令和7年度空気環境の調整「過去問題解説6」
問題71
空気調和設備に用いられる全熱交換器に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 全熱交換器は、排気中の顕熱・潜熱を同時に回収して省エネルギー化を図るための熱交換器である。
- 回転型全熱交換器では、エレメントが低速回転して吸湿と放湿が連続的に切り替わる。
- 静止型全熱交換器の仕切り板には、伝熱性と同時に透湿性が求められる。
- 水分の回収を必要としない厨房や温水プールでは、全熱交換器に代わって顕熱交換器が用いられる。
- 空調された室内空気が便所・給湯室等から直接排気される比率が高い場合、全熱交換器の効率は向上する。
答え【5】
(5)が誤りです。全熱交換器は空調の排気(熱)を利用して、外気負荷の軽減を目的として、空気中の顕熱・潜熱を同時に熱交換する装置です。
つまり、空調の排気を効率よく利用するので、その排気を便所・給湯室等から直接排気されれば、100%の能力が発揮出来なくなり効率は下がります。
全熱交換器
全熱交換器の全熱とは顕熱 + 潜熱を意味する←これ重要
全熱交換器は、空調の排気(熱)を利用して、外気負荷の軽減を目的として、空気中の顕熱・潜熱を同時に熱交換する装置である。
省エネルギー機器として広く利用されている。
分類としては、回転型、静止型があります。
省エネを図るため空気ー空気熱交換器です。
全熱交換器の特徴は
- 別に外気取入用系統が不要
- 結露凝縮を生じにくい
外気系統には一般的な粗じん用フィルタを用いられている。
全熱交換器は通常は事務所などの居室に用いられ、異臭や湿気が発生する場所の換気には使用されません。
回転型
回転型全熱交換器のエレメントには、吸湿性を持たせるため、アルミニウムシートに耐食処理を施し、表面に吸着剤(シリカゲル等)を塗布したもの、吸着剤にイオン交換樹脂を塗布
したもの、あるいはアルミニウムシートの表面に微細な空孔を持つ酸化アルミナ層を形成させたものがある。
エレメントは、段ボール状に巻き取られ円筒型のロータを形成する。
このロータは、ケーシングに収められ、駆動装置によって回転される。
給排気は、ロータ内を対向して流れ、低速回転するロータを介して給排気間で熱交換を行う。

静止型
静止型全熱交換器は、給排気を隔てる仕切り板の伝熱性と透湿性により給排気間の全熱交換を行う全熱交換器です。
従って、仕切り板には、伝熱性と同時に透湿性が求められる。

問題72
加湿装置の方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 気化方式は、吹出し空気の温度が降下する。
- 気化方式は、結露する可能性が低い。
- 水噴霧方式は、給水中の不純物を放出しない。
- 水噴霧方式は、吹出し空気の温度が降下する。
- 蒸気方式は、吹出し空気の温度が降下しない。
答え【3】
誤っているのは(3)です。水噴霧方式は、給水中の不純物を放出します。
加湿装置の加湿方式には蒸気加湿と水加湿に大別されます。
- 蒸気加湿は加熱により蒸気を作り、その蒸気で加湿するので、空気の温度変化はない。(温度降下しない)
- 水加湿は、空気との接触で空気の熱を気化熱として利用し加湿するため空気の温度は低下する。(温度降下する)
蒸気加湿


