平成30年度空気環境の調整「過去問題解説9」
問題86
振動と遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 固体伝搬音問題には振動が関与する。
- 対象振動が正弦波の場合、振動加速度の実効値は、最大振幅の1/√2で求められる。
- コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は増加する。
- 床仕上げ材は、柔らかくなるほど、軽量床衝撃音の減衰性能が向上する。
- 建築物内で感じる道路交通による振動は、不規則で変動も大きい。
答え【3】
コインシデンス効果が生じるとき、音の入射波の板に平行な成分と板の屈曲波の位相が一致し共振状態と同様の状態となり、透過損失が低下する。(4)の軽量床衝撃音とは床上にナイフやフォ―クを落としたり、テ―ブルを引きずったりしたとき、下室に発生する衝撃性騒音の事です。
それに比べて重量床衝撃音とは人が床上で飛び跳ねたり、小走りを行ったりした場合、下階住戸に発生する床衝撃音のことです。
- 令和2年問題83
- 令和元年問題83
- 平成29年問題87
問題87
光・照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 光が当たった物体の境界面が平滑な場合、光は正反射して光沢となる。
- 建築化照明とは、照明器具を建築物の一部として天井、壁等に組み込んだ照明方式である。
- 間接昼光率は、室内反射率の影響を受ける。
- 天窓は、同じ面積の側窓より多くの光が得られる。
- 色温度が高くなると、光色は青→白→黄→赤と変わる。
答え【5】
色温度とは、ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)である。単位には熱力学的温度の K(ケルビン) を用いる。色温度の光色は「赤 → 黄 → 白 → 青」と変わります。
つまり青が一番温度が高いことになります。
色温度 | 単位(ケルビン) | 色味 |
---|---|---|
電球色 | 約3000K | 暖色系(黄色やオレンジ色) |
白色 | 約4200K | 白色 |
昼白色 | 約5000K | |
昼光色 | 約6500K | 寒色系(青色) |
- 令和2年問題86
- 令和2年問題89
- 令和元年問題87
問題88
各種光源の相対分光分布を下の図中に示している。最も適当な組合せは次のうちどれか。
- (A)白熱電球――――――(B)照明用LED―――――(C)北の青空光
- (A)白熱電球――――――(B)北の青空光――――(C)照明用LED
- (A)北の青空光―――――(B)照明用LED―――――(C)白熱電球
- (A)北の青空光―――――(B)白熱電球―――――(C)照明用LED
- (A)照明用LED――――――(B)白熱電球―――――(C)北の青空光
答え【3】
光にも色があり、光の色は380~780nmの可視域のうちどの波長域に分布しているか(分光分布)によって決まります。下図は 北の青空光、照明用LED、白熱電球の分光分布を示しています。
問題89
点光源直下2.0mの水平面照度が300lxである場合、点光源直下3.0mの水平面照度として、最も近いものは次のうちどれか。
- 100lx
- 130lx
- 200lx
- 450lx
- 670lx
答え【2】
この手の問題が出たらそのまま解き方を覚えましょう。サ―ビス問題なので
整理すると
点光源直下2.0mのときの水平面照度が300lxです。
だったら
点光源直下3.0mの水平面照度は何lxになるの?
になります。
- 令和元年年問題88
- 平成30年問題89
問題90
光環境の保守に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 保守率は、照明施設をある期間使用した後の作業面上の平均照度と初期平均照度との比で表される。
- 周辺環境の清浄度が同じ場合、下面開放形の照明器具よりも、完全密閉形の照明器具の方が設計光束維持率が低い。
- 蛍光ランプは、白熱電球やHIDランプ(高輝度放電ランプ)と比べ、周辺温度による光束変動が大きい。
- 水銀ランプやメタルハライドランプに光束は、白熱電球や蛍光ランプ、高圧ナトリウムランプよりも点灯姿勢による影響を受けやすい。
- 照明器具の清掃間隔は、汚れによる照度低下によって損失する照明費をちょうど1回分の清掃費で相殺できる期間が、最も経済的な清掃間隔である。
答え【2】
まず、光源の設計光束維持率は、点灯時間の経過に伴う光源自体の光束減退などによる照度低下を補償するための係数のことです。照明器具の種類には露出形、下面開放形、簡易密閉形、完全密閉形に分類分けできます。結論から言うと完全密閉型の方が下面開放形の照明器具よりも設計光束維持率が高いです。
買い物は楽天市場