免震構造・制震構造・耐震補強
免震構造免震構造とは、地震力による揺れを建築物の上部構造に伝達しないように、建築物の基礎部等に免震装置を設置して、構造体の揺れを低減構造。
制震構造
制震構造とは、建築物の揺れを制御して、低減しようとするシステムの構造である。
耐震補強
耐震補強には強度 を高める方法と、変形能力を高める方法に分かれる。
筋かいは、骨組の壁面の垂直構面に入れる斜材、構面の変形を防ぎ、鋼性を高めるとともに地震力や風圧力に抵抗する
水平ブレ―スは、床面や屋根面のような水平構面に入れる斜材、構面の変形を防ぎ、鋼性を高めるとともに地震力や風圧力に抵抗する。建築材料
建築材料は大きく分けて構造材料と仕上げ材料に分けられる。
構造材料(木材)
木材の長所
- 軽量で加工しやすい
- 比重が小さい、熱伝導率が小さい
- 比重の割合に強度が大きい。じん性も比較的大きい。
- くぎなどによって簡単に接合ができる。
木材の短所
- 燃えやすい
- 吸水・吸湿性が大きい
- 虫の害を受けやすい。(シロアリ等)
- 節・繊維方向によって強度にばらつきが大きい。
- 腐朽しやすい
構造材料(コンクリ―ト)
コンクリ―トの長所
- 熱膨張係数が鋼鉄とほぼ等しい
- 圧縮強度が大きい
- 耐久性、耐火性に優れる
- 鋼材の防錆力が大きい
- 部材の形状が自由にできる
- 経済的
コンクリ―トの短所
- 500度以上の高温で強度が低下する
- 引張強度が小さい
- 自重が大きい
- 伸びが小さい
- 硬化時に収縮亀裂が生じやすい
コンクリ―トの原料
セメント・水・砂・砂利
モルタル
セメント・水・砂を練り混ぜたもの
コンクリ―トの中性化
コンクリ―トはアルカリ性であるが空気中の炭酸ガスの影響で次第に中性化していく。
コンクリ―ト劣化の大きな原因の 一つになっています。
コンクリ―トのクレ―プ現象
コンクリ―トに長時間、圧縮力が作用するとコンクリ―トが歪む。この現象のこと
コンクリ―トのクレ―プ現象
金属材料
鉄
- 鋼は炭素の含有量が増加すると引張強度は高くなるが伸びや靭性、溶接性が低下、もろくなる。
- 鋼材は500℃に熱せられると強度が半分以下になる。
- 鉄鋼の鋼は炭素の含有量が増加すると熱膨張係数はコンクリ―トとほぼ等しい。この性質がなければ鉄筋コンクリ―トは不可能
- 鋼鉄・鉄筋はコンクリ―トとともに主要材料である。一般的な物理的性質は、比重7.86~7.80、熱伝導率は48~311(W/m・K)である
銅
銅の特徴は、展延性に富み加工しやすいことである。空気中二酸化炭素によって生ずる緑青が表面保護膜となる等である。
その他
鋼板にすずめっきしたものをブリキ、亜鉛めっきしたものをトタンと呼ぶ。
その他の建築材料
ガラスの主原料は珪砂で、主成分はケイ酸(SO2)である。
板ガラスは不燃材料であるが、部分的に加熱されると破壊しやすく、また550℃内外で軟化してしまうので、火の侵入は防げない。
エレベ―タ、エスカレ―タ設備
現在のエレベ―タはロ―プ式と油圧式に分かれる。
ロ―プ式
ロ―プ式エレベ―タは走行機の速度制御が広範囲にわたって可能なため、中高層、超高層建築物で多用されている。
油圧式
油圧式エレベ―タは、低速エレベ―タが適当な共同住宅、あるいは大規模な事務所建築物の1階と地下駐車場を連絡する箇所等、比較的昇降工程の短い場所に使用される。
非常用エレベ―タ―
- 建築基準法によって、高さ31mを超える建築物には、非常用の昇降機を設けなけなければならないと定められている。
- 非常用エレベ―タは、平常時は通常のエレベ―タとして使用されるが火災時には消防隊が優先される
- 非常用エレベ―タは停電時にも使えるように予備電源の設備が備わり、火災時には使用中の呼び戻しやかごを開いたままの使用が可能。かごは消防隊の活動に適する大きさとなっている。
エスカレ―タ設備
エスカレ―タの種類は踏段幅から、600mm程度の幅狭形(S600型)と、1000mm程度の幅広型(S1000型)に大別される。
30°< 勾配 <= 35°の場合は30m/分以下
防火設備
建築物の火災性状
火災の三要素
- 酸素
- 可燃物の存在
- 点火エネルギ―
火災の成長は 火災は出火・初期火災・フラッシュオ―バ―・火盛り期と成長する。
フラッシュオ―バ―
着火物の燃焼により生じ、天井付近に溜まった可燃ガスが、空気と混合して燃焼範囲に入った時、一時的に引火して大きな炎となり、室全体に炎が回る状態になる現象
消防用設備の分類
- 消防の用に供する設備
- 建築物関係者や自衛消防組織
- 消火活動上必要な施設
- 公設消防隊(プロの消防隊)
消火活動上必要な施設
- 排煙設備
- 連結散水設備
- 連結送水管
- 非常コンセント設備
- 無線通信補助設備
熱感知器
- 差動式
- 周辺温度の上昇率が一定以上になると作動する。
- 定温式
- 周辺温度が一定以上になると作動する。
- 補償式
煙感知器
- イオン化式
- 光電式
煙感知器は、熱感知器に比べて火災の初期に起きやすいくん焼状態で作動するもので火災の早期感知に適している
炎感知器
- 赤外線式
- 紫外線式
- 紫外線式赤外線式併用式
炎感知器は火災の炎の紫外線や熱線(赤外線)の強度が一定以上になると作動。
炎感知器は、アトリウムや大型ド―ム等の高天井の場所に適している。