令和2年度建築物の構造概論「過去問題解説2」
問題96
建築物とその構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄筋コンクリ―ト構造の店舗建築の法定耐用年数は、39年である。
- 既存不適格建築物とは、法が適用された時点で既に存在していた建築物のうち、その後の改正規定に適合していない建築物をいう。
- 免震構造には、アイソレ―タを用いて地盤から建築物を絶縁する方法がある。
- 鉄筋コンクリ―ト構造における鉄筋の腐食は、主にコンクリ―トのひび割れや中性化に起因する。
- 構造設計に用いる鋼材の許容応力度は、引張強さを基準にして算出される。
答え【5】
(5)の構造設計に用いる鋼材の許容応力度は、降伏強さです。基準に関しては、建築基準法施行令第90条に規定されています。
(3)のアイソレ―タとは地盤から建築物を絶縁する部材、機構を指します。
建築物全重量を支持できる強度や剛性を有し、かつ、水平方向には十分柔らかな特性を
有していることが必要です。
- 平成29年問題96
問題97
建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄鋼の線膨張係数は、コンクリ―トとほぼ等しい。
- アルミニウムは、他の金属やコンクリ―ト等と接触すると腐食する。
- コンクリ―トを構成する砂と砂利の容積は、全体の約70%を占める。
- トタンは、鋼板にすずめっきをしたものである。
- 網入板ガラスは、フロ―ト板ガラスに比べて、火災時に破片の飛散防止効果がある。
答え【4】
鋼板にすずめっきしたものをブリキ、亜鉛めっきしたものをトタンと呼ぶ。後の選択枠も重要です。
- 平成30年問題97
- 平成30年問題98
- 平成29年問題97
- 平成29年問題98
- 平成28年問題97
- 平成28年問題98
- 平成27年問題98
問題98
建築生産に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 木工事は、仕上げ工事に分類される。
- 施工管理の業務には、関係官庁などへの諸手続きも含まれる。
- 環境負荷を削減するために、リユ―ス、リサイクル等が重要である。
- 工事のための電力や上下水道設備の計画は、仮設計画に含まれる。
- 建築主は、建築工事の発注者である。
答え【1】
(1)の木工事は、躯体工事です。建築生産と建築施工
- 建築生産
- 建築生産は、一般の建造業が見込み生産、大量生産、工場生産であるのと異なり、注文生産、一品生産、現場生産の多いことが特徴である。
- 建築施工
- 施工方式
直営方式、請負方式、実費生産方式がある。一般に請負方式が多い。
- 施工方式
- 請負方式
一式方式(一括)、分割請負(分離)、ジョイントペンチャ―(共同企業体)がある。
- 施工計画
工事の工程は大きく4段階大きく分けられる。
1.仮設工事 | |
2.地業 | (1)土工事 (2)山止め工事 (3)基礎工事 |
3.躯体工事 | (1)型枠工事 (2)コンクリ―ト工事 (3)鉄筋工事 (4)鉄骨工事 (5)木工事 |
4.仕上げ工事 | (1)屋根工事 (2)防水工事 (3)タイル工事 (4)左官工事 (5)塗装工事 (6)金属工事 (7)建具工事 (8)硝子工事 (9)内外装工事 |
物を大切にして、すぐ捨てず、繰り返して使うことを目的としています。
(4)については以下を参照ください。
- 平成30年問題99
問題99
建築設備に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 常時遠隔監視・管理が行われているエレベ―タは、所有者による特定行政庁への定期点検報告は不要である。
- 都市ガスの保守管理において、配管、ガス栓、ガス漏れ警報器の日常点検は、ガス設備の所有者又は使用者が行う必要がある。
- 分散電源システムとは、商用電源が止まった場合においても給電できる自家発電設備や蓄電池で構成されるシステムのことである。
- 建築物の不動産価値を評価するためのデュ―ディリジュンスにおいては、建物の躯体・設備の現況が重要で、維持管理状態や稼働状況の記録は不要である。
- ESCO(Energy Service Company)事業のシェ―ア―ド・セ―ビング方式とは、顧客が自己投資により設備機器を導入し、ESCO事業者が削減効果を保証する方式である。
答え【2】
(1)は常時遠隔監視・管理が行われているエレベ―タでも定期点検報告は必要である。(3)の分散電源システムとは、電力会社からの商用電源がを利用することなく、太陽光・風力・バイオマス等の自然エネルギ―を活用して、地球環境に負荷を与えない発電システムです。
(4)のデュ―ディリジュンスとは、建築物等の不動産を売買する前に、買い主のために対象物件を物理的側面、法的側面、経済的側面から精査・分析し、購入に値する物件かどうか評価することいいます。
もちろん維持管理状態や稼働状況の記録も必要です。
(5)の説明はギャランティ―ド・セ―ビング方式の説明です。
シェ―ア―ド・セ―ビング方式とは、ESCO事業者が資金を調達して設備機器を導入し、省エネルギ―によるランニングコスト低減分の中から、設備費・工事費・検証費などを支払っていく方式のとこです。
(2)についてはガス設備の所有者又は使用者は、配管・ガスメ―タ・ガス栓・ガス消費機器周り・ガス漏れ警報器等を日常点検として行わなければなりません。
- 平成30年問題101
- 平成28年問題100
- 平成27年問題100
問題100
建築物内の昇降設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 非常用エレベ―タは、緊急時には消防隊員の活動が優先される。
- 小荷物専用昇降機は、かごの床面積及び天井高の上限が定められている。
- 動く歩道の定格速度は、勾配に応じて定められている。
- 乗用エレベ―タには、火災時に最寄り階まで自動運転する管制運転装置を備える必要がある。
- エスカレ―タには、当該竪穴区画の防火シャッタ閉鎖時に連動して停止する制動装置が設けられている。
答え【4】
(4)の乗用エレベ―タは、火災時に避難階へ直行させる火災時管制運転装置を備える必要がある。停電時に最寄り階まで自動運転する停電時自動着床装置を設けられている。
(2)の小荷物専用昇降機は、かごの床面積1m2以下、かつ天井高さ1.2m以下と定められています。
動く歩道の定格速度は勾配によって定められています。
- 勾配8℃以下の場合は定格速度50m/min以下
- 勾配8度を越え30℃以下の場合は定格速度45m/min以下
- 平成30年問題101
- 平成28年問題102
- 平成27年問題101
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