令和4年度建築物の環境衛生「過去問題解説4」
問題36
眼の構造と光の知覚、光環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 照度が0.1lxより下がると、視力は大きく低下する。
- 錐体には赤、青、黄の光にそれぞれ反応する3種があり、これらの反応の組合せにより色を感じる。
- 視細胞が感知した光の刺激は、視神経を介して脳に伝わり知覚される。
- グレアとは、視野内で過度に輝度が高い点などが見えることによって起きる不快感や見にくさである。
- 眼において、水晶体はカメラに例えるとレンズの役割を果たす。
答え【2】
(2)が誤りです。錐体は赤、青、緑の光にそれぞれ反応する3種があり、これらの反応の組合せによって色を感じる能力を色覚という。
色覚異常は、少なくとも一種類の錐体細胞を欠損している人が持っている障害のことを言います。
問題37
情報機器作業に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 情報機器にはタブレット端末が含まれる。
- 照明及び採光は、できるだけ明暗の対照が著しくないようにする。
- ディスプレイに関しては、画面の上端が眼の高さよりやや上になる高さにすることが望ましい。
- 情報機器作業とは、パソコンなどの情報機器を使用してデータの入力や文章・画像等の作成を行う作業である。
- 情報機器作業者に対する健康診断では、眼の症状、筋骨格系の症状、ストレスに関する症状をチェックする。
答え【3】
(3)が誤りです。情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインに記載されています。
【機器の調整】
- ディスプレイは、眼から40cm以上の距離画面の上端は眼の高さまで
- ディスプレイの位置角度、輝度を調整
- ディスプレイと書類を交互に見る作業では、書類を眼が疲れない位置に
参考資料(情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン)
問題38
電場、磁場、電磁波に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 電磁波には電波、光、X線、γ線が含まれる。
- 可視光線のみが目で確認できる電磁波である。
- 地球磁場のような静磁場の曝露による健康影響は知られていない。
- 静電気は、放電によりガソリンや有機溶剤に発火や爆発が起こす。
- 電磁波の周波数が高くなると波長は長くなる。
答え【5】
電磁波の周波数が高くなると波長は短くなります。
問題39
赤外線及び紫外線の健康影響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 赤外線は熱中症の原因となる。
- 赤外線はビタミンDの形成を促す。
- 紫外線曝露により、角膜炎が起こる。
- 紫外線のうち、UV―Cはオゾン層に吸収される。
- 紫外線のUV―Bは、エネルギ―が強く肌表面の細胞を傷つけたり炎症を起こし、皮膚がんのリスクを上昇する。
答え【2】
ビタミンDの形成を促すのは紫外線です。
試験では紫外線と赤外線をよく混同されての出題されます。間違えないようにしましょう。
紫外線
紫外線への曝露は、殺菌・ア―ク溶接・屋外作業・炉前作業・検査作業で起こる。紫外線は波長からUV-A、UV-B、UV-Cに分類される。
紫外線の生態影響- ビタミンD生成
- 皮膚黒色腫
- 皮膚紅斑
- 皮膚がん
- 白内障
- クル病予防
- 無精子病
- 白血病
- 電気性眼炎
赤外線
熱線とも呼ばれる。可視光線より長い波長で、マイクロ波より短い波長の電磁波です。
- 近赤外線・・・・770nm~1400nm
- 遠赤外線・・・・1400nm以上
- 炉前作業
- 赤外線乾燥作業
- 溶接作業
- 硝子加工作業
- 熱中症
- 白内障
- 網膜損傷
- 代謝促進
- 皮膚血管拡張
問題40
健常な体重75kgの一般成人の体内水分量として、最も適当なものは次のうちどれか。
- 20kg未満
- 20kg以上30kg未満
- 30kg以上40kg未満
- 40kg以上50kg未満
- 50kg以上60kg未満
答え【4】
一般成人の体内水分量は通常体重の50~70%と言われています。
従って
健常な体重75kgの一般成人の体内水分量は
75 x 0.5=35(g)
75 x 0.7=52.5(g)
になりますので最も近いのは(4)になります。