熱は通常は高いほうから低いほうへ移動する。これを伝熱という。
伝熱には 伝導・対流・放射に分けられる。- 放射
- 電磁波により起こる熱の移動。遠赤外線など。
- 伝導
- 同一物質または接触した物質同士の間で起こる固体間の熱移動。
- 対流
- 空気や液体が熱により移動。熱せられた空気が上方に移動するなど。
熱伝導率
個体中で、温度差により熱が伝わってゆく場合の熱の伝わりやすさを熱伝導率という。
一般に密度の大きい材料ほど熱伝導率が"大きく、同一材料でも温度が高いほど、また内部に湿気がを多く含むほど熱伝導率は高くなる傾向がある。結露の原理
室内において絶対湿度の空間的分布は比較的小さい。
絶対湿度に差がなくとも、温度の低い場所では湿り空気は冷却されて 相対湿度は上昇し、露点温度に達するとその中の水蒸気は飽和 して結露を始める。 物体の表面に結露を生じさせないためには、物体の表面温度をそれに接する空気の露点温度より高く保つ必要がある。結露対策
結露対策は表面結露と内部結露について分かれます。
表面結露
壁体表面が露点温度以下になると結露します。これが表面結露です。
表面結露対策
- 露点温度以下の場所を作らない。
- 適当な量の換気を入れる。
- 水蒸気の発生を抑える。
- 家具と壁の隙間等を作り気流を通す。
- 温度の分布を抑える。
- 窓には2重ガラスや断熱戸を入れる。
湿気伝導率とは
木材などの湿気の通りやすさ
内部結露対策
壁面の水蒸気圧の高い室内側に防湿層を設けることが有効である。
換気
主に以下の2つに分けられる。
- 室内空気と新鮮空気の入れ替え
- 汚染物質の除去
であるが細かく分けると以下になります。
- 酸素の供給
- 室内の燃焼機器の燃焼のため、必要酸素を室外から供給する。
- 熱の排除
- 厨房等の火気使用器具、工場の電動機類から発生する熱を室外に排除する。
- 水蒸気の排除
- 室内で発生する水蒸気、あるいは多湿の空気を室外に排出する。
- 室内空気浄化
- 室内で発生する粉じん、有害ガス、臭気等の汚染物質を室外に排出し、室外から清浄な空気を取り入れる。
- 通風の確保
- 気流によって在室者の体感温度を下げるとともに、室温上昇を抑制する。
換気回数と必要換気量
必要換気量は通常は、人体から発生する二酸化炭素を基準として必要換気量を求めることが多い。
良好な室内空気環境を維持するためには、1人当たり1時間につきおおむね30m3以上の換気量を確保することが必要であるが室内の二酸化炭素濃度が1000ppm以下であれば必要換気量を確保されていると見なすことができる。自然換気
換気扇などの動力を伴わない自然換気では、風圧力や室内外の温度差に起因する浮力によって換気が行われる。
- 自然換気は開口部が大きくとれて、比較的天井の高い建物に用いられる。
- 風力による換気量は、外部風速並びに有効開口面積に比例する。
- 開口部を通過する風量は、開口部前後の圧力差の平方根に比例する。
- 密度差は温度差に比例するので内外温度差による換気量は温度差の平方根にも比例する。
- 内外温度差による換気量は、開口部間の高さの差の平方根に比例する
- 内外温度差による換気は床に近い開口部が流入口、天井に近い開口部が流出口になる。
機械換気
機械換気は第一種機械換気、第二種機械換気、第三種機械換気に分けられます。その使用目的に合わせて換気することができます。
第一種機械換気
- 給気
- ファン
- 排気
- ファン
- 室圧
- 正圧または負圧
- 目的・特徴
- 確実な換気量の確保
- 適用
- 大規模換気・空気装置・事務室・ボイラ室
第二種機械換気
- 給気
- ファン
- 排気
- 排気口
- 室圧
- 正圧
- 目的・特徴
- 汚染空気の流入阻止
- 適用
- クリ―ンル―ム、手術室
第三種機械換気
- 給気
- 給気口
- 排気
- ファン
- 室圧
- 負圧
- 目的・特徴
- 汚染空気の流出阻止
- 適用
- 汚染室(駐車場、工場)、感染症室、トイレ、ごみ処理場、塗装室
- 業務用の厨房では、臭気が食堂などへ漏れ出さないように、ちゅう房内をやや負圧にする。
- ボイラ室では、燃焼空気量を給気に加算するとともに、室内を正圧にする。
- 病院では、病原菌を他の病室に流れ込むことのないように、ダクト系統を分ける。
- 外気取り入れ口の位置は、車などの排気を考慮して道路から高い位置とする。
- 一般事務室では、外気取り入れ量とトイレなどの排気量が同一となるように計画する。
混合方式
混合方式とは一般事務所や会議室で採用されている方式(清浄空気+室内汚染空気)
整流方式
整流方式とは、清浄空気をピストンのように、一方向の流れとなるように室内に供給し、室内汚染物質を拡散させることなく、そのまま排気口へ押し出す方式で、 半導体のクリ―ンル―ム等で採用されている。その一つに置換換気方式がある。
置換換気方式
置換換気方式では、室温よりやや.低温の新鮮空気を床面下部より供給し、室上部から排出する。
半減期
汚染物質等の濃度が半分になることに要する時間を半減期という。