令和2年度清掃「過去問題解説4」
問題156
我が国の廃棄物処理政策の変遷に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 1950年代に、汚物を衛生的に処理し、生活環境を清潔にすることを目的に清掃法が制定された。
- 1970年代の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の制定により「汚物」に加えて、新たに「不要物」の概念が導入された。
- 1980年代に、最終処分場の確保難等に対処するため、廃棄物処理施設整備の推進が図られた。
- 1990年代に「廃棄物」を「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分類し、廃棄物の適正処理が図られた。
- 2000年代に、廃棄物等の発生を抑制(リデュ―ス)するとともに、再利用(リユ―ス)及び再生利用(リサイクル)が図られた。
答え【4】
(4)が誤りです。廃棄物処理法が制定されたのは昭和45年12月で、「廃棄物処理法」は従来の法律において衛生面から規定していた「汚物」に加えて、新たに「不要物」の概念を導入して、「廃棄物」を定義し、 「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分類するとともに、「生活環境の保全」が新たに法の目的に追加された。
問題157
ごみの焼却処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 800℃以上の高温で焼却されることによって、ごみに含まれる悪臭物質は熱分解される。
- ごみの容積は、焼却処理により、5~10%に減容化される。
- ごみの重量は、焼却処理により、約15%に減量化される。
- 約70%のごみ焼却処理施設で、余熱を利用した発電が行われている。
- ごみの焼却処理は、ごみの総処理量の約80%を占めている。
答え【4】
(4)が誤りです。この問題ですがはっきり言ってわからないと思います。
平成23年の統計によりますと
全国で1,211のごみ焼却施設があり、791施設で余熱利用が行われています。
そのうち、314施設で発電が行われ、総発電能力は1,740千kWである。
との記載がありました。
従って、70%は誤りです。
約30~40%ぐらいでしょうか。
焼却処理では、800℃以上の高温でごみは焼却されることによって有害物質や悪臭物質は熱分解され(無害化、無臭化)、また容積は5~10%に減容化、重量は15%程度まで減量化される。
問題158
廃棄物の処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一般廃棄物について市町村は、一般廃棄物処理計画に従い清掃事業として処理を行う。
- 産業廃棄物を含めた事業系廃棄物は、事業者が処理する。
- 廃棄物の中間処理に当たっては、大気汚染、水質汚濁、悪臭等が生じないよう排ガスや排水の処理を行わなければならない。
- 一般廃棄物の埋立処分は、管理型最終処分場に埋め立てなければならない。
- 産業廃棄物のうち、有害物質を含まない汚泥は、安定型最終処分場に埋め立てられる。
答え【4,5】
この問題は不適当なものが(4)(5)あります。(4)ですが
「管理型最終処分場」は、産業廃棄物の最終処分場の技術上の基準に規定されております。
一般廃棄物の最終処分場の技術上の基準は、産業廃棄物管理型最終処分場の技術上の基準と同等です。
一般廃棄物処理場には以下のような記載があります。
一般廃棄物最終処分場は産業廃棄物以外の廃棄物を処分する。基本的に全て、産業廃棄物の管理型処分場と同程度の基準が適用される。(ただし、自治体等が設けることが多く、産業廃棄物管理型処分場と共用されることが多い。
とあり、産業廃棄物の管理型処分場と同程度の基準が適用される。になっています。
まず、産業廃棄物の最終処分場には、以下の3種類があります。
遮断型処分場
有害物質が基準を超えて含まれる燃えがら、ばいじん、汚泥、鉱さいなどの有害な産業廃棄物を埋め立てる最終処分場(埋め立て処分場)。遮断型処分場は、コンクリ―ト製の仕切りで公共の水域および地下水と完全に遮断される構造となっている。
安定型処分場
廃棄物の性状が安定している産業廃棄物である、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、建設廃材、ガラスくず、陶磁器くず(これらは安定五品目と呼ばれる)を埋め立てる最終処分場。
管理型処分場
遮断型処分場・安定型処分場で処分される産業廃棄物以外の産業廃棄物と一般廃棄物を埋め立てる処分場。管理型処分場では、埋立地から出る浸出液による地下水や公共水域の汚染を防止するため、しゃ水工(埋立地の側面や底面をビニ―ルシ―トなどで覆う)、浸出水を集める集水設備、集めた浸出液の処理施設が必要となる。
とあり(5)については、有害物質を含まない汚泥なので遮断型処分場でもなく安定型処分場でもなく管理型処分場に埋め立てなければいけない。
ので明らかに誤りです。
複数解答になった理由
この問題はもともとの解答が(5)のみだったと思います。
(4)が正解になった背景には日本建築衛生管理教育センタ―発行の講習会用テキストに記載ミスが御座いました。
その講習会テキストには以下のような記載がされております
一般廃棄物最終処分場
一般廃棄物の埋立処分は、管理型最終処分に埋め立てなければならない。埋立物の分解した汚水等が地下水や公共水域の汚染を生じない対策が講じなければならない。
この件は私の方で日本建築衛生管理教育センタ―に確認を致しましたところ明らかに記載ミスであるとの回答が御座いました。問題159
廃棄物処理法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 都道府県知事は、多量の一般廃棄物を生じる建物の占有者に対し、減量に関する計画の策定等を指示することができる。
- 排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する場合には、その移動及び処理の状況を自ら把握するため、マニフェストの使用が義務付けられている。
- 一般廃棄物の収集、運搬、処分等が適正に行われるよう、処理基準が定められている。
- 都道府県知事は、産業廃棄物処理業の許可申請があった場合には、適合していることを審査し、許可する。
- 排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する場合には、委託基準に従わなければならない。
答え【1】
(1)は市長村長は、多量の一般廃棄物を生じる建物の占有者に対し、減量に関する計画の策定等を指示することができる。市町村長は、その区域内において事業活動に伴い多量の一般廃棄物を生ずる土地又は建物の占有者に対し、当該一般廃棄物の減量に関する計画の作成、当該一般廃棄物を運搬 すべき場所及びその運搬の方法その他必要な事項を指示することができる。
一般廃棄物の責務は市町村で産業廃棄物の責務は都道府県です。
後の選択枠は重要です。問題160
廃棄物処理法の一般廃棄物及び産業廃棄物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 医療機関などから排出される感染症のおそれのある産業廃棄物は、特別管理産業廃棄物に該当する。
- 飲食店から排出された木くずは、産業廃棄物である。
- 特別管理一般廃棄物には、都市ガス焼却施設から生じるばいじん、医療機関などから排出される血液の付着したガ―ゼ、脱脂綿が該当する。
- 事業活動に伴って排出される廃棄物は、事業系一般廃棄物と産業廃棄物とに大別される。
- 紙くずのうち、紙製造業などの特定の業種から排出されたものは、産業廃棄物に該当する。
答え【2】
飲食店から排出された木くずは、一般廃棄物である。木くずでも建設業、木材製造業などの特定の業種から排出されるものは産業廃棄物になります。
(1)特別管理産業廃棄物とは、爆発性、毒性、感染症等人の健康又は生活環境に被害を生ずるおそれのある産業廃棄物
(3)特別管理一般廃棄物とは、爆発性、毒性、感染症等人の健康又は生活環境に被害を生ずるおそれのある一般廃棄物
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