平成30年度空気環境の調整「過去問題解説8」
問題81
空気調和・換気設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 物理的劣化とは、機器の持つ機能と時代とともに高度化していく要求機能との乖離(かいり)が次第に大きくなることをいう。
- 点検、整備、検査、修理を行う業務は保全業務に位置づけられる。
- 予防保全は、部品の劣化を保全計画に組み入れて計画的に修理、交換する方法である。
- 維持管理の目的として、故障、事故の発生の予知、危険、災害の未然防止がある。
- 平均故障間隔(MTBF)とは、システム、機器、部品等で発生する故障間の動作時間の平均値をいう。
答え【1】
劣化には物理的劣化、社会的劣化、機能的劣化などが挙げられます。「機器の持つ機能と時代」という時点で物理的ではないような気がしますよね。
物理的劣化とは、時間経過や繰り返し使用されることに伴う化学的・物理的変化により、品質や性能が損なわれることを指します。
簡単にいうと老朽化のことです。
それに比べて社会的劣化とは、時代とともに製品も進化していき旧製品の価値が下がっていくことです。
問題82
冷却塔と冷却水の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 冷却塔に供給する水は、水道法第4条に規定する水質基準に適合していることが求められる。
- スケ―ル防止剤、レジオネラ属菌の殺菌剤等を含有するパック剤は、冷却水中に薬剤が徐々に溶け出す加工がされていて、効果は約1年間持続する。
- 冷却塔及び冷却水は、使用開始時及び使用期間中の1ヵ月以内ごとに1回、定期に、汚れの状況を点検する。
- 連続ブロ―などの冷却水濃縮管理は、スケ―ル防止に有効である。
- 開放型冷却塔では、一般に循環水量の2%程度の補給水量を見込んでおく必要がある。
答え【2】
パック剤は、良く持って1ヵ月から3ヵ月です。
- 令和2年問題81
- 令和元年問題82
- 平成29年問題79
- 平成28年問題84
- 平成27年問題84
問題83
音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 音速は、波長を周波数で除して求められる。
- A特性音圧レベルとは、人間の聴覚の周波数特性を考慮した騒音の大きさを表す尺度である。
- 音に対する人間の感覚量は、音の強さの対数で表される。
- 純音の瞬時音圧は、単一の正弦関数で表される。
- 面音源であっても、音源から十分離れた場所では、点音源に対する減衰特性を示す。
答え【1】
音速は、波長に周波数を乗じた値です。問題84
騒音と振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 道路交通振動に対する振動規則は、昼間より夜間の方が厳しい。
- 点音源の場合、音源までの距離が10倍になると、音圧レベルは約20dB減衰する。
- 防振溝は、回折減衰効果を利用した振動対策の方法である。
- 対象騒音が暗騒音より10dB以上大きい場合は、測定音を対象騒音と判断して良い。
- 不規則かつ大幅に変動する振動に対する振動規則法による規制基準は、最大の振動加速度レベルによって定められている。
答え【5】
不適当なのは(5)になります。これは、振動規則法に以下のように記載されています。
測定器の指示値が不規則かつ大幅に変動する場合は、5秒間隔で100個又はこれらに準ずる間隔及び個数の測定値の80%レンジの上端の数値と定められています。
また(2)ですがこれも是非覚えてほしいのですが
同じ振動レベルの機械を2台 | +3dB |
同じ振動レベルの機械を4台 | +6dB |
同じ振動レベルの機械を8台 | +9dB |
同じ振動レベルの機械を10台 | +10dB |
点状の騒音源から2倍の距離 | -6dB |
点状の騒音源から10倍の距離 | -20dB |
線状の騒音源から2倍の距離 | -3dB |
線状の騒音源から10倍の距離 | -10dB |
防振溝
防振溝は、道路交通振動など建物外からの振動対策として設けられる。
主要な振動は地表に沿って伝わると考えられるため、溝のようなもので遮断する。
その溝のことを防振溝という。
溝が深いほど振動を防止することができる。
回拆減衰効果
音源からの騒音低減の方法として、遮音塀を作ることも有効である。
感覚的には、これで音が届かないように見えるが、音は波の性質があり、遮音塀にて回折と言う音の回り込みという現象が発生し、受音点にて音が聞こえる。例えるなら、川の流れと垂直に板を差し込むとその先端で渦を巻き、板の裏側にその波の影響を受けるのとほぼ同じと考えです。。
- 令和2年問題82
- 令和元年問題84
- 平成29年問題88
問題85
音圧レベル70dBの音源室と面積10m2の隔壁で仕切られた等価吸音面積(吸音力)20m2の受音室の平均音圧レベルを40dBにしたい。このとき、隔壁の音響透過損失として確保すべき値に最も近いものは次のうちどれか。 なお、音源室と受音室の音圧レべルには以下の関係がある。
ただし、L1,L2は音源室、受音室の平均音圧レベル[dB]、A2は、受温室の等価吸音面積[m2]、Sωは、音の透過する隔壁の面積[m2]、TLは、隔壁の音響透過損失[dB]である。ただし、log102=0.3010、log103=0.4771とする。
- 24dB
- 27dB
- 30dB
- 33dB
- 43dB
答え【2】
与えられた式に代入していくだけですがまずは整理します。L1=70dB
L2=40dB
A2=20m2
Sω=10m2
求めるのがTLになります。
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