水加湿



ここでのポイントは
- 加湿には蒸気加湿・水加湿(水噴霧加湿と気化加湿)に大別
- 蒸気加湿は温度降下しない。(空気温度は下がらない。)
- 水加湿は温度降下する。(空気温度は下がる。)
- 水噴霧方式は不純物を放出。(不純物を空気中に拡散)
- 気化方式は不純物を多孔質等の表面に付着させるため空気中に放出しない。
問題73
吹出口と吸込口に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ふく流吹出口は、他の吹出口に比べて誘引効果が高く、均一度の高い温度分布が得られる。
- 軸流吹出口は、誘引比が小さいため到達距離が長いのが特徴である。
- 線状吹出口は、ペリメータ負荷処理用として窓近傍に設置されることが多い。
- 有孔天井を用いた面状吹出口は、放射冷暖房の効果がある。
- 吸込口の吸込気流には方向性があるので、吸込気流の角度調整が必要である。
答え【5】
(5)が誤りです。吹出口が気流の方向性や誘引比が問題とされるのに対し、吸込気流は吸込口全面から均一に吸込む一様流れです。
したがって、吸込気流の角度調整が不要です。
吹出し口、吸込み口
ダクトで導かれた空調空気は吹出口から吹き出し、吹出された同量の室内空気が吸込み口から排出される。
- 自由噴流は、吹き出し口付近では吹き出し風速がそのまま維持される。
- 噴出した自由噴流の到達距離とは、その中心風速が0.25m/s以下になるまでの距離のこと。
- 自由噴流は吹出した方向に平行に天井や壁があると到達距離が長くなる。
上記ことがら覚えること。
吹き出し口の種類
- 軸流型吹出し口
- 吹出し気流が一定の軸方向に分布する吹出し口。誘引効果が小さいので、拡散角度は小さく、到達距離は大きい。
- ユニバ―サルレジスタ型
- 風向き、気流到達距離の調節が可能。
- ノズル型
- 気流の到達距離が大きいので、大空間の壁面に用いられる。
- ふく流吹出し口
- 吹出し口の中心軸から全円周の外側に向かって吹出す。
- 線状吹出し口
- 吹き出し空気に対する周囲空気の誘引比が高い。良好な混合状態を作り出し、居住域の温度分布は良好な傾向を示す。主にペリメ―タ負荷処理用として窓に近い天井に用いられることが多い。
- アネモスタット型
- コ―ンの上下で気流の状態変化ができる。上げることで気流を下方向に、下げることで、気流を周囲に散らすことができる。
- 面状吹出し口
- 天井板に細孔を開けた有孔天井を用い、吹出空気は天井全面から微風速で引き出す方式。天井パネル型や多孔パネル型があります。


ちなみに吸込み口は、吹き出し口のような気流の方向性や誘引性がないため、グリル型が主に用いられる。
↑
吸込み口は別に気流の向きを変える必要がないということです。
問題74
ダクトに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ダクト系の騒音に対する消音効果のために、グラスウールダクトを使用した。
- 塗装なしで美観が必要なダクトに、ステンレス鋼板を使用した。
- ボイラの高温空気・高温ガスが通るダクトに、亜鉛鉄板を使用した。
- 防錆・防食性が必要なダクトに、塩化ビニルで被覆した鋼板を使用した。
- 腐食性ガスを対象とした排気ダクトに、硬質ポリ塩化ビニル板を使用した。
答え【3】
(3)が誤りです。
高温空気、高温ガス通るダクトやダンパなどには亜鉛鉄板の使用はできません。
鋼板(JIS G 3141)の薄板が使用されます。
亜鉛鉄板ダクトとは、表面を亜鉛でコーティングした鉄板(亜鉛めっき鋼板)で作られたダクトのことで、主に空調用ダクトに使用されます。
問題75
ポンプに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- キャビテーションの発生部分には激しい浸食が生じ、ポンプ寿命を低下させる。
- フライホイールなどを付加し、回転体の慣性重量を大きくすることで、停電時の水撃作用を防止する。
- 配管系における流体摩擦損失及び機器の損失は、管内流速の2乗に比例する。
- 一般に全揚程は吐出し量がゼロのときに最小となり、吐出し量の増加とともに高くなる。
- 揚程曲線が右下がりの曲線部分に運転点をもってくることで、サージングを防げる。
答え【4】
(4)が誤りです。一般に吐出し量がゼロのときの全揚程(締切全揚程)が最大となり、吐出し量の増加とともに低くなる。
ポンプの運転
回転数を2倍にすると吐出し水量は2倍、揚程は4倍、軸動力は8倍になる
↑
サ―ジング
ポンプの水量を絞りすぎるとサ―ジングが起こりやすい。
絞りすぎはサ―ジング←これも覚えよう。
















