水道の分類
水道事業
一般の需要に応じて、水道により水を供給する事業。
ただし、給水人口が100人以下である水道によるものを除く。
簡易水道事業
給水人口が5000人以下である水道により、水を供給する水道事業
専用水道
100人を超える者が寄宿舎、社宅などに居住。
1日の最大給水量が20m3を超える
簡易専用水道
貯水槽水道のうち、水槽の有効水量の合計が10m3を超えるもの。
貯水槽水道
水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみ水源とするものをいう。
水道施設
水道のための取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設、及び配水施設(専用水道にあっては、給水の施設を含むものとし、建築物に 設けられたものを除く)であって、当該水道事業者、水道用水供給事業者又は専用水道の設置者に属するものをいう。
水道法の定める簡易専用水道の維持管理について
- 水槽の清掃を1年以内ごとに1回定期に行うこと。
- 水槽の点検等、有害物、汚染等によって水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること。
- 給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、検査を行うこと。
- 1年以内ごとに1回、地方公共団体の機関または厚生労働大臣の登録を受けた者により、施設の管理が適正に行われているか否かについて検査を受けなくてはならない。
- 供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちに給水を停止、かつその水を使用することが危険であることを関係者に周知させる措置を講じなければならない。
- 水槽の有効水量の合計が10m3以下の施設の管理については、貯水槽水道として、水道事業者が定める供給規定の中で水道事業者及び当該貯水槽水道の設置者の責任に関する 事項を適正かつ明確に定めることとされている。
水質基準
- 一般細菌
- 1mLの検水で形成される集落数が100以下であること。
- 臭気
- 異常でないこと
- 大腸菌
- 検出されないこと
- 塩化物イオン
- 200mg/L以下であること
- 鉄及びその化合物
- 0.3mg/L以下であること
- 水銀及びその化合物
- 0.0005mg/L以下であること
- PH
- 5.8以上8.6以下であること
- 色度
- 5度以下であること
- 濁度
- 2度以下であること
- 味
- 異常でないこと
- 鉛及びその化合物
- 0.01mg/L以下であること
残留塩素の測定
飲料水、雑用水ともに7日以内に1回実施と定められている。
通常時の測定- 遊離残留塩素
- 100万分の0.1以上(0.1mg/L)
- 結合残留塩素
- 100万分の0.4以上(0.4mg/L)
- 遊離残留塩素
- 100万分の0.2以上(0.2mg/L)
- 結合残留塩素
- 100万分の1.5以上(1.5mg/L)
- 遊離残留塩素
- 100万分の0.2以上(0.2mg/L)
- 結合残留塩素
- 100万分の1.5以上(1.5mg/L)
給水方式
水道直結方式には直結直圧方式と 直結増圧方式に分類される
直結直圧方式
配水管の圧力によって直接各所に給水する方式。
配水管の水圧により揚水できる高さが決まる。
配水管から給水管に分岐する箇所での配水管の最小動水圧が150kPaを下らないこと(ただし、給水に支障がない場合は、この限りではない。)
直結増圧方式
タンクレスなので簡易専用水道に該当しない
増圧ポンプを設け、配水管の水圧に関係なく(中高層)の建築物に適用できる。
水道本管への逆流を防止する為の装置が必要。
10m3以下の小規模受水槽の建築物の方式として開発された
配水管の給水圧力の低下を防ぐため引き込み管径に制限があり危険物を扱う工場などは認められない場合がある。
高置水槽方式
受水槽と高置水槽を揚水ポンプでつないだ方式。
揚水ポンプは高置水槽の水位低下により起動するように制御されている。
給水箇所で圧力は安定しているが、 高層階で圧力が不足し、下層階で圧力が高くなる。(下にいくほど落差で圧が高くなる)
圧力水槽方式
受水槽内の水を給水ポンプにより、 圧力水槽におくり、圧力水槽内の空気を圧縮、加圧し、その圧力によって給水する方式。
ポンプは水の使用により水の水圧が低下したときに起動する。一定水圧になると自動でポンプは停止するように制御する。
給水箇所で圧力の変動があるのが欠点である。
現在はあまり採用されていない。
ポンプ直送方式
受水槽水を直送ポンプ(加圧ポンプ)で必要個所に直接給水する方式。
流量制御はポンプの台数制御、インバ―タ―(回転数制御)、などがある。
小流量時のポンプの起動・停止の頻度を少なくするための小型圧力水槽を設ける例がある。
配管
- 配管は凸凹配管を避け、上向き配管方式の場合は先上がり配管、下向き配管の場合は先下がり配管 とする。横引き管には1/300程度のこう配をつける。
- 給水管内の流速は0.9~1.2m/s(設計上の最高流速2.0m/s)とする。
- 給水管は浴室・便所・厨房等の防水層貫通はできるだけ避ける。
- 揚水管の横管は高置水槽に向かって上り勾配で配管する。
- 給水管と排水管が平行して埋設される場合には原則として両配管の水平間隔は500mm以上とし、給水管は排水管の上方に埋設する。
- 枝管の分岐は、上方に給水する場合は上取り出し、下方に給水する場合は下取り出しとする。
- 飲料水配管はほかの配管と識別できるようにしなければならない。他の配管(雑用水、汚水等)との誤接続を防止するために、管材質を変えたり表示を明確にする等の措置を講ずる。
- 立て配管は、地震による軸直角方向の過大な変形を抑制し、かつ、建築物の層間変位に追従するように耐震支持を行う。
- ウォ―タハンマ―の発生する恐れのある配管には、ウォ―タハンマ防止器具を取り付ける。
- ポンプに弁、配管を取り付ける際は。その荷重が直接ポンプにかからないように支持する。
給水圧力と給水量
高層建築物では、給水を1系統で行うと、下層階において給水圧力が過大になる。
そのため中間水槽や減圧弁を用いて上下の系統わけを行う。それをゾ―ニングという。
一般的にはホテル、住宅では0.3MPa、事務所・工場では0.5MPaを上限水圧とする。
- 一般水栓・・・・・・・30kP
- 大便器洗浄弁・・・・・・70kP
- 小便器洗浄弁・・・・・・70kP
- ガス瞬間湯沸かし器4~5号・・40kP
- ガス瞬間湯沸かし器7~16号・・50kP
- ガス瞬間湯沸かし器22~30号・・80kP
- シャワ―・・・・・・・・・70kP
給水量(1日あたりの設計給水量)
- 事務所・・・・・・・60~100L/人
- 総合病院・・・・・・1500~3500L/人
- ホテル客室・・・・・350~450L/床
- 飲食店・・・・・・・55~130L/客
- 小中学校・・・・・・70~100L/人
給湯量(1日あたりの設計給水量)
- 事務所・・・・・・・7.5~11.5L/(人・日)
- 総合病院・・・・・・150~200L(人・日)
- ホテル客室・・・・・75~150L/(人・日)