令和2年度給水及び排水の管理「過去問題解説3」
問題116
貯水槽の清掃に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 清掃時は、貯水槽のマンホ―ルの蓋を開け、換気用のファンやダクトを設置し、槽内の換気を図るなどの事故防止対策を行う。
- 受水槽と高置水槽の清掃は、原則同じ日に行い、受水槽の清掃後に高置水槽の清掃を行う。
- 清掃終了後は、塩素剤を用いて2回以上、貯水槽内の消毒を行う。
- 消毒後の水洗いと水張りは、消毒終了後、15分程度経過してから行う。
- 清掃終了後の消毒は、有効塩素濃度50~100mg/Lの次亜塩素ナトリウム溶液などの塩素剤を使用する。

答え【4】
(4)は消毒後の水洗いと水張りは、消毒終了後、30分程度経過してから行う。
後の選択枠もとても重要ですので覚えておきましょう。
貯水槽の清掃の流れ
- 作業員の健康診断
- 貯水槽の水抜き
- 槽内の換気を図る
- 清掃作業(受水槽→高置水槽)
- 消毒(有効塩素濃度50~100mg/Lの次亜塩素ナトリウム溶液等)で2回以上
- 消毒終了後30分以上経過してから水洗いと水張り
- 水張り後水質検査

問題117
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ホテル宿泊部の設計給湯量は、50L/(人・日)程度である。
- ガス瞬間湯沸器の能力は一般に号数で表され、1号の加熱能力は1.74kWに相当する。
- 厨房における業務用皿洗い機のすすぎ温度は、80℃程度である。
- 中央式給湯設備の給湯栓の給湯温度は、ピ―ク使用時において55℃以上とする。
- 貯蔵式湯沸器は、90℃以上の高温湯が得られ、飲用として利用される。

答え【1】
(1)のホテル宿泊部の設計給湯量は、75~150L/(人・日)やはりホテル宿泊部等は宿泊施設で浴室、シャワ―等の給湯使用量を考えると多くなります。

給湯量(1日あたりの設計給湯量)
事務所 | 7.5~11.5L/(人・日) |
総合病院 | 150~200L(人・日) |
ホテル客室 | 75~150L/(人・日) |
集合住宅 | 75~150L/(人・日) |
住宅 | 75~150L/(人・日) |
飲食店 | 30~70L/(m2・日)、3.1~16L/食 |
工場 | 20L/(人・日) |
(4)の中央式給湯設備の給湯栓の給湯温度は、レジオネラ属菌の発生防止するために、貯湯槽の貯湯温度は常時60℃以上とし、ピ―ク時において55℃を確保するように計画する必要があります。
(4)の中央式給湯方式は給湯箇所の多いホテル・旅館・病院で採用されています。

問題118
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 循環式給湯設備の下向き配管方式における給湯主管は、1/200以上の下リ勾配とする。
- 返湯管に銅管を用いる場合は、潰食を考慮して管内流速を1.2m/s以下とする。
- ライニング鋼管における単式の伸縮管継手の設置間隔は50m程度とする。
- 貯湯槽の容量は、ピ―ク時の必要容量の1~2時間分を目安とする。
- 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管は、90℃以下で使用する。

答え【3】
(3)の配管がライニング鋼管の場合には30m程度、銅管、ステンレス鋼管の場合には20m程度としている。
(5)の硬質ポリ塩化ビニル管は通称塩ビ管または塩ビパイプと言われています。
その耐熱性に優れているわけですが、90℃以下の温度で使用されます。

問題119
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 強制循環方式において湯を均等に循環させるため、リバ―スリタ―ン方式とする。
- 密閉式膨張水槽を設ける場合は、逃し弁を設ける。
- 給湯循環ポンプの循環流量は、循環配管系などからの熱損失及び加熱装置における給湯温度と返湯温度の温度差より算定する。
- 加熱装置から逃し管(膨張管)を立ち上げる場合は、補給水槽の水面よりも高く立ち上げる。
- 給湯循環ポンプは、背圧に耐えることのできるものを選定する。

答え【1】
(1)は強制循環方式において湯を均等に循環させるため、返湯管に定流量弁を設ける。
(3)の循環流量は、加熱装置における給湯温度と返湯温度との温度差に反比例し、湯をポンプで汲み上げる場合、吸い上げる事の出来る高さは、温度が高いほど低くなります。
(4)は逃がし管の立ち上げ高さは、補給水量(高置水槽)の水面より高い位置に設定する。
湯の密度は水の密度より小さいので、逃し管を水槽の水面より高く立ち上がらないと、加熱によって膨張した湯が常時逃し管から出ることになる。
その立ち上げ高さは次の式のようになります。
(5)の給湯循環ポンプは、背圧(吸込み側の圧力)に耐えることができるもの。返湯管に設置します。

問題120
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 樹脂管の許容使用圧力は、使用温度が高くなると低下する。
- ステンレス鋼管は隙間腐食が生じる可能性があるので、入念な施工が要求される。
- 耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、管端防食継手を使用する。
- 返湯管のない単管式の給湯配管に銅管を用いる場合は、給湯循環配管に用いる場合より腐食の発生する可能性が高い。
- ステンレス鋼管と銅管の線膨張係数は、ほぼ等しい。

答え【4】
(4)は給湯循環配管に用いる場合の方が腐食の発生する可能性が高い。一過式配管や返湯管を設けていない給湯管においては腐食の発生がほとんどないが、常時湯が循環している中央式給湯配管においては腐食が発生する場合がある。
銅管の腐食には潰食と孔食がある。


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