平成30年度空気環境の調整「過去問題解説2」
問題51
ダクト内気流速度を4.0m/sであったとすると、この気流の動圧(速度圧)の値として、最も適当なものは次のうちどれか。ただし、ダクト内の空気の密度は1.2kg/m3とする。
- 2.4Pa
- 9.6Pa
- 19.2Pa
- 38.4Pa
- 76.8Pa
答え【2】
流体力学におけるエネルギ―保存の法則はベルヌ―イの定理と呼ばれ、以下の式で表されます。
ただし、ρ:密度、U:速度、P:圧力(静圧)、g:重力加速度、h:高さ、H:全圧とする。
従って今回は気流の動圧(速度圧)の値を求めるわけなので
- ダクト内気流速度:4.0m/s
- ダクト内の空気の密度:1.2kg/m3
になります。
問題52
流体力学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 無秩序な乱れによる流体塊の混合を伴う流れを乱流という。
- 直線ダクトの圧力損失は、ダクト長さの2乗に比例する。
- 摩擦のない理想流体では、ベルヌ―イの定理が成立する。
- 慣性力の粘性力に対する比を表す無次元数がレイノルズ数である。
- ダクトの形状変化に伴う圧力損失は、形状抵抗係数と風速の2乗に比例する。
答え【2】
直線ダクトの圧力損失は、ダクトの長さに比例します。これと合わせって
直線ダクトの圧力損失は風速の2乗に比例します。
これは、そのまま覚えておきましょう。
なぜ、直線ダクトの圧力損失は風速の2乗に比例するかを説明すると長くなりますので、致しません。
ビル管理士試験ではそこは問われませんので、このまま覚えてください。
- 令和2年問題49
- 令和元年問題50
- 平成29年問題52
- 平成28年問題51
- 平成27年問題51
問題53
室内気流に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 自由噴流では、吹出口から離れた中心軸速度が、距離に反比例して減衰する領域がある。
- 吸込気流の吸込み速度は、吸込み中心からの距離の2乗におおむね反比例する。
- 天井面に沿った噴流の到達距離は、自由噴流の場合より短くなる。
- ドラフトは、不快な局部気流のことをいい、気流の速度、気流変動の大きさ、空気温度の影響を受ける。
- 低温空気は室の底部に滞留する傾向があり、その傾向を利用した換気方式に置換換気がある。
答え【3】
吹出口からの噴流は周囲の空気を巻き込んで拡がりながら減速していきます。天井面に沿った噴流の場合は天井や壁に沿って、周囲の空気の巻き込みが少なくなり到達距離は長くなります。
置換換気とは低温空気は室の底部に滞留する傾向があることを利用して、室温よりやや低温の空調空気を床面付近に低速で供給し、室空気を床面から押し上げ、天井面付近で排気を行う換気方式です。
- 令和2年問題51
- 令和元年問題52
- 平成28年問題52
- 平成27年問題54
問題54
室内における空気汚染物質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一酸化炭素の発生源は、燃焼器具、たばこ等である。
- 二酸化炭素の濃度が経時的に高くなる場合には、居室の過密使用などが考えられる。
- ホルムアルデヒドの室内の発生源は、コピ―機、レ―ザプリンタ等である。
- 浮遊粉じんの発生源は、たばこ、ヒトの活動、外気等である。
- 二酸化炭素の濃度が経時的に高くなる場合には、居室の過密使用などが考えられる。
答え【3】
(3)はオゾンの説明です。ホルムアルデヒドとは家具や建築資材、壁紙を貼る為の接着剤、塗料などに含まれている化学物質の一つです。
防腐剤としても使用されます。
従って大規模な模様替えや修繕した時に測定が義務つけられています。
しかも夏場に発生するといわれているので、夏場に測定を行います。
- 平成29年問題56
- 平成28年問題60
- 平成27年問題57
問題55
空気清浄化と換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 空気交換効率は、室全体の換気効率を表すものである。
- 電気集じん機は、ガス状物質の除去に利用できる。
- 必要換気量は、人体への影響、燃焼器具への影響、熱・水蒸気発生の影響等から決定される。
- 単位時間当たりに室内に取り入れる新鮮空気(外気)量を室容積で除したものを換気回数という。
- 室内空気の清浄化にとって、換気は重要な役割を果たす。
答え【2】
粒子状物質の除去には各種エアフィルタや電気集じん機が用いられる。あくまでも電気集じん機は粒子状物質の除去です。
ガス状物質の除去には、ケミカルエアフィルタや化学物質に対応した空気清浄装置を使用する以外でには、基本的には新鮮空気で入れ換えて、室内の汚染物質を希釈する。
- 令和2年問題52
- 平成27年問題57
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