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平成30年度建築物の構造概論「過去問題解説2」

問題96

建築物の荷重又は構造力学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 床の構造計算をする場合、事務室の積載荷重は、住宅の居室の積載荷重より小さく設定されている。
  2. 積雪荷重は、作用時間により常時荷重(長期)と非常時荷重(短期)に分類される。
  3. 曲げモ―メント荷重は、部材のある点を湾曲させようとする荷重である。
  4. 単純支持形式において、部材の一端は回転端、もう一端は移動端で支持されている。
  5. トラス構造の部材の接点は、ピン接点として取り扱われる。


解説

答え【1】

これは、「建築基準法 施行令第85条」に記載されています。

床の構造計算をする場合
[単位N/m2]
大ばり、柱または基礎の構造計算をする場合
[単位N/m2]
地震力を計算する場合
[単位N/m2]
住宅の居室、住宅以外の建築物における寝室または病室1,8001,300600
事務室2,9001,800800
教室2,3002,1001,100
百貨店または店舗の売り場2,9002,4001,300


ここがポイント

積載荷重とは、主として床、はり等の載せられる荷重のうち、人間、家具・物品等の重量のことです。
つまりイメ―ジが付きやすいと思いますが事務所や百貨店などは多くの机やテ―ブル等が多くありますのでその分床の構造計算をする場合は大きくしなければいけないということですね。


類似問題

問題97

建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. コンクリ―トは、硬化時に収縮亀裂が生じやすい。
  2. セメントペ―ストは、水とセメントを練り混ぜたものである。
  3. 鋼材は、アルミニウム材料より熱を伝えやすい。
  4. 床の仕上げ材には、耐摩擦性、防水性、防音性、踏み心地の良さ等が要求される。
  5. コンクリ―トの水セメント比は、一般に40~65%程度である。


解説

答え【3】

熱を伝えやすさを表すことを熱伝導率と言います。
熱が伝えやすい。ということは熱伝導率が高い事になります。
そもそも鋼材、アルミニウムはどちらも金属なので熱伝導率は高い物質になります。
しかし、鋼材が45W/(m・K)なのに対して、アルミニウムは210W/(m・K)で5倍以上高い。
ここがポイント

因みに熱伝導率が低いとは、熱の伝わりにくいことになり良く断熱材(グラスウ―ル)などに使用されることがあります。


類似問題

問題98

建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 鉄鋼の線膨張係数は、コンクリ―トとほぼ等しい。
  2. 木材は、菌類発生に必要な養分、湿気、空気及び温度の4要素があると腐朽する。
  3. 下地材料は、構造躯体と仕上げの中間に用いられる。
  4. カ―テンウォ―ルは、建築物の耐力壁として使用される。
  5. レイタンスは、打設したコンクリ―トの硬化時に、石炭岩や骨材の微粒粉が表面に層状になったものである。


解説

答え【4】

カ―テンウォ―ルは、建築構造上取り外し可能な壁であり、建物の自重および建物の荷重は、すべてラ―メン構造(柱、梁)で支える、但し、稀に床、屋根等にも荷重負担させる事があり、建物の荷重を直接負担しない壁をいう。間仕切り壁と同様の非耐力壁である。
ここがポイント


類似問題

問題99

建築生産に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 一般競争入札は、工事内容、入札条件等を公示して行われる。
  2. 建築工事の工程は、仮設、地業、躯体仕上げの各工事に大別される。
  3. 建築工事において下請負業者の多くは、職別業者又は設備業者である。
  4. 建築生産は、注文生産、一品生産、現場生産の多いことが特徴である。
  5. 工事監理は、施工者が建築主の委託を受けて代行することが多い。


解説

答え【5】

「工事管理」とは、、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかを確認することをいいます。

(5)の正しくは
工事監理は、設計者が建築主の委託を受けて代行することが多い。

この場合の設計者とは
その者の責任において、設計図書を作成した者
(構造関係規定又は設備関係規定に適合することを確認
した構造設計 1 級建築士又は設備設計 1 級建築士を含む)
と定義されています。
ここがポイント


類似問題

問題100

建築物の電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 実効値100Vの交流電圧は、ピ―ク時の電圧が約140Vである。
  2. 受変電設備の容量は、建築物内部の電気設備の負荷合計に利用率を乗じて求める。
  3. 電線の配電距離が長くなると、電圧の低下を招くことがある。
  4. 磁束密度は、電流の強さとコイルの巻き数との積に比例する。
  5. 電気事業法に規定される電圧種別のうち特別高圧に区分されるのは、交流にあっては600Vを超えるものである。


解説

答え【5】

特別高圧は7000Vを超えるものである。
ここがポイント

電気設備技術者基準の定める電圧区分
区分交流直流
低圧600V以下のもの750V以下のもの
高圧600Vをこえ7,000V以下750Vをこえ7,000V以下
特別高圧7,000Vを超えるもの7,000Vを超えるもの


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