令和2年度建築物の環境衛生「過去問題解説3」
問題31
ホルムアルデヒドに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 常温では気体として存在する。
- 酸化力が強い。
- 水やアルコ―ルに溶けやすい。
- たばこ煙中に存在する。
- 粘膜に対する刺激が強い。
答え【2】
(2)が誤りです。ホルムアルデヒドの特徴は以下に示します。
ホルムアルデヒド
- ホルムアルデヒドは、常温では可燃性の無色の気体である。水やアルコ―ル等に溶けやすい。
- 35~38%水溶液はホルマリンと呼ばれている。
- ホルムアルデヒドは還元性が強く、人間にとって毒性、刺激性が強い。発がん性が確認されている。
- 建材、洗剤、化粧品、消毒剤、防腐剤に利用されている。
- 燃焼排気ガス、たばこ煙中にも存在
- シックハウス症候群及び肺気腫の原因物質である。
- 建築基準法によって居室の種類によるホルムアルデヒド発散建築材料の面積制限と換気設備の設置が義務付けられている。
ホルムアルデヒドは新築の住宅や家具類の接着剤から発散します。
それにより、シックハウス症候群が多発しました。(1990年代)
新築、増築、大規模の修繕又は大規模の模様替えを完了し、その使用を開始した時点から直近の6月1日から9月30日までの間に1回実施することと定義されています。
濃度の影響濃度[ppm] | 影響 |
---|---|
0.01 | 結膜の刺激 |
0.03~0.05 | 中程度の眼の刺激 |
0.08 | WHOの基準値 |
0.16~0.45 | 眼・鼻・のどの灼熱感、角膜刺激症状 |
0.8 | 臭気を感じる |
1~3 | 眼・鼻・のどの刺激、不快感 |
5~10 | 眼・鼻・のどの強い刺激、軽い流涙 |
15~20 | 咳・深呼吸困難 |
50以上 | 深部気道障害、肺水腫 |
過去に出題された問題
- 水やアルコ―ルに溶けやすい。
- 常温では気体として存在する。
- 合成樹脂や接着剤の原料となる。
- 発がん性がある。
- 可燃性である。
- 尿素系やフェノ―ル系の合成樹脂の生成に用いられる。
- たばこ煙中に存在する。
- 暖房器具から発生する燃焼排気ガス中に存在する。
- 35~38%水溶液は、ホルマリンと呼ばれる。
- 洗剤や化粧品の原料として使われる。
- 肺気腫を起こす。
- 消毒剤や防腐剤として使用される。
- 平成30年問題28
- 平成29年問題30
- 平成27年問題28
問題32
室内空気汚染とその健康障害との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- レジオネラ属菌――――肺がん
- 二酸化窒素――――――慢性気管支炎
- オゾン――――――――肺気腫
- ホルムアルデヒド―――喘息様気管支炎
- ハウスダスト―――――アレルギ―性疾患
答え【1】
(1)のレジオネラ属菌と肺がんの組合せが誤りです。下のここがポイントでも記載していますがレジオネラ属菌の感染減は水です。
従って肺がんとは関係性が薄いです。
レジオネラ肺炎
レジオネラ肺炎は非定型肺炎、細菌性肺炎の一種です。温泉や循環式浴槽などに使われる水の中でレジオネラ菌が繁殖し、それを吸い込むことで感染する。
レジオネラ属菌
レジオネラ属菌は土壌や地下水などの自然界に広く存在している。
一般に20~50℃で繁殖し、人の体温に近い36℃前後で最も良く繁殖するが、熱に弱く、55℃ 以上で死滅する。ポイント・・・・55℃で死滅するので給湯温度を55℃以上確保する必要があります。
、上記レジオネラ属菌も丸暗記すること。
レジオネラ症は間接伝播(空気感染)する感染症である。(4類感染症に指定されている。)
感染源
レジオネラ属菌の感染減は主に給水、給湯設備、冷却塔、循環式浴槽、加湿器、蓄熱槽など感染経路
エアロゾルや汚染水の吸引、径口感染などレジオネラ防止対策
- 外部からのレジオネラ菌の侵入を防ぐ
- 水温を20℃以下に保つ
- 給水機器の配管類のごみ、垢を防ぐ
- 残留塩素の確保
- 定期的に点検と清掃
- 給湯の末端温度55℃以上を確保
- 貯水槽の滞留時間を短くする
- エアロゾルを発生させる機器は使わない
- 殺菌剤や防食剤の注入
- 令和元年問題30
- 平成30年問題27
- 平成28年問題28
問題33
聴覚に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 加齢に伴い、低い周波数から聴力低下が起きる。
- 超低周波空気振動は、低い周波数でヒトが聴き取ることができないものをいう。
- 音の感覚の3要素は、音の大きさ、高さ、音色である。
- 中耳は、鼓膜、耳小骨、鼓室、耳管等で構成されている。
- 最も鋭敏な周波数は、4,000Hz付近である。
答え【1】
(1)は加齢に伴い高い周波数から聴力低下が起きる。聴力低下には先天性と後天性がありますが、後天性のものには加齢によるものと、騒音によるものがあります。
- 加齢によるものを加齢性難聴(老人性難聴)
- 長時間騒音に曝露することによる聴力低下を騒音性難聴
(5)については
C5デップ
- 騒音性難聴(職業性難聴)の初期の特徴、縦軸に聴力レベル、横軸に
周波数をとってグラフ(オ―ジオグラム)で聴力を調べると5番目のCの音付近(およそ4000Hz)付近の聴力が低下し、
グラフにくぼみができることから騒音性難聴の特徴をC5デップという。
これを見れば4k付近でくぼみができでいるのがわかります。
上記図は覚えよう
- 令和元年問題31
- 平成28年問題34
- 平成27年問題32
問題34
振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 全身振動の知覚は、内耳の前庭器官と三半規管が関係している。
- 振動の知覚は、皮膚、内蔵、関節等、全身に分布する運動神経末端受容器によりなされる。
- 全身振動の大きさの感覚は、振動継続時間によって異なる。
- 振動レベルの単位は、dB(デシベル)である。
- 白ろう病は、手持ち振動工具による指の血行障害である。
答え【2】
(2)の振動の知覚は、皮膚、内蔵、関節等、人の全身に分布する知覚神経末端受容器によりなされる。(5)の白ろう病は、木などを切る際のチェ―ンソ―等の手持ち振動工具、振動機器を扱う特定の職業の人に起こる指の皮膚の血行障害です。
- 平成29年問題34
問題35
発光ダイオ―ド(LED)の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 小型・軽量である。
- 熱に弱い。
- 拡散しやすい。
- 寿命が長い。
- 高効率である。
答え【3】
(3)が誤りです。発光ダイオ―ド(LED)の性質に関する特徴を以下に示していますので覚えましょう。
- 小型軽量
- 高効率・長寿命
- 指向性が強い
- 熱に弱い
- 白色光(可視光線のすべての波長の光を均等に含む光)光源として利用できる
- 平成28年問題35
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