平成30年度空気環境の調整「過去問題解説1」
問題46
次の用語とその単位との組合せのうち、誤っているものはどれか。
- 比エンタルピ―――――W/kg(DA)
- 光度―――――――――cd
- 振動加速度――――――m/s2
- 熱伝導率―――――――W/(m・k)
- 音圧―――――――――Pa
答え【1】
比エンタルピ―の単位は、J/kg(DA)もしくはkJ/kg(DA)です。
単語と用語は毎年出題されますのでしっかり抑えておきましょう。
空気環境の調整⑳
- 令和2年問題46
- 平成29年問題46
- 平成28年問題46
- 平成27年問題46
問題47
エアロゾル粒子の一般的な粒径が、大きい順に並んでいるものは次のうちどれか。
- 霧雨――――――――花粉―――――ウイルス
- バクテリア――――ウイルス―――霧雨
- ウイルス―――――霧雨―――――バクテリア
- 花粉―――――――ウイルス―――バクテリア
- ウイルス―――――バクテリア――花粉
答え【1】
この手の問題が出たらまずウイルスを確認しましょう。というのもウイルスはけた違いに小さいので
この問題でも(1)のみがウイルスが一番右に来ているのですぐに答えがわかります。
ウイルス | 0.003~0.05μm |
たばこ煙 | 0.01~1μm |
バクテリア(細菌) | 0.3~20μm |
真菌 | 1~10μm |
ダニアレルゲン | 1~20μm |
胞子 | 10~50μm |
セメントダスト | 3~100μm |
花粉 | 10~100μm |
雨滴(霧滴) | 2~70μm |
海岸砂 | 100~1,000μm |
- 令和元年年問題58
- 平成28年問題55
- 平成27年問題56
問題48
壁体の熱貫流率が4W/(m2・K)であるとき、室内温度が24℃、室外温度が4℃であった。この壁の室内側表面温度に、最も近いものは次のうちどれか。
ただし、室内側熱伝達率を10W/(m2・K)、室外側熱伝達率を20W/(m2・K)とする。
- 8℃
- 12℃
- 14℃
- 16℃
- 20℃
答え【4】
この手の問題を解くにはまず整理することから始めます。今わかっていることは
- 壁体の熱貫流率=4W/(m2・K)
- 室内温度 =24℃
- 室外温度 =4℃
- 室内側熱伝達率 =10W/(m2・K)
- 室外側熱伝達率 =20W/(m2・K)
壁を通過する熱量貫流熱量と室内側に伝わる熱量熱伝達量は等しいということです。
つまり
貫流熱量=熱伝達量になります。
もうひとつここでまだわかっていないのが壁面積です。
ここで壁面積をS[m2]とすると
これで室内側表面温度を求めることができます。
熱貫流量=熱貫流率 x 室内外温度差 x 壁面積
=4W/(m2・K) x (24 - 4) x S
=80S
熱伝達量=伝熱率 x (気温 - 壁表面温度) x 壁面積
=10W/(m2・K) x (24 -壁表面温度) x S
=10S(24 -壁表面温度)
になります。
つまり
80S = 10S(24 -壁表面温度)
8=24-壁表面温度
壁表面温度=24-8
壁表面温度=16℃
- 令和元年問題48
問題49
一辺が4mの正方形の壁材料を組合せて立方体の室を作り、日射が当たらない条件で床面に固定した。壁材料の熱貫流率を1.25W/m2・K、隙間換気は無視できるとし、外気温度が0℃の条件下で内部を加熱したところ、十分に時間が経過した後の室温度が25℃になった。なお、床面は完全に断熱されており、床を通じての熱移動はない。このとき、室内での発熱量として、最も適当なものは次のうちどれか。
- 1,300W
- 1,600W
- 2,000W
- 2,500W
- 3,000W
答え【4】
まず、熱貫流率とは?温度差のある空間(部屋内と外など)を隔てる材料(壁や窓)の熱の伝えやすさを表す数値です。
ビル管理士試験では受験者さんを惑わす表現の仕方をしますが、この問題はつまり、外気が0℃で部屋を暖房した時の部屋の温度が25℃になった。その時の発熱量を求めなさい。
ということです。
この問題このまま公式に当てはめるだけで解くことができますので、公式は覚えましょう。
発熱量=熱貫流率 x 室内外温度差 x 壁面積
で求めることができます。
そこでこの問題でまだわからないのは壁面積ですが、壁面積は
4m x 4m x 5面=80m2 になり 発熱量= 1.25 x (25℃(室温)―0℃(外気)) x 80m2 = 2500W になります。
問題50
湿り空気と湿度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 湿り空気の温度が一定の状態で絶対湿度を増加させると、比エンタルピ―は増加する。
- 絶対湿度とは、湿り空気1kgに含まれる水蒸気の質量のことである。
- 湿り空気中の水蒸気の持つ分圧を水蒸気分圧という。
- 露点温度における湿り空気では、乾球温度と湿球温度は等しい。
- 相対湿度とは、同じ温度での、飽和水蒸気圧に対する水蒸気分圧の比である。
答え【2】
(2)が誤りです。絶対湿度とは、湿り空気中の乾燥空気1㎏当たりの水蒸気量のことです。
名称 | 単位 | 定義 |
---|---|---|
乾球温度 | ℃ | 乾球温度計の示す温度のこと。 |
相対湿度 | % | ある湿り空気の水蒸気分圧と、同じ温度の飽和湿り空気の水蒸気分圧(飽和水蒸気圧という)の比。 飽和湿り空気の相対湿度は100%となる。) |
湿球温度 | ℃ | 5m/s程度の気流の当たっている湿球温度計の示す温度。 飽和湿り空気では乾球温度と湿球温度は等しくなる。そうでない場合は常に湿球温度は乾球温度より低い値を示す。 |
絶対湿度 | kg/kg(DA) | 湿り空気中の乾燥空気1㎏当たりの水蒸気量のことです。(水蒸気の絶対量を示す。) |
水蒸気分圧 | Pa | 湿り空気を理想気体(完全気体ともいう)と見なせば、その圧力は水蒸気だけあった時の圧力は、乾燥空気だけあったときの圧力の和である。ダルトンの分圧の法則という。 その時の水蒸気の圧力を水蒸気分圧という。(水蒸気の絶対量を示す。) |
比エンタルピ― | kJ/kg(DA) | 湿り空気の持っている熱量(顕熱+潜熱)、0℃の乾燥空気の比エンタルピ―をゼロとする。 |
比容積 | m3/kg(DA) | 乾き空気1kg当たりの湿り空気を占める容積。 |
飽和度 | % | ある湿り空気の絶対湿度と、同じ温度の飽和湿り空気の絶対湿度の比を飽和度という。 |
- 平成29年問題47
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