平成30年度空気環境の調整「過去問題解説3」
問題56
微生物とアレルゲンに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ウイルスは、結露水中で増殖しやすい。
- 真菌は、環境微生物として捉えられる。
- 空気調和機内は、微生物の増殖にとって好環境となる。
- アルテルナリアは、カビアレルゲンとして挙げられる。
- ヒョウヒダニの糞と死骸は、ダニアレルゲンになる。
答え【1】
ウイルスは、結露水中で増殖しない。結露水で増殖するのは主にカビなどの真菌類です。
ウイルスは、生きている細胞中でしか増殖できません。
- 令和2年問題58
- 令和元年問題57
- 平成29年問題59
- 平成28年問題61
- 平成27年問題60
問題57
図は空気線図上に状態点Aから湿球温度、比エンタルピ―、比容積が同じとなる方向を矢印で示している。それぞれの矢印が示す要素として、正しい組合せは次のうちどれか。
- (ア)湿球温度――(イ)比エンタルピ――――(ウ)比容積
- (ア)湿球温度――(イ)比容積――――(ウ)比エンタルピ―
- (ア)比エンタルピ――――(イ)湿球温度―――(ウ)比容積
- (ア)比エンタルピ――――(イ)比容積―――(ウ)湿球温度
- (ア)比容積――――(イ)湿球温度―――(ウ)比エンタルピ―
答え【3】
この問題はある程度空気線図の理解が必要になります。図は横軸に乾球温度、縦軸に絶対湿度を表しています。
そこで、そこでA点を基準に各要素についてわかりやすく以下の図に示します。
この図からもわかるように(ア)が比エンタルピ―(イ)が湿球温度(ウ)が比容積になります。
上記図は覚えておくと便利ですので覚えておきましょう。
問題58
次の熱負荷のうち、一般に暖房時に無視するものはどれか。
- 外壁からの構造体負荷
- ガラス面の熱通過負荷
- 送風機による負荷
- 隙間風負荷
- 配管による負荷
答え【3】
送風機による負荷とポンプによる負荷は暖房時は特に影響が少ないということで無視できます。
- 令和元年年問題59
- 平成29年問題63
- 平成28年問題64
- 平成27年問題63
- 平成27年問題64
問題59
空気調和に関する用語として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 顕熱比
- 熱水分比
- ブリ―ジング
- コンタクトファクタ
- 混合損失
答え【3】
ブリ―ジングとは、コンクリ―トの混練(こんれん)の際に使用した水が、打設(だせつ)後に砂やセメント、骨材など重いものが沈下することにより分離して浮き上がる現象のことを指す。空気調和には関係ありません。
- 顕熱比とは全熱=顕熱+潜熱 顕熱比=顕熱/全熱 別の表現によれば、ある空間を冷房する場合、顕熱負荷が、全熱負荷に占める割合をいう。
- 熱水分比とは、空気に出入りする水蒸気によって、空気の持っている熱エネルギ―がどれほど変化するかを示すものです。簡単に説明すると、エンタルピの変化量と絶対湿度の変化の比のことをいいます。
- コンタクトファクタ冷却コイルにおいて、コイル通過風量のうち、フィンやチュ―ブ表面と接触して通過した風量の比率。1からバイパスファクタを除した値。
- 空調方式によっては冷暖空調空気の混合損失が生じる。
- 平成27年問題65
問題60
湿り空気の状態変化に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 単純加熱操作では、露点温度は変化しない。
- 単純冷却操作では、相対湿度は上昇する。
- 冷却除湿操作では、絶対湿度は低下する。
- 液体吸収除湿操作では、乾球温度は低下する。
- 水噴霧加湿操作では、露点温度は上昇する。
答え【4】
不適当なのは(4)です。(4)の液体吸収除湿というのは、水分を吸収する性質をもつ物質(塩化リチウム等の吸収剤)を空気と接触させることで空気中の水分を吸収して除湿する方法です。
水分を含んだ吸収剤は加熱すると吸収した水分を放出するので再び水分を吸収することができます。
また吸収材は水分を吸収する時に吸収熱を放熱するので除湿された空気の温度が上がります。
つまり乾球温度が上がります。
(3)の冷却除湿とは、いわゆる冷却器等(コイル)で空気中の水分を結露させて除湿する方式です。
この場合は絶対湿度は下がり冷却によって乾球温度も下がります。
水の噴霧によって絶対湿度が上昇するので、露点温度は上昇します。噴霧した水が気化する際に気化熱を吸収し、乾球温度は下がります。
- 令和元年問題61
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