令和7年度空気環境の調整「過去問題解説3」
問題56
揮発性有機化合物とその発生源との組合わせとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ホルムアルデヒド―――――加熱式たばこ
- トルエン―――――――――溶剤
- パラジクロロベンゼン―――防虫剤
- テトラデカン―――――――プラスチックの可塑剤
- ダイアジノン―――――――防蟻剤
答え【4】
この問題は(4)のテトラデカンが不適当です。テトラデカンは今回初めての出題になります。
他の選択枠は過去に出題されていますので消去法でテトラデカンにしました。
デトラデカンは、油性ペイント、油性ペイントの薄め液、油性ニス、ワックス、防腐剤などに用いられる。
テトラデカンは常温常圧で無色透明の液体として存在し、比較的高い沸点と低い極性を示すことから、多岐にわたる用途で用いられている。工業的には溶剤や反応溶媒、さらには燃料添加剤などさまざまな形で利用されることが多く、有機化学の基礎研究から応用領域まで幅広い場面で重要な役割を果たしている。
とあり、プラスチックの可塑剤ではありません。
| 揮発性有機化合物 | 主な用途 |
|---|---|
| ホルムアルデヒド | 接着剤、加熱たばこ、防腐剤 |
| アセトアルデヒド | 塗料溶剤原料 |
| トルエン | 塗料溶剤、希釈剤 |
| キシレン | 塗料、殺虫剤溶剤、希釈剤 |
| エチルベンゼン | 塗料、スチレンの原料 |
| スチレン | 発砲スチロール、接着剤、断熱材、畳 |
| パラジクロロベンゼン | 防虫剤、防臭剤 |
| テトラデカン | 塗料溶剤、希釈剤 |
| クロルピリホス | 防シロアリ剤、殺虫剤 |
| フェノブカルブ | 防シロアリ剤、殺虫剤 |
| ダイアジノン | 有機リン剤、殺虫剤、農薬 |
| フタル酸ジ-n-ブチル | 可塑剤、ビニールクロス |
| フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 可塑剤、ビニールクロス |
問題57
エアロゾル粒子とその測定粒径との組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
- 細菌―――――0.01μm
- 海塩粒子―――0.1μm
- ウイルス―――1.0μm
- たばこ煙―――10μm
- カビ胞子―――100μm
答え【2】
正しいのは(2)の海塩粒子です。海塩粒子は0.03~0.5μmである。
エアロゾル粒子の測定粒径
| ウイルス | 0.003~0.05μm |
| たばこ煙 | 0.01~1μm |
| バクテリア(細菌) | 0.3~20μm |
| 真菌 | 1~10μm |
| ダニアレルゲン | 1~20μm |
| 胞子 | 10~50μm |
| セメントダスト | 3~100μm |
| 花粉 | 10~100μm |
| 雨滴(霧滴) | 2~70μm |
| 海岸砂 | 100~1,000μm |
| フライアッシュ | 粒径は1~100μmの範囲に分布し、 平均粒径は20μm程度 |
| 硫酸ミスト | 1~10μm程度 |
ポイントはウイルスはずば抜けて小さい。
問題58
浮遊粒子の動力学性質を表す次のア~エのうち、粒径が大きくなると数値が大きくなるものの組合せとして、最も適当なものはどれか。
ア 終末沈降速度
イ 拡散係数
ウ 気流に平行な垂直面への沈着速度
エ 粒子径を代表長さとしたレイノルズ数
- ア と イ
- ア と ウ
- ア と エ
- イ と エ
- ウ と エ
答え【3】
(3)のアとエの組合せが正しい。終末沈降速度と粒子径を代表長さとしたレイノルズ数が、粒径が大きくなると数値が大きくなる。
| 浮遊粒子の運動 | 粒径の関係 |
|---|---|
| 粒子が気体から受ける流体抵抗力 | 粒子の投影面積、流体密度に比例、相対速度の2乗に比例 |
| 重力による終末沈降径 | 粒径の2乗に比例 |
| 静電界中の移動速度、電気移動度 | 粒径に反比例 |
| 拡散係数 | 粒径に反比例 |
| ブラウン運動による移動量 | 粒径が小さいほど大きくなる。 |
| 流れに平行な平面への沈着速度 | 粒径が小さいほど大きくなる。 |
| 流れに垂直な平面への沈着速度 | どちらともいえない。 |
| 粒子径を代表長さとしたレイノルズ数 | 粒径に比例 |
問題59
暖房時における空気調和システムを図-Aに、空気の状態変化を湿り空気線図上に表したものを図-Bに示す。図-Aの各点に対する図-Bの状態点との組合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。
-
図-A―――図-B
- a―――エ
- b―――ア
- c―――イ
- d―――ウ
- e―――オ
答え【3】
正しいのは(3)のcとイの組合せです。ポイントになる部分を下の図に記載しています。
- 図-Aの外気aは図-Bで一番乾球温度が低いオであることがわかります。(a―――オ)
- 図-Aで還気と外気が混合している部分ですが図-Bで唯一混合している場所がエです。したがって(b―――エ)
- 図-Bでいきなり絶対湿度が上がっているアがあります。それは図-Bで加湿器を通過した場所と考えられるので(d―――ア)
- 図-Bで乾球温度が上がっている部分は図-Aで加熱器を通過した部分と考えられる(c―――イ)
- 残りの(e―――ウ)
問題60
空調熱負荷に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 照明による発熱負荷は、顕熱負荷である。
- ダクト通過熱負荷は、一般に潜熱負荷を無視する。
- 送風機による負荷は、一般に暖房時には無視する。
- 外気負荷には、顕熱負荷と潜熱負荷がある。
- 人体による発熱負荷では、一般に潜熱負荷は無視する。
答え【5】
人体からの発熱は人体表面からの対流と放射による顕熱と発汗により放熱される潜熱があります。したがって潜熱負荷は無視できません。
空調熱負荷の構成要素と分類

△:無視することが多いが、影響が大きいと思われる場合は考慮する。
X :無視する
















