令和2年度空気環境の調整「過去問題解説4」
問題61
暖房時における空気調和システムを図―Aに示す。図―Bは、図―Aのa~eにおける空気の状態変化を湿り空気線図上に表したものである。図―Aのdに相当する図―B中の状態点は、次のうちどれか。
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
答え【1】
- 平成29年問題60
- 平成27年問題61
問題62
熱源方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 電動冷凍機+ボイラ方式は、熱源種別でいえば、冷熱源は冷水、温熱源は温水又は蒸気である。
- 電動機駆動ヒ―トポンプの場合、主に水熱源方式が採用されている。
- 吸収冷凍機+蒸気ボイラ方式は、年間を通じて、ガス又は油が使用される。
- 直焚吸収冷温水機方式では、冷水と温水を同時に製造できる。
- コ―ジュネレ―ション方式は、発電すると同時に排熱を空気調和や給湯等に利用することができる。
答え【2】
(2)の電動機駆動ヒ―トポンプには、水熱源方式と空気熱源方式がありますが、現在の主流は機器本体の使用条件に制限の少ない空気熱源方式である。(3)の吸収冷凍機+蒸気ボイラ方式は、年間を通じて、ガス又は油が使用され、熱媒体種別には、冷熱源には冷水、温熱源は蒸気となる。
(4)の直焚吸収冷温水機方式では、ガスまたは油を直接燃焼させ、1台の機器で冷水または温水、あるいは必要に応じて冷水と温水を同時に製造する機器です。
(5)のコ―ジュネレ―ション方式は、ガスまたは油を投入エネルギ―として、エンジン・タ―ビン・燃料電池等を用いた発電装置によって発電すると同時に装置の排熱を空調・給湯など
その他のシステムに利用することにより、エネルギ―利用効率を高めたシステムをいう。
- 令和元年問題62
- 平成30年問題62
- 平成29年問題66
問題63
地域冷暖房システムに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一定地域内の建築物に対して、熱源プラントで製造した熱媒を供給する方式である。
- 欧米では熱供給が中心である。
- 大気汚染防止などの公害防止対策となる。
- 個別の建築物の機械室スペ―スが大きくなる。
- 熱源装置の大型化・集約化・集中管理化により、安全性や効率性は向上する。
答え【4】
(4)は個別の建築物の機械室スペ―スが小さくなる。地域冷暖房方式
地域冷暖房方式は、熱源プラントにて集中的に製造した熱媒を、一定地域の多数の建築物や施設に供給する、冷暖房するシステムをいう。
地域冷暖房方式の特徴- 地域冷暖房方式は大気汚染防止等の公害防止対策が徹底され、個別熱源に比べ、熱源が集中することから高効率の大型機器の使用が可能となり、環境負荷の低減となる。
- 熱源プラントから熱媒体を需要家に供給するための地域配管が必要となり、そのためのスペ―スが必要である。
- ごみ焼却廃熱や未利用エネルギ―の活用がし易く省エネルギ―が図れる。
- 設備の能力が21GJ/h以上で不特定多数の需要家に熱供給する能力を持つ施設は、熱供給事業法の適用を受ける熱供給事業として経済産業大臣の許可を受けなければならない。
- 普通各建築物に最大負荷は同時刻に発生することはないので熱源プラントの設備容量は、各建物の最大負荷の合計より小さくすることが可能である。
- 平成27年問題70
問題64
乾球温度26.0℃、絶対湿度0.0105kg/kg(DA)の空気1,000kg/hと、乾球温度34.4℃、絶対湿度0.0194kg/kg(DA)の空気500kg/hを混合した場合の空気について、乾球温度と絶対湿度との組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
-
乾球温度[℃] 絶対湿度[kg/kg(DA)]
- 28.8――――――――0.0135
- 28.8――――――――0.0164
- 30.2――――――――0.0150
- 31.6――――――――0.0135
- 31.6――――――――0.0164
答え【1】
この問題もよく出題されます。解き方は下のここがポイントを参照ください。
今回のポイントは空気1,000kg/hと空気500kg/hを混合するので
1,000:500
ということは
比率は2:1になりますので、計算するときも2:1でよいことになります。
ある公式を覚えていると簡単に解くことができます。
乾球温度A℃、比エンタルピーXkJ/kg(DA)の外気と、乾球温度B℃、比エンタルピーYkJ/kg(DA)の室内空気を1:3の割合で混合した後の乾球温度と比エンタルピーの組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
この問題良く出題されます。まず乾球温度について考えていきます。
乾球温度A℃と乾球温度B℃の室内空気を1:3の割合で混合した後の乾球温度を求めます。
次に比エンタルピーについて考えていきます。
比エンタルピーXkJ/kg(DA)と比エンタルピーYkJ/kg(DA)の室内空気を1:3の割合で混合した後の比エンタルピーを求めます。
- 令和元年問題60
- 平成28年問題62
問題65
変風量単一ダクト方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 定風量単一ダクト方式に対して、省エネルギ―と室内温度制御性の改善を目的とした方式である。
- 室への給気風量及び室からの還気風量を変えるために、変風量装置を用いられる。
- 給気風量を可変としているため、必要となる新鮮外気量の確保に対策が必要である。
- 通常、給気温度は一定で運転される。
- 潜熱・顕熱を分離して制御できる空調調和システムである。
答え【5】
(5)の記述が誤りです。変風量単一ダクト方式の特徴を以下に示します。
変風量単一ダクト方式
- 空調機からは一定の温度で送風される。各室の負荷量に応じて送風量を変化させて個別制御を行う。
- 絞り式のVAVを用いた場合は搬送動力を節約できるので省エネ的である。またすべての部屋あるいはゾ―ンの熱負荷のピ―クは同時に発生しないため、単一ダクト定風量方式の場合と
異なり風量は吹き出し口個々の吹き出し風量を合計した総量よりも小さく設定できる。
- 全閉型VAVユニットを使用することによって、不使用室に対する空調を停止することができる。
- 軽負荷時小風量になって、換気量や外気量の不足が生じ室内の空気清浄度が低下する。
上記定風量単一ダクト方式、変風量単一ダクト方式に関しては上記記述項目は丸暗記すること。
押さえておきたいことは
定風量単一ダクト方式は給気温度を変化させる
変風量単一ダクト方式は風量を変化させる
変風量単一ダクト方式は吹き出し口個々の吹き出し風量を合計した総量より小さく設定できる。
- 令和元年問題63
- 平成30年問題61
- 平成27年問題66
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