令和7年度建築物の環境衛生「過去問題解説5」
問題41
水分の欠乏率(対体重)と脱水症状に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 1%の欠乏で、のどの渇きが出現する。
- 4%の欠乏で、体温上昇が起こる。
- 6%の欠乏で、呼吸数が増加する。
- 10~12%の欠乏で、筋けいれんが起こる。
- 18%の欠乏で、尿生成が停止する。
答え【2】
(2)が誤りです。4%の欠乏で、動きのにぶり、皮膚の紅潮化、いらいらする、疲労及び嗜眠、感情鈍麻、吐気、感情の不安定です。
体温上昇が起こるのは6%です。
水分の欠乏率と脱水症状
| 水分欠乏率「%」 | 脱水症状 |
|---|---|
| 1 | のどの渇き |
| 2 | 強い渇き、ぼんやりする、重苦しい、食欲減退、血液濃縮 |
| 4 | 動きのにぶり、皮膚の紅潮化、いらいらする、疲労及び嗜眠、感情鈍麻、吐気、感情の不安定 |
| 6 | 手、足の震え、熱性抑うつ症昏迷、頭痛、熱性こんぱい、体温上昇、脈拍、呼吸数の増加 |
| 8 | 呼吸困難、めまい、チアノ―ゼ、言語不明瞭、疲労増加、精神錯乱 |
| 10~12 | 筋けいれん、平衡機能失調、失神、舌の腫張、講妄および興奮状態、循環不全、血液濃縮及び血液の減少、腎機能不全 |
| 15~17 | 皮膚がしなびれてくる。飲込み困難、目の前が暗くなる、目がくぼむ、排尿痛、聴力損失、皮膚の感覚鈍化舌がしびれる、 |
| 18 | 皮膚のひび割れ、尿生成停止 |
| 20%以上 | 死亡 |
問題42
水系感染症の病原体として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ポリオウイルス
- A型肝炎ウイルス
- コクサッキーウイルス
- パラチフス菌
- RSウイルス
答え【5】
(5)が誤りです。RSウイルスの感染による急性の呼吸器感染症で、乳幼児に多い感染症です。
RSウイルスは、咳やくしゃみによる飛沫感染、ウイルスが付着した手指や物を介した接触感染による。
潜伏期は2~8日とされ、発熱、鼻汁、咳などの上気道炎症状が数日続きその後、場合によっては、気管支炎や肺炎などの下気道症状が出てきます。初めて感染した乳幼児の約7割は軽症で数日のうちに軽快しますが、約3割では咳が悪化し、喘鳴ぜいめい(ゼーゼーと呼吸しにくくなること)や呼吸困難、さらに気管支炎の症状が増加します。重篤な合併症として注意すべきものには、1歳以下では中耳炎の合併症がよくみられる他、無呼吸発作、急性脳症等があります。
水系感染症は、主に細菌、ウイルス、原虫によって引き起こされる感染症であり、以下の病原体が代表的です。
細菌- 赤痢菌
- コレラ菌
- 腸チフス菌
- 腸管出血性大腸菌(O157)
- レジオネラ菌
- パラチフス菌
- A型肝炎ウイルス
- E型肝炎ウイルス
- ポリオウイルス
- ノロウイルス
- コクサッキーウイルス(今回初めて出題されました。)
- クリプトスポリジウム
- ジアルジア
- 赤痢アメーバ
問題43
クリプトスポリジウム症に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 病原体は、細菌である。
- 病原体は、ヒトや哺乳動物の消化管で増殖する。
- 病原体は、水道水の塩素消毒で死滅する。
- 水道におけるクリプトポリジウム等対策指針では、レベル1が最もリスクが高い。
- 下痢症状は、一般的に1~2日で消失する。
答え【2】
正しいのは(2)です。- 病原体は、原虫である。
- 塩素に抵抗性を持つ原虫である。
- 水道におけるクリプトポリジウム等対策指針では、レベル4が最もリスクが高い。
- 症状は一般的に1~2週間続き、その後軽減する。
クリプトスポリジウム症
クリプトスポリジウム症の特徴は以下の通りです。
重要ですのでそのまま覚えましょう。
- 病原体は原虫である。
- 病原体を含む水を経口摂取して発症する。
- 潜伏期間は約1週間で、発症は急性で、おびただしい水様の下痢、腹部けいれんを起こす。
- 芽胞と呼ばれる殻により、塩素に抵抗を示し、水の塩素消毒は病原体に対して有効ではない。
- 病原体による水の汚染を判断上で、大腸菌などの指標菌の検査は有用である。
- 消化器感染症である。
- 症状は一般的に1~2週間続きその後軽減する。
- クリプトスポリジウムは人間や哺乳動物(ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等)の消化管内で増殖し、感染症をもたらす。
- 塩素に抵抗性をもつ原虫であるクリプトスポリジウムによる感染症が水道を介して発生する。
- 一類感染症では、交通が制限されることがある。
- ニ類感染症では、建物への立入りは制限されない。
- 三類感染症では、就業制限される職種がある。
- 四類感染症では、積極的疫学調査は実施されない。
- 五類感染症には、ジアルジア症が含まれる。
- 25mg/L
- 50mg/L
- 100mg/L
- 500mg/L
- 1,000mg/L
問題44
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における感染症の類型に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
答え【4】
四類感染症でも、積極的疫学調査は実施されます。積極的疫学調査は1類感染症から5類感染症まで全て実施されます。
| 一類感染症 | 二類感染症 | 三類感染症 | 四類感染症 | 五類感染症 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 疾病名の規定方法 | 法律 | 法律 | 法律 | 政令 | 省令 |
| 擬似症患者への適用 | 〇 | 〇 | X | X | X |
| 無症状病原体保有者への適用 | 〇 | X | X | X | X |
| 積極的疫学調査の実施 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 医師の届出 | 〇(直ぐに) | 〇(直ぐに) | 〇(直ぐに) | 〇(直ぐに) | 〇(一部を除き7日以内)) |
| 獣医師の届出 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | X |
| 健康診断の 受診の勧告・実施 | 〇 | 〇 | 〇 | X | X |
| 就業制限 | 〇 | 〇 | 〇 | X | X |
| 入院の勧告・措置・移送 | 〇 | 〇 | X | X | X |
| 汚染された場所の消毒 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | X |
| ねずみ・昆虫等の駆除 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | X |
| 汚染された物件の排気等 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | X |
| 死体の移動制限 | 〇 | 〇 | 〇 | X | X |
| 生活用水の使用制限 | 〇 | 〇 | 〇 | X | X |
| 建築物の立入制限・封鎖 | 〇 | X | X | X | X |
| 交通の制限 | 〇 | X | X | X | X |
| 動物の輸入禁止・輸入検疫 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | X |
問題45
5%溶液として市販されている次亜塩素酸ナトリウム50mLを水50Lに加えた場合、この溶液の次亜塩素酸ナトリウム濃度に近いものは次のうちどれか。
答え【2】
この問題の解答枠の単位をまず確認するとmg/Lです。つまりmgをLで割ると答えがわかります。
問題文よりLは50Lと既に表れております。
従ってmgを問題文より導いてやれば答えが見えてくると思います。
問題文より
5%次亜塩素酸ナトリウム50mLは 0.05 x 50 = 2.5mL 1mLは1gより 2.5mL = 2.5g 2.5g = 2500mg になります。 従って 2500mg/50L=50mg/L になります。
















