日射を考慮した建築計画
- 最も日射受熱が大きいのは水平面(ピ―クで約900W/m2)である
- 夏期における建築物の日射受熱を減少させ、冷房負荷を小さくする観点からは、東西の壁面・窓面はなるべく小さく、南の 壁面・窓面は大きくとるほうが有利である。
- 建築物の西側諸室の方が温熱環境化的に厳しい条件下にあるので、 日射遮へい対策も重点的に施す必要がある。
冬至の時期
- 南壁面(ピ―クで800W/m2弱、1日で約5kW/m2日)の日射受熱が最も大きい。
- 暖房負荷を減ずる観点からも、南面を大きくし、東西面をなるべく小さくした方が有利である。
その他
- 南向き鉛直壁面の1日に受ける日射受熱量は、夏至の日よりも冬至の日のほうが圧倒的に多い
- 夏至の日に南向き鉛直壁面が1日に受ける日射受熱量は、緯度が高い地域ほど多い。
設計図面
設計図面は意匠図面、構造図面、設備図面に大別される。
配置図
建築物と敷地の関係を示す
平面図
部屋の配置を平面的に示す
立面図
外観図ともいう。東西南北に面する4面を描く
断面図
建築物を垂直に切断して内部の立面を示す。主要部を2面以上描く
天井伏図(ふせず)
天井の意匠や仕上げ、照明器具、空調器具の大きさ、配置を示す
仕様書
建築工事における材料や製品の品質、性能、施工方法、製造者等を指示するもの
現寸図
意匠的に又は構造的に複雑な部分を現尺で描く図面。現寸図は建築基準法に定める設計図書に含まれない。
透視図
雰囲気や空間の構成を理解しやすいように建築内部を透視して描いた図
日影図
冬至における日照状態を描く
建築物の設計者
建築物の計画・設計は設計者によって行われる。
主に一級建築士、二級建築士、木造建築士の三種がある。
- 一級建築士・・・・・・・国土交通大臣免許
- 二級建築士、木造建築士・・・都道府県知事免許
建築生産
建築生産は、一般の製造業が見込み生産、大量生産、工場生産であるのと異なり 注文生産、一品生産、現場生産が多い。
施工方式には直営方式、請負方式、実費生産方式があり、おもに請負方式が多い。
請負方式とは、一式請負(一括)、分割請負、ジョイントベンチャ―(共同企業体)がある。コア
コアとは建築物において、便所、エレベ―タ、階段等の共用スペ―ス、設備スペ―ス、構造用耐力壁等を集約した部分で、片寄せコア、センタ―コア、複数コアがある。
片寄せコア
高層建築物には不適。床面積が大きくなる避難施設、設備シャフトが必要。
センタ―コア
垂直導線にエレベ―タ2基と階段2箇所が必要。高層、超高層ビルはほとんどこの型である。
複数コア
2方向避難には理想的で、防災上有利な構造
ラ―メン構造
柱とはりが剛で接合された骨組
応力としては、柱には曲げモ―メント、せん断力、軸方向力、梁材には曲げモ―メントとせん断力が生じる。シェル構造
ほとんどの応力を面内力として伝達させる構造である。
大スパンに適している。トラス構造
部材の応力は軸方向力のみ生じる構造である。
大スパン空間に適応する。ア―チ構造
全体をア―チ状に構成する構造である。
応力は曲げモ―メント、せん断力、軸方向が生じる構造である。壁式構造
梁、柱がなく、壁だけで構成される構造。構造体の外力に対する主要抵抗要素が板状の部材で構成されている。集合住宅によく用いられる。
耐力壁は通常の鉄筋コンクリ―ト構造の耐力壁以上の厚さとすることが定められている。
空気膜構造
構造体の内部と外部の空気圧の差により、膜面に張力、剛性を与え形状を得る構造形式
吊り構造
構造物の主な部分を支点から吊ることにより引張力となるような応力状態を作り出す形式