令和7年度建築物の環境衛生「過去問題解説4」
問題36
情報機器作業と健康に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 情報機器作業とは、パソコン等情報機器を使用して行う作業をいう。
- パソコンを使用する際の姿勢は、頭の位置と手の位置が極端に制限され、これを「拘束性」という。
- 情報機器作業者が訴える自覚症状で、最も多いのは首や肩のこりである。
- 情報機器作業において、最も重要な健康障害因子は作業時間である。
- ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は、300lx以上とする。
答え【3】
(3)が誤りです。情報機器作業者の健康に関する調査で最も多い自覚症状は眼に関するものである。
眼が疲れる、眼が乾く、物がかすんで見える、眼が痛い、眼が充血する、物が見えにくい、眼がチクチクする、涙が出る、眼の前がちらつく、眼に圧迫感がある、まぶたがヒクヒクする。 等が比較的多い自覚症状である。
情報機器作業(VDT作業)
「VDT作業」の用語の使用をやめ、「情報機器作業」と呼ぶことになっております。
従って2019年以降の問題ではVDT作業での出題になっています。
2020年以降から情報機器作業での出題になっています。
情報機器作業者の健康に関する調査で最も多い自覚症状は眼に関するものである。
眼が疲れる、眼が乾く、物がかすんで見える、眼が痛い、眼が充血する、物が見えにくい、眼がチクチクする、涙が出る、眼の前がちらつく、眼に圧迫感がある、まぶたがヒクヒクする。 等が比較的多い自覚症状である。
情報機器作業(VDT作業)に関する問題は以下のような問題がでるので覚えよう。
- 室内は、できるだけ明暗の対象が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせないようにすること。
- ディスプレイ画面の明るさXZ、書類及びキ―ボ―ド面における明るさと周辺との明るさの差はなるべく小さくすること。
- ディスプレイ画面に直接又は間接的に太陽光等が入射する場合は、必要に応じて窓にブラインド又はカ―テン等を設け、適切な明るさとなるようにすること。
- グレアを防止するためには、視野内の輝度はほぼ同じレベル(最大でも1:10程度)にする。
- エアコンからの風が当たる場所では、ドライアイを引き起こす可能性がある。
- グレアの防止には反射型ディスプレイを用いること。
- グレアの防止には間接照明等のグレア防止照明器具を用いること。
- グレアの防止にはディスプレイの画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整すること。
高齢者と情報機器作業(VDT作業)
高齢者の情報機器作業(VDT作業)については、高齢者は若者に比べて目の疲れの回復に時間がかかるうえ遠近両用メガネ等を使用すると、画面及びキ―ボ―ドが見難くなって眼疲労につながること等に、注意が必要です。
備考:グレアとは照明の非常に高い輝度や、周囲と強すぎる輝度の違いがあると、まぶしさや不快感を感じ、物が見えにくくなる現象。
「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」(改正)
情報機器作業(VDT作業)の一部改正が2021年12月1日に行われました。
改正前
ディスプレイを用いる場合のデ ィスプレイ画面上における照度は 500 ルクス以下、書類上及びキーボ ード上における照度は 300 ルクス 以上を目安とし、作業しやすい照 度とすること。 また、ディスプレイ画面の明る さ、書類及びキーボード面におけ る明るさと周辺の明るさの差はな るべく小さくすること。
改正後
ディスプレイを用いる場合の書 類上及びキーボード上における照 度は 300 ルクス以上とし、作業し やすい照度とすること。また、ディスプレイ画面の明る さ、書類及びキーボード面におけ る明るさと周辺の明るさの差はな るべく小さくすること。
つまり
ディスプレイを用いる場合のデ
ィスプレイ画面上における照度は
500 ルクス以下
がなくなり
書類上及びキーボ
ード上における照度は 300 ルクス
以上を目安としての目安の部分も削除されています。
問題37
電場、磁場、電磁波に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 電磁波の周波数が高くなると波長が短くなり、周波数が低くなると波長が長くなる。
