令和1年度空気環境の調整「過去問題解説2」
問題51
下の図のように、風上側と風下側にそれぞれ一つの開口部を有する建築物における外部の自然風のみによる自然換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 換気量は、外部の自然風の風速に比例する。
- 換気量は、開口部①と②の風圧係数の差に比例する。
- 開口部①と②の両方の開口面積を2倍にすると、換気量は2倍になる。
- 風下側に位置する開口部②の風圧係数は、一般的に負の値となる。
- 流量係数は、開口部の形状に関係する。
答え【2】
上の式は外部の自然風による自然換気の換気量を求める式です。
ここで
Q:換気量、α:流量係数、A:開口部の面積、v:風速、C1:風上側開口部の風圧係数、C2:風下側開口部の風圧係数
この式はそのまま覚える必要があります。
この式より
風力による換気量は、風速、開口面積に比例し、風圧係数の差の平方根に比例することが分かります。
従って(2)が誤りです。
- 令和2年問題50
- 平成28年問題53
- 平成27年問題52
問題52
下の図は、暖房時の各種吹出方式による室内気流を示したものである。暖房時に好ましい方式の室内気流の組合せとして、最も適当なものはどれか。
- AとC
- BとD
- AとD
- BとD
- CとD
答え【2】
答えは(2)になりBとDになります。結論から言うと答えはBとDになります。
- A:冷房時の側壁上部からの水平吹き出し方式
- B:暖房時の側壁下部からの水平吹き出し方式
- C:冷房時の天井からの水平吹き出し方式
- D:暖房時の天井からの下向き吹き出し方式
Dは居住域部分に一部速度の速い領域が生じるが、温度分布は一様になりやすい。吹き出し速度が小さく、噴流が床面に到達しない場合は、噴流下部が停滞し、大きな上下温度差が形成される。
試験対策としては、この図と気流の流れを覚える必要があります。
この問題はビル管理士の講習テキストにそのまま載っている内容ですのでそのまま覚えましょう。
- 令和2年問題51
- 平成30年問題53
- 平成29年問題53
- 平成28年問題52
- 平成27年問題54
問題53
平成14年に厚生労働省が公表した「分煙効果判定基準策定検討会報告書」による、分煙に関する次の文章の[ ]内の語句のうち、最も不適当なものはどれか。
[(1)局所換気]により、たばこ煙中の粒子状及びガス状汚染物質の漏れ出しが隣室にないようにするため、非喫煙場所から喫煙場所方向に一定の空気の流れ([(2)0.1m/s以上])があることを判定の基準として提案している。また同時に、喫煙場所と非喫煙場所との境界においてデジタル粉じん計を用いて経時的に[(3)浮遊粉じん濃度]の変化を測定し、漏れ状態を確認する。さらに、喫煙場所内の浮遊粉じん濃度は、[(4)0.15mg/m3以下]であること、一酸化炭素濃度が、[(5)10ppm以下]であることを確認する。
- (1)局所換気
- (2)0.1m/s以上
- (3)浮遊粉じん濃度
- (4)0.15mg/m3以下
- (5)10ppm以下
答え【2】
(2)は0.2m/s以上が正しい。【参考資料】
問題54
揮発性有機化合物(VOCs)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- VOCsとは、常温常圧で空気中に容易に揮発する有機化合物のことである。
- 室内の発生源として、洗剤、防臭剤、塗料、接着剤、ワックス等がある。
- トルエンは、建築物衛生法により基準値が定められている。
- VOCsは、その物質の沸点を基準にVVOC、VOC、SVOC等に分類される。
- TVOC(総揮発性有機化合物)は、厚生労働省により暫定目標値が定められている。
答え【3】
ビル管理法にはトルエンの基準値は定められていません。
管理基準値 | ||
---|---|---|
浮遊粉じんの量 | 0.15mg/m3以下 | |
一酸化炭素の含有率 | 10ppm以下(100万分の10以下) | |
二酸化炭素の含有率 | 1000ppm以下(100万分の1000以下) | |
温度 | 17℃~28℃ | |
相対湿度 | 40~70% | |
気流 | 0.5m/s以下 | |
ホルムアルデヒド | 0.1mg/m3以下 |
問題55
ある室において、在室者数6人、在室者1人当たりのCO2発生量0.022m3/h、室内CO2許容値1,000ppm、外気CO2濃度400ppmのとき、必要換気量[m3/h]として最も近いものは次のうちどれか。ただし、室内は、定常状態で完全混合(瞬時一様拡散)とする。
- 40m3/h
- 120m3/h
- 180m3/h
- 220m3/h
- 330m3/h
答え【4】
まず整理します。今わかっているものは
- 在室者数6人
- 在室者1人当たりのCO2発生量0.022m3/h
- 室内CO2許容値1,000ppm
- 外気CO2濃度400ppm
換気量を求める式は以下になります。
- C1:室内の二酸化炭素濃度が1000ppm
- C0:外気二酸化炭素濃度は400ppm
- M:在室者一人当たりの二酸化炭素発生量は0.022m3/hで6人在室しているので
0.022m3/h x 6 =0.1320になります。
従って計算していくと以下のようになります。
10-6=0.000001
ですので
以下のようになります。
従って
220m3/h
になります。
- 令和2年問題56
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