平成30年度清掃「過去問題解説3」
問題151
清掃作業に使用する洗剤に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 洗剤の助剤は、界面活性剤の表面張力を高めて洗浄力を向上させる。
- アルカリ性の洗剤は、尿石や水垢等の除去に有効である。
- アルカリ性の剥離剤は、清掃作業者の皮膚をおかす恐れがある。
- 樹脂床維持剤の皮膜手入れ用の表面洗剤は、よく泡立つように作られている。
- 洗剤は、高濃度で使用するほうがよい。
答え【3】
正しいのは(3)です。(1)の助剤は、ビルダと呼ばれる洗剤の効果を高め、その作業を補うものである。界面活性剤の表面張力を弱め、pHの調整、洗浄力を阻害するカルシウム、マグネシウムの封鎖等、汚れの再付着の防止等の作用を持つ。
(2)は尿石や水垢等の除去に有効なのは酸性洗剤です。
(4)の表面洗剤は、床面に塗布した樹脂床維持剤の皮膜の手入れ用として作られたもので、成分的には一般洗剤とそれほど変わらないが、皮膜に影響を与えずに表面の汚れだけを除去するために、弱アルカリ性で使用後の拭き取りなどの処理が楽になるように泡立が少ないようにしてある。
(5)ですが、洗剤には洗浄効果が出やすい適正な濃度があり、高濃度でも低濃度でもよくありません。
洗剤については以下を参照ください。
問題152
硬性床材の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 大理石は、耐酸性、耐アルカリ性に乏しい。
- 花崗岩は、耐熱性に乏しい。
- コンクリ―トは、耐酸性に乏しい。
- テラゾは、耐酸性に優れる。
- セラミックタイルは、耐酸性、耐アルカリ性、耐摩耗性に優れる。
答え【4】
(4)はテラゾは耐酸性に乏しいが正解です。
種類 | 特徴 |
---|---|
大理石 | 吸水率は低く、耐酸性、耐アルカリ性に乏しい |
花崗岩 | アルカリ、酸、油には耐性があるが耐熱性に乏しい |
テラゾ | 耐酸性に乏しい |
モルタル・コンクリ―ト | 耐酸性に乏しく表面の凸凹が激しい |
セラミックタイル | 耐酸性、耐アルカリ性があり、耐磨耗性も大きい |
問題153
弾性床材の特徴と維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 床維持剤の黒ずみが生じてきたら、床維持剤の剥離作業をし、再生させる。
- 塩化ビニルシ―トは、床維持剤の密着不良が起きやすい。
- 日常清掃では、ダストモップなどを用いて、土砂やほこりを除去する。
- スポットクリ―ニングでは、汚れが激しい箇所を部分的に洗浄し、床維持剤を塗布する。
- 塩化ビニルタイルは、アルカリ性洗剤に弱い。
答え【5】
塩化ビニルタイルは、剥離剤・洗剤に対して耐性が大きい。
種類 | 特徴 |
---|---|
リノリウム リノタイル | アルカリ性洗剤・水に弱い |
塩化ビニルタイル | 剥離剤・洗剤に対して耐性が大きい |
ゴムタイル | 耐磨耗性に優れる。 溶剤・強アルカリ性洗剤に影響される。 |
アスファルトタイル | 耐水性あり、耐溶剤性に乏しい |
塩化ビニルシ―ト | 剥離剤・洗剤に対して耐性が大きい |
問題154
清掃作業におけるドライメンテナンスに関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- ウェットメンテナンス法に比べ、作業の安全性に劣る。
- ウェットメンテナンス法に比べ、使用する資機材が多い。
- 床材への熱影響に注意が必要である。
- ドライバフ法は、研磨剤を含んだフロアパッドで磨き、光沢度を回復させる作業である。
- ドライバフ法で用いる床みがき機は、回転数が低いほど、光沢回復が簡単にできる。
答え【3】
正しいのは(3)です。ウェットメンテナンス法とドライメンテナンス法の大きな違いは
ウェット=ぬれたり湿ったりしていること。
ドライ=水気がないこと。水分が少ないこと。
つまり、ウェットメンテナンス法は洗剤を塗布し、床磨き機で洗浄する。
ドライメンテナンス法は水を極めて少なくて良いのが特徴です。
ドライメンテナンス法のメリットデメリットは以下です。
ドライメンテナンスのメリット
- 日中でも作業が可能で、日常作業に組み込むことができる。
- 水や洗剤を使用しない。(安全性が高い・・すべり、転倒など)
- 汚れた水をまき散らさない(環境汚染の問題が少ない)
- 前方に進む作業が主になるので、安全作業の導入が容易。
- 使用する資機材が少ない(作業費用の削減ができる)
- 個別作業が可能(単独作業ができる)
- 工程数が少ない。
- 個人の能力に合わせて作業ができる。
- 技術の向上により作業効率が上がる。
- 作業の標準化。システム化がしやすい。
- 一定期間を通じての平均的美観度は高い。
- 部分補修がしやすい。
- 予防清掃である。
ドライメンテナンスのデメリット
- 開店中あるいは就業時間中の作業に対する理解が必要になる。
- 床材への熱影響に注意が必要
- 評価基準を定める必要がある。
- ポリッシャ―の台数が相当必要。
- 初期費用が高い。
- 教育・研修が必要。
- 綿密な作業計画が必要となる。
問題155
床以外の清掃作業に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 人の手による汚れは、化学繊維を使った製品(マイクロファイバ―クロスなど)を用いると除去しやすい。
- 階段の壁面は、他の場所より、ほこりの付着度合いが高い。
- トイレの清掃用具は、便器に使用するものと洗面器に使用するものとは区別する。
- 湯沸室に使用する資機材は、湯沸室専用として、他の場所と区別する。
- ドア・エレベ―タスイッチ等は、冬期は夏期に比べ手垢が付きやすくなる。
答え【5】
(5)が不正解です。夏期は汗などの影響で手垢が付きやすい。
冬期は綿ほこりが付きやすい。
(2)の階段は建築物内で最もほこりが集中するところの一つです。従って付着度合いが高い。
後の選択枠は覚えましょう。
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