令和1年度建築物の環境衛生「過去問題解説1」
問題21
環境基本法で定める環境基準に関する次の条文の[ ]に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
「政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び[ ア ]に係る環境上の条件について、それぞれ、[ イ ]を保護し、及び[ ウ ]を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。」
- (ア)騒音―――――(イ)生態系―――――(ウ)自然環境
- (ア)温暖化――――(イ)人の健康――――(ウ)国土
- (ア)騒音―――――(イ)人の健康――――(ウ)生活環境
- (ア)海洋の汚染――(イ)文化的な生活――(ウ)生活環境
- (ア)海洋の汚染――(イ)生態系―――――(ウ)国土
答え【3】
環境基本法 第16条「政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び[ 騒音 ]に係る環境上の条件について、それぞれ、[ 人の健康 ]を保護し、及び[ 生活環境 ]を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。」
典型7公害を理解できていればアに入るのが騒音だとわかるのでその時点で解答は(1)か(3)になります。
イとウもなんとなくわかる問題と思います。
環境基本法で定義されている公害。
- 大気汚染
- 水質汚濁
- 土壌汚染
- 騒音
- 振動
- 地盤沈下
- 悪臭
問題22
環境衛生に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 許容限界とは、生物が耐えきれなくストレス強度の限界のことである。
- 労働者の有害物質による健康障害を予防するために、許容濃度が日本産業衛生学会より勧告されている。
- 有害物による特定の反応において、曝露量が増加すると陽性者の率は増加する。
- 集団の反応率と有害物への曝露量との関係を、量―影響関係という。
- 学校における環境衛生の基準は、学校保健安全法で定められている。
答え【4】
集団の反応率と有害物への曝露量との関係を、量-反応関係という。- 量-影響関係は個体に及ぼす影響と有害物への曝露量との関係
- 量-反応関係は集団の反応率と有害物への曝露量との関係
問題23
体温に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 発汗反応は、行動性体温調節の一つの反応である。
- 平均皮膚温は、各部位の皮膚温をそれぞれの面積で重みづけした平均の値である。
- 核心温は、ホメオスタシスによって約37℃に保たれている。
- 体温調節は、自律性体温調節と行動性体温調節に分類される。
- 外気温(22~25℃)では、手足より顔の皮膚温は高い。
答え【1】
答えは(1)ですが、
(4)でもあるように体温調節には自律性体温調節と行動性体温調節に分類される。
空調設備を使用する。冷たい飲食物を飲む。衣服を脱ぐ。これが行動性体温調節
人の体温は平均して36℃~37℃程度で維持されている。1日のうちで早朝は低く夕方は高い。
気温が23℃のとき
- 足の皮膚温が25℃
- 手が30℃
- 顔が34℃
- 直腸温が36℃
- 令和2年問題23
- 平成28年問題24
- 平成27年問題22
問題24
WBGT値に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 熱中症予防のため、スポ―ツ時のガイドラインとして利用されている。
- 職場の暑熱基準として利用する場合、作業強度を考慮する必要がある。
- 作業者の熱への順化度に関わらず、作業強度に応じた基準値は同じ値である。
- 着用する衣服の種類に応じて補正する必要がある。
- 屋外で太陽照射がある場合、気温と自然湿球温度、黒球温度から求められる。
答え【3】
そもそもWBGTとは何かといいますと暑さ指数のことで、暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。答えは(3)になります。
熱への順化について
つまり、熱に慣れてその環境に適応できるようになることを意味します。
WBGTの身体作業強度別の基準値は、作業者の熱への順化度によって異なる。となっています。
熱に慣れている人と熱に慣れていない人では同じ基準値にしていれば熱に慣れていない人の方が熱中症になるリスクが高くなるからです。
WBGT熱ストレス指数の基準値表
(参考資料)
代謝量、着衣量、気流、湿度、空気温度、放射温度の6つを人体の熱的快適感に影響する主要な温熱環境要素という。
人間はこれらの温熱環境要素を個々に区別して暑い寒いと感じているわけではなく、それらを複合した結果を感じている。温度環境指数 | 乾球温度・湿球温度・気流 |
有効温度 | 乾球温度・湿球温度・気流 |
不快指数 | 乾球温度・湿球温度 |
新有効温度 | 乾球温度・湿球温度・黒球温度・気流・作業強度・着衣量 |
WBGT指数 | 乾球温度・湿球温度・黒球温度 |
測定器を用いて計測した示度を指標とする指数 | 湿球温度、カタ冷却力、黒球温度 |
実験・経験に基づく指数 | 有効温度、修正有効温度、不快指数、湿球黒球温度(WBGT) |
熱平衡式に基づく指数 | 作用温度、予測平均温冷感申告(PMV)、新有効温度 |
- 令和2年問題24
- 平成27年問題23
問題25
ヒトの熱収支に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 日本人(30歳代)の平均的基礎代謝量は、男子が女子よりも大きい。
- 日本人の基礎代謝は、冬が低く夏は高い。
- 着衣の保温性を表す量として、クロ値(clo)がある。
- 蒸発は、水分が皮膚より気化するときに潜熱で皮膚表面の熱を奪う現象である。
- 不感蒸泄により、皮膚表面から常に水分が蒸散している。
答え【2】
基礎代謝とは、安静時に使われるエネルギ―消費量のこと。生きている動物の体内では、運動などをせずにじ―っとしている状態でもエネルギ―が消費されています。その消費量がどのくらいかを表すのが「基礎代謝量」です。相当するエネルギ―量(熱量)は、成長期が終了して代謝が安定した一般成人で、1日に女性で約1,200、男性で約1,500キロカロリ―(kcal)とされている。
- 男性の方が女性よりも多く
- 冬が高く夏が低い
一番基礎代謝が高くなる季節は冬で、体が寒さに耐えようと積極的にエネルギ―を作り出し、体内で熱を放出します。反対に夏は暑いため、相対的に代謝が低くなり、体は冷えやすく太りやすい状態になってしまうのです。
ヒトの体温は常に36℃~37℃に維持されています。
冬はどうしても体温を36℃~37℃に維持するためには多くのエネルギ―を消費するため基礎代謝が高いということですね。
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