- 電離放射線のうち、α線やβ線は電磁波に含まれない。
- 電磁波の波長のうち、長いものは1kmを超える。
- 家庭用電化製品や送電線から発生する磁場を、静磁場と呼ぶ。
- 電磁波の発がん性評価の代表的なものとして、国際がん研究機関の発がん分類がある。
答え【4】
(4)が誤りです。家庭用電化製品や送電線から発生する磁場を、電磁場と呼ぶ。
静磁場とは地球磁場(約50μT)のように時間で変動しないものをいう。
問題38
赤外線、マイクロ波、レーザ光線に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 赤外線に曝露される作業として、炉前作業や硝子加工作業がある。
- 赤外線は、熱中症の原因となる。
- 白内障は、一般に、赤外線の急性曝露により生じる。
- マイクロ波は、生体の深部に到達し、熱作用を起こす。
- レーザ光線の健康影響として、網膜損傷がある。
答え【3】
(3)が誤りです。白内障は、一般に、赤外線の慢性曝露により生じる。
赤外線の慢性ばく露の影響として硝子工白内障(潜伏期間10~15年)は古くから知られています。
電磁波の種類
電磁波は波長の長短によってその性質は著しく変化する。
大きく分けるとX線やガンマ線等の電離作用を持つ高エネルギ―の電離放射線と商用周波電磁波をはじめ、電波、可視光線、赤外線、紫外線等の電離作用をもたない非電離放射線です。
紫外線
紫外線への曝露は、殺菌・ア―ク溶接・屋外作業・炉前作業・検査作業で起こる。紫外線は波長からUV-A、UV-B、UV-Cに分類される。
紫外線の生態影響- ビタミンD生成
- 皮膚黒色腫
- 皮膚紅斑
- 皮膚がん
- 白内障
- クル病予防
- 無精子病
- 白血病
- 電気性眼炎
赤外線
熱線とも呼ばれる。可視光線より長い波長で、マイクロ波より短い波長の電磁波です。
- 近赤外線・・・・770nm~1400nm
- 遠赤外線・・・・1400nm以上
- 炉前作業
- 赤外線乾燥作業
- 溶接作業
- 硝子加工作業
- 熱中症
- 白内障
- 網膜損傷
- 代謝促進
- 皮膚血管拡張
ここでのポイント
紫外線と赤外線の違いを覚えましょう。
- 波長:赤外線 > 紫外線
- 周波数:紫外線 > 赤外線
問題39
電離放射線に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 電離放射線は、物質をイオン化する作用を持つ。
- 放射能とは、放射性物質が放射線を出して壊変していく物質をいう。
- β線は、鉛、鉄の板を透過する。
- 細胞のうち、放射線感受性が最も低い細胞は神経細胞である。
- 生体内に取り込んだ放射性物質が2分の1量になるまでの時間を、生物学的半減期という。
答え【3】
(3)が誤りです。β線は、鉛、鉄の板を透過できない。
β線は、紙は透過するが、アルミニウムなどの薄い金属には遮蔽される。
γ線、エックス線でも鉛や鉄の板は透過できず、電離放射線で透過できるのは中性子線だけである。
電離放射線
電離放射線とは強いエネルギ―により照射された物質をイオン化する作用をもった放射線のこと。
α線、β線、γ線、エックス線、中性子線などがある。
Bq(ベクレル)とSv(シ―ベスト)
- 放射線量をあらわす単位であり、Sv(シ―ベルト)というのは、 放射線が人体に与える影響のことをあらわします。
- Bq(ベクレル)というのは、放射能を表す単位であり、 放射性物質が放射線を出す能力の単位としてあらわします。
- 人体細胞で最も感受性が高い(影響を受けやすい)のはリンパ球で、低いのは神経細胞である。
- 脱毛は、放射線の早期影響の一つである。
- 電離放射線により発生する代表的な悪性腫瘍として、白血病がある。
- 急性放射線熱傷は、通常の熱傷に比べて初期には痛みがない。
- 妊婦可能な婦人へのX線の骨盤照射は、月経開始後10日以内に行う。
- 微量な線量であっても影響が発生する可能性があることを、確定的影響と呼ぶ。
- 人体への放射線障害
一方、癌や遺伝子・染色体異常や胎児奇形等の発生に関しては、閾値がなく、どんなに少ない線量でも影響が発生する確率が存在するため、確率的影響と呼ばれる。
問題40
電離放射線の健康影響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
答え【5】
(5)が誤りです。微量な線量であっても影響が発生する可能性があることを、確率的影響と呼ぶ。
















