令和2年度清掃「過去問題解説2」
問題146
建築物清掃における環境対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- パッドやブラシに使用されている研磨剤の種類や量を考慮して選定する。
- 作業時間の短縮を図る。
- 酸・アルカリ性の洗剤は中和して排出する。
- 洗剤を使用するときの温度は、なるべく高く設定する。
- 作業に伴う洗剤容器などの廃棄物を減量する。
答え【4】
(4)の洗剤を使用するときの温度は、汚れや建材の性質を考慮して適切に設定する。後の選択枠も重要です。
特に(3)は酸・アルカリ性の洗剤は中和して排出する。
環境対策の例
- 作業頻度を過度にしないことに配慮し、作業周期の延長を考慮した方法を取り入れる。
- 下水道法で定められている排水基準に加え、地方公共団体が排水基準値を定めている場合があるので確認する。
- パッドやブラシは、汚れの状況により研磨剤の種類や量を考慮して選定する。
- 洗剤や水を使用するときの温度は、汚れや建材の性質を考慮して適切に設定する。
- 洗剤容器などは、廃棄物が環境負荷にならないものを選定する。
- 廃液として排水した後の分解性は洗剤により異なるので、洗剤を選定するときは、廃液の分解性を考慮する。
- 洗剤を使用するときの適正な使用量を徹底する。
- 使用後の酸性またはアルカリ性の洗剤は中和して排出する。
- 厚生労働省は、室内空気を汚染する可能性のある代表的な揮発性有機化合物の室内濃度指針を定めているので、床洗浄作業に使用する床維持剤などにより発生した揮発性 有機化合物は、強制換気する等して除去する。
問題147
ビルクリ―ニング用機械・器具に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 三つ手ちり取りは、移動する際にごみがこぼれないので、拾い掃き用として広く使われる。
- 自在ぼうきは、馬毛などを植えた薄いブラシであり、ほこりを舞い上げることが少ない。
- 自動床洗浄機は、洗剤供給式床磨き機とドライ式真空掃除機とを結合したものである。
- 樹脂床維持剤皮膜の剥離は、床材を傷めないようにするため、床用パッドの赤又は白が使われる。
- 凹凸のある床面には、研磨粒子が付着したパットが使われる。
答え【2】
(1)の説明は改良ちり取り(文化ちり取り)の説明です。(3)の自動床洗浄機は、床面を自動的に洗浄する機械で、洗剤供給式床磨き機と吸水式真空掃除機とを結合したものである。
(4)の樹脂床維持剤皮膜の剥離は、床材を傷めないようにするため、床用パッドの黒又は茶が使われる。
(5)は凹凸のある床面には、研磨粒子が付着したブラシが使われる。
パッドの種類
床用パッドは、一般に化繊製フェルト状の不繊布に研磨粒子が組み込まれています。
用途に合わせて使い分けしなければいけません。
粗さ | 色 | 主な用途 |
---|---|---|
1 | 黒 | 樹脂皮膜の剥離 |
2 | 茶 | 樹脂皮膜の剥離 |
3 | 緑 | 一般床洗浄 |
4 | 青 | 表面洗浄 |
5 | 赤 | スプレ―バフ |
6 | 白 | つや出し磨き |
問題148
カ―ペット清掃用機械に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- アップライト型真空掃除機は、カ―ペットのほこりを取るのに適した構造である。
- 真空掃除機は、電動ファンによって機械内部に空気の低圧域を作り、ホ―スを通じてほこりを吸引する構造である。
- スチ―ム洗浄機は、高温の水蒸気で汚れを取るため、洗浄後に残る水分が少なく仕上がりも柔らかい。
- 洗剤供給式床磨き機は、化学繊維のタフテッドカ―ペットの洗浄に適している。
- エクストラクタは、機械内部で作られた泡で洗浄し、直ぐに吸引する構造である。
答え【5】
(5)のエクストラクタは、噴射吸引式機械とも言います。カ―ペットに洗剤液を直接噴射し洗浄した後、直ぐに吸引する。
水分に耐えるカ―ペットに適する機械です。
カ―ペットのシャンプ―クリ―ニング後のすすぎ洗いにも使用できる。
後の選択枠も重要です。
問題149
清掃作業に使用する洗剤に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 表面洗剤は、界面活性剤を配合して、泡立ちやすいようにしてある。
- 洗剤に使用する界面活性剤は、陰イオン系と非イオン系に大別される。
- 界面活性剤は、液体の表面張力を高くする動きをもつ。
- 洗剤の効果を高める助剤(ビルダ)には、汚れの再付着を防止するものがある。
- 洗剤は、使用する濃度が低ければ低いほどよい。
答え【4】
(1)の表面洗剤は、主に弾性床材の洗浄に用いられます。弱アルカリ性で、泡立ちが少ないようにしてある。
(2)洗剤の主剤である界面活性剤には、陰イオン系と陰イオン系と非イオン系と両性系に大別されています。
界面活性剤には汚れの再付着を防止する作用があります。
(3)の界面活性剤は、液体中に少量存在するだけでその液体の界面における挙動を著しく変化させ、表面張力を低下させる働きを持つ物質です。
(5)は使用する濃度が低ければ低いほどよいわけではなく、洗剤の濃度は、汚れの度合い等により調整する必要があります。
問題150
清掃作業と使用する洗剤との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 真ちゅう金物の洗浄――――――――――研磨剤入り洗剤
- 厨房床の洗浄―――――――――――――アルカリ性洗剤
- 樹脂床維持剤塗布床面の剥離洗浄――――アルカリ性洗剤
- 大理石床の洗浄――――――――――――中性洗剤
- リノリウム床の洗浄――――――――――アルカリ性洗剤
答え【5】
(5)のリノリウムはアルカリ性・水に弱い。買い物は楽天市場